【連載】有明商事と海砂の闇(第2回)

いやはや、「氷山の一角」という言葉をここまでリアルに体現してくれる団体も珍しい。
舞台は壱岐沖、主演は 長崎県海砂生産協同組合(有明商事、長崎市)である。
彼らがやらかしたのは、許可区域ギリギリでの“サバイバル採取ゲーム”だった。
ところが気づけばスッと越境、あれよあれよと佐賀県海域に突入。
まるで「国境なき砂利団」である。
佐賀県の怒りの「海砂採取事業の実態を開示し改善を求める請願」の続き、(第2回)である。どうぞ~

改めて調べてみたのだが、同様の事案数は公表されていない分も含めると他にもかなり多く事案としてあり、昨今の採取区域の申請許可状況を再確認し改めて詳細を調べたところ、大半が境界線付近ギリギリの区域での採取許可を土木監理課では出していることが判明している。
現在、長崎県内での海砂の需要量は90万㎥前後である一方、県全域で240万㎥、その内壱岐海域で175万㎥もの海砂が採取されており、本当に必要であるかどうか、妥当な採取限度量を検討委員会では適確に調査分析をしたうえで提言されているのかどうかも疑わしい状況である。そのような状況下であっても、従前から境界線近辺の採取申請に対し、土木監理課では漁業への壊滅的悪影響を及ぼす極点集中の深堀りになることをわかっていながら頻繁に境界線付近の採取申請に対し許可を出し続け、区域外採取は当たり前のように繰り返し行われてきたことが判明している。
極端な深掘りは海底を凸凹にし、海藻類の成長を脅かし、結果、産卵場所としても不適当な海底環境になり、イカなどの稚魚類も減り、それを餌とする魚類も減少するという悪循環を繰り返し、漁業に壊滅的な悪影響を与える要因の一つになっている。
加えて、採取後の海底や藻場の原状回復に、海砂採取業者らは何ら対策を講じることもなく放置している。海底の荒廃を他人事のように直視することもなく海底の調査など一切していない。迷惑料を漁協組合員に支払い一部の執行部(漁協組合長)らに小遣いを渡して、何十年もの間、甘い汁を吸いながら莫大な利益を得、都市部(福岡天神)に豪勢な自社ビルを所有するなど、海砂採取業者は育成保護云々どころか当局と蜜月な関係を維持しながら、膨張し続けているのが実態である。各事業者の財務状況、経営状態など、決算書も含めた監察は、長年担当者の異動もない担当課ではどこまで把握しているというのか、甚だ如何わしい限りである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





