【連載】有明商事と海砂の闇(第1回)

国有財産を食い物にする構図を暴く
本サイトではすっかりお馴染みとなった海砂採取業者、有明商事(中村満社長)。これまでにも数々の不祥事や不可解な動きを取り上げてきた。
久しぶりに有明商事の名前を耳にしたのだが、どうやら今回の事案は、これまでの延長線上では済まされないようである。
というのも、問題の舞台は長崎県と佐賀県の中を取り持つ玄海灘の「国有財産」である海砂の採取の実態。言うまでもなく、これは私たち県民の財産であり、未来の世代に引き継ぐべき公共資源である。それを違法に、しかも常習的に採取しているとすれば――もはや単なる業者のモラル欠如にとどまらず、県民の財産を食い物にする盗掘行為そのものと言わざるを得ない。
長崎の海はただの砂場ではない。魚類を生み育て、漁業を支え、景観を守り、暮らしの基盤を形作る存在である。その海から黙って砂を盗み出す。これは見過ごせる話ではない。
本連載では、こうした不適切な実態について、可能な限り具体的に報告していきたい。過去の経緯、現場の手口、環境への影響、そして行政・政治との関わりまで――。有明商事をめぐる「海砂の闇」を、県民の視点で掘り下げていくつもりである。
海砂採取事業の実態を開示し改善を求める請願①
1 海砂の区域外採取に纏わる実態の究明と改善
先般、令和7年5月27日、長崎県は県砂利組合の賛助会員として登録している長崎県海砂生産協同組合を、県の海域条例違反により6月1日から1か月間、現在の許可区域に於いて土石採取の許可を停止とする行政処分が発表された。
内容は、壱岐市の南側の玄界灘海域で海砂を採取する際、許可された区域の外側、つまり、長崎県と佐賀県の境界線を越えた佐賀県側の海域で、6000㎥越えの海砂を3日間に於いて採取したということである。
1日平均して約2000㎥の海砂を採取したということであるが、概ね丸一日採取をし、それを3回(1月15日、1月30日、2月2日)も繰り返したというのだが、どうも話がうまく出来すぎているように感じる。
現在の船舶運行管理システムやその位置情報は、GPS等で厳重に監視されている中での区域外採取である。どう考えても「分からなかった、間違えました。」では済まされない確信犯的行為であると言える。
他県の管理海域で、国有財産である公有産物を「境界線を越えて採取した」ということであれば、これは立派な「盗掘」に値する。しかも、海面上では境界線ギリギリにGPSが示そうとも、船舶からの採取ポンプにつないでいるホース先の採取口までは100mを下らない長さがあり、錨の長さは500m、船舶本体100m、境界線を越えトータルで約700mも隣県の海域に入り込んで採取していたと考えられる有り様だ。

JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





