アイコン 【2026年】リストラ・希望退職企業一覧 大手で人員削減相次ぐ一方、6割が採用予定


2026年、大手企業を中心に希望退職や早期退職、人員削減などの動きが続いている。

将来の事業構造転換や固定費削減、人員構成の見直しを目的に、業績が黒字の段階から希望退職制度を実施する、いわゆる「黒字リストラ」も珍しくなくなった。

その一方、日本企業の多くは深刻な人手不足に直面している。2026年度に正社員の採用を予定している企業は6割を超え、特に中途採用への意欲は新卒採用を大きく上回る。

「人を減らす企業」と「人を採りたい企業」が同時に存在する2026年の雇用市場。主な希望退職・早期退職の実施企業と、最新の採用・人手不足動向をまとめた。

2026年の雇用で起きていること
  • 大手企業で希望退職・早期退職制度の実施が続く
  • 業績が黒字の企業でも人員構成の見直しが進む
  • 正社員が不足する企業は51.3%と半数を超える
  • 2026年度に正社員を採用予定の企業は60.3%
  • 中途採用予定52.4%で、新卒採用36.9%を上回る
  • 人件費高騰や従業員退職による倒産も過去最多ペース
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2026年の主なリストラ・希望退職企業一覧

企業が公表した2026年の主な希望退職・早期退職制度では、募集人数を上回る応募・利用が確認されたケースもある。

企業 募集規模 実施結果 概要
住友重機械工業 500人程度 582人 55歳以上65歳未満で一定の勤続年数を満たす社員などを対象に希望退職者優遇制度を実施。通常の退職金に加えて加算金を支給し、希望者には転職支援サービスを提供した。
日清紡マイクロデバイス 約560人規模 560人 マイクロデバイス事業の構造改革の一環として早期退職優遇制度を実施。固定費削減を進めるとともに、事業構造そのものの見直しを進めている。
タカラバイオ 120人程度 148人 新卒新入社員を除く全社員を対象に希望退職を募集。通常の退職金に加えて割増退職金を支給し、希望者には再就職支援を行う。
「リストラ」と希望退職は同じではない
一般に検索では「リストラ」という言葉が広く使われるが、企業が実施する施策には希望退職、早期退職優遇制度、キャリア支援制度、事業構造改革などさまざまな形がある。本記事では各社が公表した制度内容をもとに整理している。

希望退職は2万人超 約7割が「黒字企業」

大手企業の人員削減は2026年に突然始まったものではない。

東京商工リサーチによると、2025年度に早期・希望退職募集が判明した上場企業は46社で、募集人数は2万781人に達した。

前年度の8326人から約2.5倍に増加し、2009年度以降では4番目の高水準となった。

さらに特徴的なのが、希望退職を実施した46社のうち32社、69.5%が直近決算で黒字だったことだ。

募集人数でも黒字企業が1万6908人を占めており、企業業績が大きく悪化してから人員削減に踏み切る従来型のリストラだけではなく、将来の事業転換や人員構成を見据えて早い段階から人員を見直す動きが広がっている。

なぜ黒字なのにリストラ・希望退職をするのか

近年の希望退職は、必ずしも「会社が経営危機だから人を減らす」というものではない。

成熟事業を縮小する一方で、AI、DX、半導体、成長事業などに経営資源を振り向けるため、人員構成そのものを変える企業が増えている。

年齢構成の是正や固定費削減、事業ポートフォリオの見直しなども目的となっており、企業側では退職金の上乗せだけでなく、転職・再就職支援をセットにするケースも多い。

住友重機械工業では希望者への転職支援サービスを用意し、タカラバイオでも再就職支援を実施するなど、希望退職者が次の職場へ移ることを前提とした制度設計がみられる。

その一方で企業の51.3%が「正社員不足」

大手企業で人員削減が進む一方、日本全体では人手不足が依然として深刻だ。

帝国データバンクの2026年7月調査によると、正社員が不足していると回答した企業は51.3%となり、半数を超えた。

業種別では「金融」や「建設」など6業種で正社員不足が6割を超えている。

特に建設業などでは、技能者の高齢化や退職によって人材確保が難しくなり、受注したくても人が足りず仕事を受けられない企業もある。

非正社員では「飲食店」の人手不足割合が最も高く、店舗の閉店が相次ぐ一方で、営業を続ける店舗では人材確保が課題となっている。

2026年度は企業の60.3%が正社員を採用予定

人手不足を背景に、企業の採用意欲も依然として高い。

帝国データバンクが全国企業を対象に実施した調査では、2026年度に正社員の採用予定がある企業は60.3%となり、3年ぶりに上昇した。

2026年度の採用動向 企業割合
正社員の採用予定あり 60.3%
中途社員の採用予定あり 52.4%
新卒社員の採用予定あり 36.9%
非正社員の採用予定あり 41.2%

なかでも注目されるのが中途採用だ。

中途社員を採用予定とする企業は52.4%で、新卒社員の36.9%を大きく上回った。

つまり、希望退職や事業再編によって企業を離れる人材がいる一方、経験を持つ人材を外部から採用したい企業も多数存在している。

求人倍率は1.18倍 正社員は1.00倍

厚生労働省が公表した2026年7月の一般職業紹介状況では、有効求人倍率は1.18倍、正社員有効求人倍率は1.00倍となった。

求人全体では求職者1人に対して1件を超える求人が存在する状態が続いている。

ただし業種による差も大きい。7月の新規求人は前年同月比で、製造業が6.8%増、医療・福祉が1.3%増となった一方、宿泊・飲食サービス業は10.7%減、卸売・小売業は7.3%減となった。

「どの業界でも求人が増えている」という状況ではなく、企業や業種によって雇用環境の明暗が分かれている。

人が余る企業の一方「人手不足倒産」は過去最多ペース

さらに対照的なのが、人手不足を原因とする企業倒産の増加だ。

東京商工リサーチによると、2026年1~8月の「人手不足」関連倒産は333件となり、前年同期比38.7%増。年間最多ペースで推移している。

内訳では「人件費高騰」が175件、「従業員退職」が81件となり、いずれも1~8月として過去最多を更新した。

仕事はあっても必要な人材を確保できない、賃金を引き上げたことで利益が圧迫される、従業員の退職によって受注を維持できなくなる――こうした理由で事業継続が難しくなる企業も増えている。

「人を減らす大手」と「人が足りない中小企業」

2026年の雇用市場は、単純に「リストラが増えて仕事がなくなっている」と捉えることはできない。

大手企業では、成長分野への投資や事業構造の転換を目的として、希望退職や早期退職による人員構成の見直しが進む。

その一方、建設、医療・福祉をはじめ、多くの業界では人材不足が慢性化し、中途採用を積極化する企業も多い。

雇用市場で進む「人材の再配置」
人員を減らす企業
事業再編・固定費削減・年齢構成見直し・成長分野へのシフト

人材を求める企業
退職者補充・高齢化対応・人手不足・事業拡大・専門人材確保

希望退職によって企業を離れる人材と、中途採用で経験者を求める企業との間で、人材の再配置が進んでいるともいえる。

閉店・撤退・リストラは転職や再就職にも影響

企業の希望退職だけでなく、飲食店やスーパーなどの店舗閉鎖、工場閉鎖、事業撤退も地域の雇用に影響する。

閉店した店舗の従業員が必ず失職するわけではなく、別店舗への配置転換や事業承継によって雇用が維持されるケースもある。

一方、勤務先の店舗や事業所がなくなれば、新たな勤務先への異動や転職・再就職を検討する人も出てくる。

2026年度は企業の52.4%が中途社員の採用を予定しており、経験者を対象とする採用市場は引き続き大きい。

今後は企業のリストラ・希望退職だけでなく、どの企業や業界が人材採用を強化しているのかについても注目される。

2026年後半もリストラと採用の両方に注目

大手企業の希望退職、地域企業の人手不足、過去最多ペースの人手不足倒産――2026年の雇用市場では、一見相反する動きが同時に進んでいる。

企業が必要とする人材や事業分野が変化するなか、従来の雇用を維持するだけではなく、成長分野への人材移動や中途採用が一段と重要になっている。

「どの企業が人を減らし、どの企業・業界が人を求めているのか」

リストラ・希望退職と採用動向は、企業経営だけでなく、働く人の転職・再就職にも直結するテーマとして2026年後半も注目される。

※本記事は2026年9月4日時点で確認できた企業の公式発表および公的機関・民間調査機関の公表資料をもとにまとめています。「リストラ」は一般的な検索・報道上の表現として使用しており、各企業が実施する制度の内容や目的はそれぞれ異なります。

[ 2026年9月 6日 ]
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