アイコン 北朝鮮 2年間での核廃絶 リビア方式は可能か

 

 

リビアのカダフィは、米国の軍事的圧力に核開発と弾頭ミサイル開発中止の交換条件に体制維持の保証を挙げ、2003年12月核開発施設の廃絶に合意した。核開発施設は米軍によりその中枢施設を持ち帰り米国で解体され、リビアからは2年間で完全に取り払われた。
しかし、2011年8月には、米軍らの攻撃により、カダフィ帝国は壊滅させられ、同年10月リビア人たちによってカダフィは処刑された。
金正恩は当然、リビア方式におけるカダフィの顛末を十分念頭においている。

<金正恩の声明>
金正恩は、「朝鮮半島の非核化の実現はわれわれの一貫した明確な立場であり、関係国がわれわれへの敵視政策と、安全保障上の脅威を取り除けば、われわれは核を保有する必要はなく、非核化を実現できる」
「米朝対話を通して互いの信頼を高め、関係国が段階的で歩調をあわせた措置をとり、全面的に半島問題の政治的な解決のプロセスを推し進め、最終的に半島の非核化と恒久的な平和を実現することを望む」
と表明し、核廃絶は最終的な朝鮮半島の非核恒久化の上で実現するとしている。

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<タカ派になったトランプ政権>
米トランプ自身は北の核廃絶について早期決着を主張し、今回、片腕となっているボルトン補佐官も、リビア方式を採るべきだと主張している。
しかし、それを実現させるためには、韓国駐留の米軍撤退という条件となること予想される。
これでは、中国の思惑通りになり、米国自身を含めた極東アジア全体の安全保障問題にかかわることになる。

韓国の文政権の大統領特別補佐官の文正仁は、すでに、「文大統領が韓国の米軍は必要ないと言ったら、米軍は撤退しなければならない」とNYのセミナーに出席して発言している。
文政権は基本、従北・親中政権であり、そうした政権スタッフで固められていることも念頭に米政権は判断する必要があろうか。

しかも、米トランプは2月、朝鮮半島から米軍を単純に経費問題で撤退させようとした。
3月には、国務長官にタカ派のマイク・ポンペオCIA長官を抜擢した。ポンペオはそれまでのCIA長官時代、北朝鮮は2ヶ月で開発したICBMに核搭載技術を獲得すると昨年12月から何回も主張し、トランプに言い続け、暗に攻撃すべきだという主張を展開してきた人物。
しかし、小物と見え、トランプが国務長官にし、北朝鮮へ派遣、金正恩と会ったとたん、手のひらを返したように(金正恩は)大したものだと褒めちぎっていた。

もう一人、4月に、イラクへの単独攻撃を主張しブッシュのイラク攻撃を誘導した超タカ派のボルトンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任させた。これまで、対北朝鮮に対して先制攻撃や政権転覆を訴え、米朝対話に否定的な立場をとってきた人物だ。

トランプはこの2人のタカ派を手玉に取ることは商売人として朝飯前だろうが、ほかのスタッフとの軋轢が生じる可能性がある。

例えば、内部衝突の可能性は、現実主義対話派のマティス国防長官、軍部を抑えるためにはトランプにとって手放せない人物だ。
また、海兵隊大将のケリー首席補佐官、トランプのコロコロ変わる言動についていけず、愚痴っていることも報道され、トランプはすでに頭を越え、ポンペオやボルトンとの会話を重んじているという。辞任の噂も耐えなくなっているが、原因は、2月、トランプが韓国駐留米軍を撤退させようとした時、猛反対したことが、トランプの琴線に触れ、それ以降、主席補佐官ながらトランプからまともな会話ができない状態になっているという。ティラーソン前国務長官も辞任の噂が耐えない中、最後は国務長官として外遊中に、トランプから3月13日ツイッターで解任された。

米トランプは、政権発足当初は、(1)選挙参謀たちや議会懐柔策に共和党議員たちで構成し、(2)次第に多くの軍関係者を引き入れ、(3)今では軍部のマクマスター安全保障担当補佐官を解任してまで超タカ派を中核に据えている。

やはり、韓国がすべての金の玉を握っているようだ。

北の早期核廃絶のため、米軍は自主的に撤退しなければ、フィリピンのように韓国から追い出されるのだろうか。

竹島問題では日本を仮想敵国に海空の大規模軍事訓練を続ける韓国、その後は北まで関係してくる。日本は、核廃絶とともに拉致問題は解決していようが、竹島問題は永遠に残る。日本はどうするのだろうか。

北は、米軍とともにIAEAを受け入れ、早期核廃絶に動かなければ、国連制裁の解除も望めないのだが・・・。

金正恩は、核開発施設はともかく、核爆弾を持ったまま痺れを切らすことも十分ありえよう。

北朝鮮は国土全体が要塞化されており、いくらスパイ衛生で監視していても、どこに核爆弾が隠され、弾頭ミサイルが保管されているのかも見出すのは困難と見られる。
(北朝鮮住民は朝鮮戦争において、米軍から国土のほとんどの地域で焼夷弾による絨毯爆撃を受け、100万人以上の民間人が殺害され、反米感情は根強い。太平洋戦争における日本の民間人死者数は約80万人。それも北は国土も狭く、空爆された期間も短い)

中国にしても、白頭血統の金正男の長男漢率を保護下においている意味あいは大きいのかもしれない。

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[ 2018年5月 9日 ]

 

 

 

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