アイコン ラオスダム決壊 杜撰工事の可能性の見方 5ヶ月間早期完成で22億円受領

 

 

ラオス南部で建設中だった水力発電用ダムが決壊した大惨事は、行方不明者の捜索活動が難航しており、同国のエネルギー・鉱業相は杜撰な工事が事故の原因だった可能性があるとの見方を示している。

ダムは23日夜決壊。
現場が近づきにくい場所にあり、ラオス当局があまり公式な発表に前向きでないことなどから正確な死者・行方不明者の数はいまだに分かっていない。
当局は、当初、死者数を27人と明らかにしたが、捜索活動の責任者は28日、8人が死亡、123人が行方不明になっていると発表している。

一方、27日には、アッタプー県の幹部が、報道陣に対し「1126人が発見できていない」と発言するなど、行方不明者に関する情報は錯綜している。

また、12億ドル(約1300億円)の費用が投じられ、韓国主導で、ラオス、タイの企業も参加したコンソーシアム事業(韓国勢2社が過半の株)、施工はSK建設により建設されていたダムをめぐり、現地では建設に対する疑念も持ち上がっている。

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報道では50億立方メートルのダム水が決壊で流出し、その急流で少なくとも23人が死亡し、不明者多数、6000人の家が流され、7村一帯の水位は2階まで浸かっており、下流域のカンボジア北部でも川の水位が12メートル上昇、2万5千人が避難していると現地入りしているCNNが27日報道している。
日本最大のダム、木曽川水系揖斐川の徳山ダムの貯水量は6.6億立方メートル、その決壊での水量のすごさを物語っている。なお、SK建設は決壊を否定しているものの、流出量に関しては、これまで、一切否定していない。

<決壊の原因について>
SK建設側はラオスで定期的に降るモンスーンの豪雨だと主張している。
一方、ラオス国営メディアおよびラジオ・フリー・アジアによると、同国のカンマニ・インティラートエネルギー・鉱業相は、決壊原因が杜撰な設計にあった可能性があるとの見方を示している。
ラオスのトンルン首相も現地入りし、同国にとって過去数十年で最悪の災害だとしている。

このダムを施工している韓国のSK建設は、同社が事故原因の調査を行っていると明らかにし、SKグループは災害支援金として1000万ドル(約11億円)を寄付した。(韓国政府も救援として救援物資と資金の計100万ドル相当を提供すると発表している)

<韓国政府は他人事か>
韓国政府は25日になり、会議を招集し、26日に先遣隊7人をラオスに飛ばしたものの、現地には27日入った模様で、29日になりやっと医療部隊や救援隊・救援物資を積みラオスへ軍用機2機で送った。
26日までに隣国ベトナムは1000人規模、中国も数百人規模の救援隊を派遣している。

文大統領は、ラオスダム大惨事の最中の26日夕、落ち目の支持率回復を狙い、用意された市民とのビヤホール懇親会に参加し、ピールを酌み交わし談笑し、市民派PRの報道をさせる有様、こうした市民のご機嫌取りに、韓国政府が支援してSK建設等が受注したラオスのダム決壊の救援活動が大幅に遅れたと言われても言い訳できないだろう。
以上、

(自社施工ダムが決壊し、自社で調査し、自社の杜撰工事だったというバカげた調査結果を出す大バカな会社は世の中にない)

また、こうした支援金や寄付金は、赤十字など通さない限り、同国幹部たちの懐を肥やすだけだろう。
ラオス政府が死者数を公表したがらないのは、今回の決壊の事故を受け、ダム建設批判の的が、ダム開発を国家の収益源にしようとするラオス政権に向かわないようにするためと、今後とも金の成る木として利用価値が高い韓国政府を意識したものか。

<決壊したダム>
決壊した補助ダムはアースダムで、アーチ型に土嚢で堰堤を築いた実質貯水池、しかし、とてつもなく大きな貯水池、
SK建設は、
1、設計に対する工事ミスだったのか、
2、急ぎすぎて手抜き工事をしたのか、
3、メコン川中流域、たびたび洪水を起こす一帯であることを念頭に設計していなかったのか、
4、下請けのラオスの建設会社が手抜き工事をした可能性もある。

いずれにしろダムが決壊し、大惨事になっていることだけは現実、何らかの原因があり、今後調査されることになる。
このままだと、残る4つの補助ダム=アースダム=貯水池も安全だといえず、ほかの補助ダムも含め設計の安全性の検証とポーリングによる5補助ダムの建設現場の安全性検証も第3者機関による調査が必要となろう。1度あることは必ず2度ある。
当ダムは全補助ダムを徹底検証すれば、来年2月からの営業運転予定は大幅に遅れることになる。

ラオスは、正式にはラオス人民民主共和国、1986年に市場経済を導入したものの共産国、中国の息がかかった国でもあり、外国の専門家たちに調査させることもなく、中国同様、被害実態も含め、うやむやにする可能性もある。

<SK建設が決して説明しなかった経緯>
(合弁参加している韓国西部電力の現地からの日々送信されてくる業務日誌により、以下のことが判明している)
モンスーンで雨季入りし雨が降り続く中、堰堤が
20日、1ヶ所11センチ沈下を発見(許容範囲内として放置)、
21日、やり過ごし、
22日、10ヶ所で沈下を確認、補修工事を決定、
23日朝、工事をしようとしたが、朝の段階で沈下がすでに1メートル以上に及び、溢れ出ていたことから、大雨もあり補修工事を断念、関係する地方自治体に下流域住民の避難を要請、近隣下流域住民だけ避難した。

23夜、ダム決壊。その先の下流域の7つの村民には避難勧告が伝わらず、決壊が夜だったこともあり、大惨事となった。

28日になりやっと、一部、水が引き始め、避難地から水没地の自宅へ帰還する人たちも出てきている。

韓国紙は、韓国やタイ・ラオスの合弁企業が建設しているとしているが、表現として間違いはないものの、その合弁企業から、建設を請け負っているのは、出資者でもある韓国のSK建設である。
SK建設が利益を上げようとするならば、また、ダム建設の設計コンサルが現場に入っていない限り、手抜き工事も当然考えられよう。

また、SK建設は、2019年2月営業運転開始のダム建設工事で、合弁企業から補助ダム含む本体施工を5ヶ月間早く完成させたとして、すでに2000万ドル(約22億円)の報奨金=ポーナスを受領していたことも伝えられている。
工期短縮とダム決壊の因果関係はいかに・・・。

<メコン川では関西電力も大林組で水力発電所建設>
<関西電力・大林組をライバル視した可能性>
なお、ラオス内のメコン川中上流域の支流ラムニアップ川では、関西電力もコンソーシアムの合弁事業(関西電力45%、タイ電力会社30%、ラオス政府系電力公社25%)として、ラムニアップ1水力発電所(日本最大のダム徳山ダムの3倍超)を2019年1月営業運転開始予定で建設に当たっており、すでに補助ダム含む本体ダムを完成させている。
合弁筆頭の関西電力は、大林組にダムの土木工事を発注、電気設備(水力発電機一式を日立三菱水力受注)や金物工事、送電線工事は分離発注している。

SK建設の現場は関西電力のダムよりさらに大型ながら、完成予定時期がほぼ一緒のため、ライバル視、工事を急いだ可能性もある。それともボーナス狙いか?

↓ メコン川
ラオス南部、カンボジア・ベトナムに近い流域に建設されているダム。
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[ 2018年7月30日 ]

 

 

 

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