アイコン 現代自動車 第3・四半期決算 営業利益284億円まで落ちる 大丈夫か?

 

 

現代自動車の第3四半期(7~9月期)の営業利益が、過去最低水準の2,889億ウォン(約284億円/0.099円)にとどまった。中国でTHAAD問題により大幅に落ち込んでいた前年の同期間比では▲78%減だった。

営業利益率は1.2%で、IMFに救いを求めたアジア通貨危機の最中だった1998年の4.2%より大幅に低下した。当期純利益は3,060億ウォンだった。

現代自は、2012~13年には1四半期当たり2兆ウォン(現在レートで約2000億円)の利益を計上し、その後も1兆ウォン以上の利益を維持していたが、2017年第4四半期(10~12月期)を機に1兆ウォンを割り込み、今回の「2000億ウォンショック」に至った。

現代自動車の業績が急降下したのは、米国と中国の2大主要市場での苦戦に加え、新興国の為替レートの問題、一挙に3工場進出などの戦略の失敗など、さまざまな問題が同時に発生した結果となっている。

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韓国国内の自動車販売市場の78%を占める現代自グループの業績急降下は、直接・間接的な雇用177万人、輸出の8%を占める韓国自動車産業の危機に直結する。さらに、約8000社に上る納品企業にも危機をもたらす。

造船業界に続いて自動車業界にまで危機が迫ったことで、雇用誘発効果の高い製造業全体が崩壊する懸念が高まっている。

世界の自動車企業ビッグ5のうち現代自動車を除くルノー・日産グループ、トヨタ、フォルクスワーゲン、ゼネラル・モーターズ(GM)は、今年上半期の営業利益率が5%以上で業績を維持している。
以上、韓国紙参照

現代・起亜グループの7~9月の世界販売台数は▲1.4%減の179万台となっている。

世界的に自動車販売台数は伸びていない。
2大市場では、
米国では9月の乗用車販売台数は▲6.0%減の143万台、1月から9月までの累計でも0.2%増の1,289万台に留まっている。(2017年通年▲1.8%減の1,723万台)

中国でも9月の乗用車販売台数は▲12.0%減の206万台、1月から9月までの累計では0.6%増の1,725万台に留まっている。(2017年通年+1.4%増の2,471万台だった)

<原価コスト上昇圧力>
世界販売台数減少に加え、こうした2大市場における販売台数の頭打ち現象では、各社がインセンティブ販売強化で対応しており、各社とも収益を大きく落とす原因にもなっているが、薄利多売方式の韓国勢に与える影響はさらに大きい。

<新設工場の原価コスト上昇と副作用>
現代自動車の場合は、それに加えて、中国市場では、THAAD配備問題の直撃弾を受けており、さらに2016年秋完成の河北工場と2017年に完成した重慶工場、それぞれ30万台の年生産キャパの工場があり、減価償却費なども営業利益を圧迫しているものと見られる。2016年には傘下の起亜自動車が30万台規模の工場をメコシコに完成させ操業している。

現代・起亜グループの世界販売台数が減少している中、新3工場は稼働率問題を抱え、既存工場でも工場稼働率を悪化させれば、原価率を高めることになる(メキシコ工場をフル稼働させれば、本国工場が米国へ輸出する生産台数が減少する関係。当工場では現代自動車の車両も生産している)。

トランプ爆弾による新興国の為替安の影響は、韓国ウォン安もあり、幾分相殺されている。同社が強いブラジルやロシアの為替大幅下落が影響したとしている。
以上、

<今後の経営には政治的な圧迫が・・・>
韓国では、最低賃金が今年16.4%上昇し、来年の10.9%上昇が確定している。当然、末端の部品工場などは、賃金上昇による運送費の上昇、高騰する燃料費、賃金上昇から納入単価の引き上げを要請することになり、現代自動車では部品調達コストが上昇することになる。

文政権は監督当局を大手企業へ派遣して、非正規雇用者の正規雇用化を力で転換させている。こうした本体での賃金圧力も原価コストの上昇となる。

<来年には原価コスト上昇が本格化か>
来年には、本国では、こうした原価コストの上昇が経営に現実身を帯びてくる。
現代自動車が、部品の調達価格を抑えれば、サプライチェーンは倒産の危機に陥り、崩壊する。すでに自動車部品会社では経営破たんする企業も目立ってきている。

韓国車が世界で売れる最大の要因となっている日米欧車に対するコストパフォーマンスが、崩れ去ろうとしている。

<教訓>
日本企業もそうだが、調子が良い時に、はしゃぎ過ぎたら、その後ろくでもないことが待っている。
現代自動車も絶好調の2014年9月、ソウル中心街の三成洞の韓国電力跡地(国有地)の土地を、ほかの入札者が驚いた、当事の鑑定時価評価額の3倍以上での落札(10兆5500億ウォン/現在レートで1兆400億円/0.099円)、飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、驕れるもの久しからずだったようだ。
鎌倉時代からこの教訓は今に至るまで生きている。
日本の多くの大手製造企業にも祇園精舎の鐘が鳴り響いている。

 

現代+起亜グループの世界販売台数推移
 
販売台数
前年比
2012年
7,122,681
 
2013年
7,548,477
6.0%
2014年
8,005,220
6.0%
2015年
8,015,745
0.1%
2016年
7,795,425
-2.8%
2017年
7,251,013
-7.0%
2018年1~9
4,492,304
2.4%
 

 

中国市場における韓国系車の販売台数推移 /単位:万台
 
2016年
2017年
2018年
 
台数
前年比
台数
前年比
台数
前年比
1月
12.39
-22.3%
11.01
-11.1%
9.02
-18.0%
2月
9.28
-21.7%
9.12
-1.7%
5.71
-37.3%
3月
15.21
-6.4%
7.20
-52.6%
9.75
35.4%
4月
14.22
0.5%
5.10
-65.2%
10.31
101.7%
5月
15.05
16.7%
5.25
-65.1%
9.03
72.0%
6月
14.69
45.5%
5.41
-61.9%
11.41
110.9%
7月
11.10
31.8%
7.00
-36.9%
4.90
-30.0%
8月
12.41
29.0%
7.60
-38.7%
9.10
19.7%
9月
15.92
20.3%
12.50
-21.4%
11.11
-11.1%
10月
16.00
1.3%
12.25
-23.4%
 
 
11月
20.65
14.5%
14.49
-29.8%
 
 
12月
22.28
3.7%
17.52
-21.3%
9月
累計
年計
179.2
6.7%
114.45
-36.1%
80.34
14.5%
全中国
2,437.69
14.9%
2,471.83
1.4%
1,725.97
0.6%
 ・乗用車の販売台数、中国の数値は乗用車の総販売台数。中国汽車工業協会版の工場出荷台数/マークラインズ参考。/韓国勢=現代+起亜
・2018年7~9月の中国の乗用車市場の販売台数▲7.4%減の25.11万台となり、昨年の大幅回復から回復しなかった。3~6月までは大幅に回復していたが、4月に新型車投入したSUVがヒットが続かなかったことも起因している。16年の韓国勢は過去最高。

 

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[ 2018年10月26日 ]

 

 

 

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