アイコン 韓国自動車産業の低迷は、海外工場新設と海外生産増にあり

 

 

現代と起亜の現代自動車グループは、2016年秋にメキシコに年産30~40万大規模の工場を完成させ、同年秋に中国・河北省に30万台規模の工場を、2017年には中国・重慶工場を完成させている。現代Gの世界販売台数は2015年の過去最高の801万台から2017年には725万台に落ち、一方、生産キャパは直近で上記のとおり90万台増加している。

工場建設には4~5年前から検討することから、現代グループが絶好調の時に建設が決定、
現代Gが販売不振に陥るなか工場が完成している。
現代Gは、米国での販売不振の中、メキシコ工場の本格稼動により輸出用の国内生産も落ち、中国の新2工場は稼動率さえ不安視されている。
そうした販売不振は、現代Gのサプライチェーンへの影響も甚大となっている。

韓国経済新聞は次のとおり、掲載している。

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崔鍾球金融委員長が10月17日、金融機関に対して、「枯死の危機に追いやられた自動車部品メーカーに対する貸し剥がしを自制してほしい」という要請を行った。部品メーカーは、今年に入り工場稼動率の下落と資金難などから廃業の危機にさらされている。

昨年、中国の高高度防衛ミサイル(THAAD)報復に続き、今年に入ってからは韓国GMの群山工場閉鎖まで重なり、1年以上にわたり苦戦してきた自動車業界の後遺症が続いたためという分析が出ている。

<米中販売不振に為替損失の直撃弾>最近は大きくウォン安に振れている。
自動車業界の危機はなかなか解消されずにいる。
証券業界によると、現代自動車の今年7-9月期の営業利益は8000億ウォン台半ばにとどまったと推定されている。市場では25日の業績発表でアーニングショックを予想している。世界最大の自動車市場である中国と米国で販売不振に苦しめられた上にウォン高と主要新興国の通貨安が続き直撃弾を受けたと分析されている。

<米市場>
米国市場では、昨年、過剰生産と販売不振で在庫が一時4ヶ月分も貯まり後遺症が続いた。今年に入ってからもインセンティブ販売強化(販売奨励金/値下げ販売用)で、新車と中古車価格がともに下落する悪循環が繰り返されている。
やむを得ず在庫を一掃するために過度なインセンティブを与え収益性が悪化したという説明。

<中国市場>
昨年、中国のTHAAD報復以降に続いた販売不振から抜け出せずにいる。現代自動車は今年に入り先月までに中国で56万1152台を売った。前年同期の48万9340台より14.7%増えたが、THAAD報復以前の2016年と比較すると3分の2水準にすぎない。在庫が貯まり中国工場で生産した車両の一部を東南アジアなどに輸出する苦肉の策まで検討している。

ここにウォン高と、工場があり販売拠点でもあるロシアやブラジルなど主要新興国の通貨安にともなう損失まで重なっている。
7~9月期に対ウォンでルーブルは▲1.9%、レアルは▲5.2%下落した。
現代自関係者は、「為替変動にともなう損失のため、新車中心の販売回復が売上高と収益性増加につながらなかった」と話しているという。
2017年の現代Gの販売台数は3,393百台、ブラジルは1,979百台
メキシコは、2015年252百台、2016年943百台、2017年1,332百台

<崖っぷちに追いやられた韓国の自動車産業>
現代自動車だけでない。起亜自動車も7~9月期に最悪の業績を出したと推定される。
双竜自動車(インド・マヒンドラ系)と韓国GMは赤字の泥沼から抜け出せずにいる。
双竜自動車は昨年▲653億ウォンの赤字を出した。今年上半期も▲387億ウォンの営業損失を出した。輸出不振が足を引っ張った。

今年初めに群山工場を閉鎖し「韓国撤退説」に苦しめられた韓国GMは、今年1兆ウォン前後の赤字を出すものと業界は予想している。販売不振に加え今年上半期の構造調整にともなう希望退職金支払いなど特損計上まで重なる。同社は2014年から昨年まで▲3兆ウォンの損失を出している。

韓国自動車産業の競争力は「後進」を繰り返して久しい。韓国は2005年から2015年まで世界5位の自動車生産国の座を守ったが、2016年インドに抜かれ6位に落ちた。今年に入ってからは7位であるメキシコにも抜かれた(現代グループのメキシコ工場の本格生産の影響が大きい)。
1~9月の韓国の累積自動車生産台数は前年同期より▲8.4%減の289万9.556台。
同期間にメキシコは295万3,735台を生産した。

<輸出も縮小>
昨年末の海外在庫過多と海外生産拡大が原因か
韓国貿易協会によると今年に入り7月までの自動車輸出額は26兆5500億ウォンで前年同期に比べ▲6.8%減少した。2013年に5.6%で5位だった自動車輸出市場でのシェア順位も4.6%で8位に落ちた。

業界では、慢性的な「高費用低効率構造」で腐ってきた韓国自動車産業が瀕死状況に追い込まれたという診断をしている。
8000社に達する部品メーカーはドミノ倒産の危機に置かれている。こうした渦中にトランプ発の関税爆弾危機にも直面している。米政府が輸入自動車と部品に20~25%ほどの高率関税をかければ米国への輸出が事実上途絶え韓国の自動車産業が崩壊するかもしれないという懸念も出ている。
以上、

米国市場はここ3年その伸び率を鈍化させ、2016年の過去最高の1755万台(前年比0.4%増)でピークアウトしたと見られている(17年は1723万台)。そのため各社インセンティブ販売を強化し、安価な韓国勢のコストパォーマンスがなくなり、更なるコスパが求められ、リコール問題も重なり、業績低迷の一因となっている。

中国市場は、韓国勢(現代+起亜)は、昨年3月のTHAAD配備問題から不買運動にさらされ激減、文政権の中国に対する3不表明や北朝鮮制裁緩和政策で韓国が中国に歩調を合わせていることを評価され、徐々に貿易制裁も緩和されている。
しかし、昨年の大幅減少からの今年の反動増は多くを見られず、新2工場の稼働率問題も抱え、インセンティブ販売を強化して販売増に努めている。

<向こう1年で韓国車のコスパは剥離する>
ストにより労働貴族となった韓国の自動車産業の労働組合。その年間平均報酬はトヨタをはるかに超える水準で、子供の学費まで会社に負担させているほど。それでいて、安価に販売できるシステムこそが、サプライチェーンの多さと低収益性にあった。
しかし、最低賃金増や労働時間短縮、生産量の増加を見ないメーカー側からの値下げ要請にサプライチェーンが危機に陥っている。
さらに来年も2桁の最低賃金増があり、徐々に生産現場の価格に浸透してくることになる。

現代・起亜グループは、韓国内では国内向けも含め一定量しか生産しない方針により、世界販売台数増は、海外生産でまかなう計画を立て、これまで海外工場を開発してきている。
世界販売台数が落ちれば、不人気車を生産している工場稼動率は、生産国が韓国であろうと、どこであろうと落ちることになる。

米中貿易戦争が激化すれば、中国で405万台販売しているGMが、最悪の場合、再び破綻し、韓国GMを撤退する可能性もある。(米GMは、中国関連会社への部品輸出および中国製部品を輸入しており影響は甚大とされている)

現代Gも文大統領とともに、こん日の経営、経済状況打破に北朝鮮特需に期待するしかなくなってきているようだ。

奢れる者は久しからず、ただ春の夜の夢の如し。

 

現代・起亜自動車グループの世界販売台数推移/万台
 
総販売台数
米国
中国
 
/万台
台数
前比
台数
前比
台数
前比
シェア
2013年
754.84
5.9%
125.59
-0.4%
157.75
17.7%
87.7%
2014年
800.51
5.8%
135.09
4.0%
176.61
12.0%
89.4%
2015年
801.57
0.1%
138.75
6.2%
167.88
-4.9%
88.9%
2016年
788.02
-1.7%
142.26
2.5%
179.20
6.7%
88.6%
2017年
725.10
-7.0%
127.52
-10.4%
114.46
-36.1%
91.4%
2018年
541.20
2.2%
95.37
-1.7%
80.33
-14.4%
 
2018年は1~9月の累計値/シェアは韓国5大メーカーの販売台数合計比/前比は前年比。

 

撤退しなかった韓国GMの販売台数推移
 
うち韓国
世界販売
 
台数
前年比
台数
前年比
2013年
151,040
10.4%
780,518
-2.5%
2014年
154,381
2.2%
630,532
-19.2%
2015年
158,404
2.6%
621,872
-1.4%
2016年
180,275
13.8%
597,165
-4.0%
2017年
132,377
-26.6%
524,547
-12.2%
2018年1~8
58,888
-37.1%
306,533
-15.3%
 
18/1月
7,844
-32.6%
42,401
-9.5%
2月
5,804
-48.3%
36,725
-19.0%
3月
6,272
-57.6%
41,260
-18.9%
4月
5,378
-54.2%
38,575
-21.5%
5月
7,670
-35.3%
40,879
-5.1%
6月
9,529
-16.8%
46,546
6.5%
7月
9,000
-16.7%
37,046
-10.5%
8月
7,391
-26.1%
23,101
-44.1%


 

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[ 2018年10月19日 ]

 

 

 

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