アイコン 韓国文政権、民間投資と公共投資へ転換 秋の陣・金東ヨン副首相が勝利

 

 

韓国では、経済・雇用政策をめぐる「夏の陣」で、金東ヨン経済副首相兼企画財政部長官(キム・ドンヨン/元官僚)と大統領府にあり、所得主導経済成長を主導する張夏成大統領政策室長(チャン・ハソン/元左派学者)が対立、「年末までに(最低賃金大幅増の)効果が現れる」とした張政策室長を文大統領が信任し勝利、来年も最低賃金を2桁上げることを決定した。

大統領府は「経済が回復に向かっている」と主張するが、大幅株安に見られるように実体経済は悪化をたどっている。
(現実は、サムスン電子とSKハイニックスの半導体の2社を除いた企業業績は大幅に悪化している)

辞任説が出るほど「夏の陣」で捨て身になった金東ヨン副首相が、「秋の陣」では、張政策室長に勝利した。
しかし、勝利したというものの現実に低迷する経済指標を前に、張政策室長も妥協せざるを得なかったというのが現実だろう。

文大統領の公約、「所得主導成長」、「公正経済」、「革新成長」は、前2つだけを強力に進め、規制改革を伴う「革新成長」については、与党の共に民主党や左派学者・労組・市民運動家の巣窟である大統領府の抵抗は強く、「会議」が前に動かさず、文大統領も寝込むほどだった。

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ただ、最低賃金は今年16.4%増を実施、来年も10.9%で決定している。労働時間短縮(製造業の平均賃金が大幅に減少している)も強制しており、非正規雇用の正規職化も監督官庁が大企業に出向き要請しており、これまでに大企業中心に多くで正規職化が図られている。

<所得増のつもりが所得減>
労働時間短縮では、製造業従事者の収入が大幅に減り、所得増どころか所得減を招き、工場地帯の料飲食店には閑古鳥が鳴いている。所得主導経済成長どころではない。
製造業の平均賃金は今年3月4,562,783ウォン/6月3,692,181ウォン//全賃金平均は今年3月3,917,383ウォン/6月3,457,189ウォン)

最低賃金大幅増では、中小零細企業では、従業員経費増に耐えられず、廃業、倒産、人員削減に動き、新規雇用数を大幅に低下させ、政府・与党主導による公共機関の大量採用にもかかわらず、雇用減少の最大の原因となっている。(耐えられるのか来年も2桁増)。

「公正経済」は財閥改革をさすが、雇用不安にサムスン電子に文大統領や金副首相が雇用をおねだりし、主要財閥が投資や新規雇用計画数を発表するなど、財閥改革は大韓航空の韓進グループを血祭りに挙げて終わろうとしている。

金東ヨン副首相兼企画財政部長官は25日、前日に発表した「雇用対策」が文在寅政権の経済政策基調を一部転換したものだと明らかにした。

金副首相は、「既存の政策の一部転換、または弾みを付けるものがかなり盛り込まれている」、「今回の対策を注意深くみれば、雇用や経済の供給の側面を重視したことがわかるだろう。その点で、(文在寅政権の)基調がかなり変わったと思う」としている。

金副首相のこうした見解は、これまでの文政権の経済運営である所得主導による需要喚起、経済成長路線を一部修正し、企業投資や規制改革などの供給拡大へと変えたことを意味する。

<革新成長と雇用創出支援策>(日本でいう補正予算案)
文政権が24日発表した「革新成長と雇用創出支援策」では、
1、大企業を中心とした民間投資の活性化
2、社会間接資本(SOC/公共投資)の拡大、
3、(原油高騰を受け)油類税▲15%引き下げ、
4、公共機関短期雇用5万9千人の拡充
など、短期的な景気てこ入れ策を打ち出している。

金副首相は、「雇用需要の側面からは最低賃金と勤労時間の短縮など、所得主導成長があり、雇用供給の側面からは企業の新しい投資のための規制改革がある」とし、「雇用需要の面では良い方向に向かっているが、一部の雇用に影響を与えたのも事実」だと指摘した。

今年2月から就業者の増加幅が10万人台(昨年は月平均で30万人以上)に低下する「雇用ショック」が発生した理由として、最低賃金の引き上げや労働時間の短縮など、所得主導成長を暗に挙げた(夏の陣での主張と同じ)。
また、「需要と供給の側面がバランスよく進むべきだ」と強調した。

金副首相は今回の発表にあたり、「関係長官はもちろん、大統領府の張政策室長らとも熾烈な討論を行った」としている。

<社会主義政権下での官僚出身・金副首相の葛藤>
今回の経済対策で、ライドシェア(相乗り)や遠隔医療など、規制改革に関する具体的な内容がないとの指摘に対し、金副首相は「正直にいうと、もう少し進んでもいいと考えている」と明らかにした。
また、「(政府内では)韓国経済に活力を吹き込むべきとの主張もあり、ある課題については、多くの利害当事者がいて、慎重な部分もあった。年末までには明らかにする」としている。

一部の規制改革は、金副首相の意志に反し、与党の共に民主党や関係省庁と協議の過程で留保されたことをほのめかした。
金首相は、「(省庁間協議や政府与党間協議の圧力があり) それが現在の私たちの現実であり、私たちの実力だ」としている。

「経済のコントロールタワー」の金経済副首相が、政策を打ち出しながら、協議過程での難航と限界を明らかにするのは極めて異例。
与党や大統領府内に、左派学者、市民活動家、労組出身者などがおり、規制改革に前向きにならない抵抗勢力がいることをにおわしている。
以上、韓国紙など参考

<大企業を中心とした民間投資の活性化>
米中貿易戦争により、世界経済が不透明になる中、米国ではすでに投資が落ち込んでいる。韓国では文政権の圧力下、財閥グルーフが、向こう1~5年の投資計画と雇用計画を発表している。 当然、公約の(財閥タタキの)「公正経済」でいじめられることを回避するため、大盤振る舞いの計画を各財閥グループが発表している。

<財閥企業の投資と雇用計画>(雇用には退職者補充分も含まれている)
1、サムスングループは今後3年間に180兆ウォン(約18兆円/うち国内投資12兆円)を投資し4万人新規採用(非正規職の正規職転換8000人含む)
2、ポスコグループが5年間に45兆ウォンを投資し2万人採用
3、現代車グループは5年間で4万5000人採用、
4、韓国ロッテグループは5年間で50兆ウォン投資し7万人を採用。
5、SKグループは3年間2万8000人、
6、LGは今年1万人
7、GSは5年間で2万1000人、
8、ハンファは5年間3万5000人
など。
10大財閥企業グループ合計では、投資合計は今後1~5年間で471兆ウォン(約47兆円)、新規採用は33万5000人に達している。

文政権は、こうした計画を発表した財閥に対して、投資・雇用を急がせるものと見られる。しかし、工場の新設やラインの増設などない限り、早期に実効性ある投資はできず、雇用もできない。急がせても向こう1年以降だろう。
上場企業の場合、利益が落ちれば、経営陣は海外のハゲタカ株主たちから責任を追及され、自己株式購入や高配当を求められたりすることになる。
ましてや、世界経済が低迷すれば、安価な中国企業との競合はさらに激化することになり、韓国財閥企業も安泰ではなくなる。
文大統領の任期は5年間で2022年5月まで(4年2期の改正案が通っても次期大統領から適用)。経済・雇用不振があったとしてもロウソク民心教の布教が徹底しており、次期大統領も共に民主党から輩出されるものと見られる。

<公共投資>
これまで政府予算は、雇用対策で中小零細企業相手にバラ撒き、また、官庁・公共機関の採用増に使用されており(今年までに最大3~5兆円)、昨年まで好調だった建設業もバブル崩壊で採用減になるなど、公共投資の増加には向けられなかった。
やっと韓国大統領府は、雇用を創出する公共投資に目を向けたようだ。
ただ、公共投資も全般の国内経済が低迷しており、早期に効果が現れるようにするためには、経済波及効果の高い順に執行することが望まれよう。
(バブル規制では金利を上げ、マンション取得数制限など導入して沈静化していたが、今年の4.27板門店首脳会談により、ソウル市が再び高騰している。北朝鮮の窓口として中国資本が買い付けた可能性がある。中国資本は国境の町・丹東の不動産価格を暴騰させ、すでに平壌でも開発計画を具体化させているという)

<文大統領の読み違え>
4.27会談では、年内に「終戦宣言」を発し、規制緩和を行い、北朝鮮特需を生み出そうとした可能性が高い。
<強引さが目立ってきている文大統領>
9.19平壌会談での軍事合意は、米国(=国連)の承認なしに合意し、合意内容も韓国国会の手続きなしに、大統領権限で批准している(大統領自身当初、国会で承認してもらうとしていた)。
事後承認するしかなくなった米国は怒っており、「韓国は米国の承認なしに何も決定しない」というトランプ発言を招いた。
このように、北朝鮮金委員長と韓国文大統領は、お互いの幸せのために焦っており、鉄道連結のための工事も一方的に行うとして、8月に(韓国にある)国連事務所から否決され、9.19会談で再び12月までに着工式を行うことを決定している。

韓国大統領府は直近で、韓国憲法に「北朝鮮は国家ではない」としていると報道官が発言、これは開城工業団地や金剛山観光の再開、鉄道の京義線の連結工事等は、内政問題だとして、なし崩し的に動き出す根拠にしようとしている可能性もある。(北朝鮮は列記として国連加盟国)

ただ、韓国が米国を本当に怒らせた場合は、輸出を主力とする韓国企業は制裁され、身動き取れなくなる(すでに米財務省は、韓国の5大銀行に対して、電話を入れ忠告=警告している)。

<トランプ変数>
だが、貿易で世界の首脳から嫌われ者になっているトランプ大統領は、北朝鮮金委員長とだけはうまくやっているように見え、20年の大統領選挙に向け、北朝鮮の核廃棄問題は利用価値大として、文大統領を自らの保佐人にしている。そうした関係から、文大統領は今や金委員長の報道官もしくは代理人になり、やりたい放題になっているようだ。
トランプ変数として、文大統領のやりたい放題が奏功し、トランプ大統領が、全核・核施設リストさえも受領せず、「終戦宣言」も含め容認する可能性すらある。そのときの気分か。

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[ 2018年10月29日 ]

 

 

 

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