アイコン プラスチック廃棄物・中国輸入禁止とその影響 世界を覆うプラスチック廃棄物

 

 

中国では、これまで世界から廃棄されるプラスチックごみの半分を購入して、熱源のほか、プラスチック原料、ポリエステル原料、各種プラスチック製品に加工して、商品として再輸出していた。 色付きのプラスチック製品のほとんどは再生原料によるもの。縫いぐるみの生地もポリエステル綿もそう。
しかし、深刻な大気汚染問題、国内消費も増加して、そのプラスチック廃棄物にも困り果てるようになり、中国当局は、今年から輸入禁止措置をとった。

<韓国では>
韓国でもP廃棄物はリサイクル化しているが、日本が中国へ輸出していた大量のP廃棄物が行き場を失い韓国へ大量に流れ込んでいるという。
日本製のP廃棄物は自治体などで分別回収され、ボトルも洗浄されてものも多く、ラベルも剥がれやすい材を使用しており、手間隙(=人件費)がかからないことから、リサイクルコストが安価にすみ、韓国のリサイクル業者が大量に購入、韓国製P廃棄物が処理されず山積みになる一方だという。

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<欧州では>
欧州は、これまで中国に送っていたプラスチック廃棄物の半分強を、他のアジア諸国に送り出した。1月に中国政府が環境規制を強化し、世界最大のリサイクル市場が閉ざされてしまったからだ。だが、残りの半分をどうするかという複雑な問題が残っている。
当局者によれば、行き場のない廃プラスチックの一部は、建設現場から港に至るまで、さまざまな場所に積み上げられ、新たなリサイクル市場が生まれるのを待っているという。
地元に近い場所でのリサイクルにはためらいがある。プラスチックごみは洗浄・分別が不十分であることが多いからだ。
中国が受け入れを拒否するようになったのも、まさに同じ理由からである。

<中国禁止で東南アジアが購入へ>
欧州連合(EU)のデータによれば、2018年前半、マレーシア、ベトナム、インドをはじめとする諸国は、欧州からのプラスチック廃棄物の輸入をこれまでより大幅に増やした。
だが、これらの諸国、あるいはそれ以外の国々がさらに受け入れを増やしてくれない限り、埋め立て、あるいは焼却以外の選択肢はなくなってしまう。

人口密度が高く、他地域に比べて埋め立ての制約もはるかに厳しい欧州大陸においては、行き場のない数十万トンの廃棄物を焼却することによって、電力・熱を得る足しにするというのが明らかな選択肢となっている。

<Pゴミを地中に埋める愚かなアイデア>
だが、欧州がプラスチック廃棄物への対応に苦慮するなか、もっと奇抜なアイデアも発表されるようになっている。
たとえば、石油を原料とするプラスチックをいったん地中に埋め、もっと先進的なリサイクル工程が実現した時点で「掘り返す」という方法だ。

英国政府の環境・食料・農村省で首席科学顧問を務めるイアン・ボイド教授は、「(欧州の廃棄物処理政策は)今よりもはるかに精妙なものになっていく必要がある。場合によっては、実は埋め立てが非常に優れた選択肢になるからだ」、「私は、現行システムに異議を申し立てている」とボイド教授は言う。
現行システムとは、欧州の廃棄物処理政策が埋め立てを禁止・制限する一方で、彼が「空の埋め立て」と称する方法、つまり焼却によって汚染物質を大気に放出することをほとんどまったく制限していない事実を指している。

<廃棄物を発電に・立ちはだかる地球温暖化問題>
欧州では廃棄物を燃焼させて電力や熱を得る発電プラントの建設が好まれてきた。土地が不足しているうえに、廃棄食品やオムツなどの有機廃棄物が腐敗する際に、メタンなどの温室効果ガスや有毒物質が発生するためである。
廃棄物発電所からも温室効果ガスの排出はある。だが欧州諸国のほとんどで、この排出分に対しては、産業用市場において現在1トン当たり約14ユーロ(約1800円)とされている炭素税が免除されている。

ボイド教授は、プラスチック製造・焼却の際の温室効果ガス排出に対するペナルティーが現在よりも大幅に厳しくなりさえすれば、埋め立てに回るプラスチックは貴重な資源になる可能性があるという。
リサイクルを専門とするシンクタンク、エレン・マッカーサー財団によれば、世界的に見ると、プラスチックの製造から焼却に至るまでの過程で排出される二酸化炭素は、2012年には3億9000万トンに相当し、これはトルコなどの国による全排出量に匹敵するという。

プラスチック産業はこのような評価を疑問視しており、たとえば食品の保存や輸送の際の重量軽減などにより、プラスチックが他部門による二酸化炭素排出量の軽減に大きく貢献している点が無視されていると主張している。

欧州廃棄物発電施設連盟(CEWEP)では、加盟している約400施設が9000万トンの都市廃棄物を利用し、数百万人に熱と電力を供給している。
CEWEPは、プラスチック廃棄物を埋め、後から掘り返すというのは幻想にすぎないとしている。
「廃棄物を地中に埋めておいて、将来、魔法のようなテクノロジーが突然現れるのを待つというのは、責任ある選択とは言えない」とCEWEPのマネージングディレクターであるエレン・ステングラー氏は指摘。そのようなアイデアは欧州の「あちこちで」耳にするものの、少数派だと語った。

ステングラー氏は、埋め立て前にプラスチック廃棄物を洗浄するだけでも巨額のコストが必要であり、プラスチックが地中で劣化して、火災などが発生するリスクもあるという。

2014年、気候変動に関する国連による最新の評価でも、都市において金属、紙、プラスチックなどの廃棄物を分別し埋め立てることにより、将来のある時点で「採掘可能な物質の蓄積をもたらす」というアイデアを提示している。

<環境汚染の元凶>
プラスチック廃棄物による汚染は急拡大しており、国連環境計画によれば、2050年までに、海洋ではプラスチック廃棄物が魚介類の重量を上回る可能性があるという。
世界各国が輸出するプラスチック廃棄物の半分をこれまで処理していた中国は、廃棄物がリサイクル不能と判断されて焼却に回ることを防止するため、洗浄・分別の基準をもっと厳しくすることを主張してきた。中国の場合、焼却は「野焼き」という形をとることが多い。

欧州にとって、こうした基準の厳格化は事実上の輸出禁止として作用している。公式データによれば、今年1~2月の対中輸出は前年比▲96%減と壊滅状態にある。

マレーシア、ベトナム、トルコ、インド、インドネシアに代表される諸国が廃棄物の約60%を引き受けているが、なお行き場のない廃棄物があるということは、欧州にとって、低品質の廃棄物市場が崩壊したことを意味している。

英国のリサイクル団体「letsrecycle.com」によれば、紙ラベルなどの不純物の含有率が20%以下の輸出向けプラスチック廃棄物は、2017年4月時点で、1トン当たり25~40ポンド(約3700~6000円)で売却されていた。
ところが(2018年)4月は逆に、廃棄物を引き取ってもらうために(1トン当たり)40~60ポンドの処理費用を払わなければならなかった。

国際リサイクリング協会のパタワリ・ボラド氏によれば、こうした状況にもかかわらず、欧州でリサイクルの劇的な拡大は見られないという。「こうした未分別の素材は、電力・熱に転換されるか、単に焼却処分されているとしか考えられない」

廃棄物発電事業者の団体であるCEWEPは、焼却されるプラスチックが増大している兆候は見られないとしている。前出のステングラー氏は、プラスチックの比率が増えていれば、トン当たりで比較した産出エネルギー量が大きくなるため、焼却施設では気づくはずだと言う。
プラスチック埋め立てというアイデアを主張する1人が、イングランドのアクシオン・ポリマーズのディレクター、キース・フリーガード氏。
アクシオン・ポリマーズは、自動車・エレクトロニクス関連の廃棄物において、欧州を代表するリサイクル事業者の1つである。
「埋め立て地に向かうべき炭素含有量の多い大量の廃棄物が、今はすべて大気中に放出されている。こんな『空の埋め立て』を無料で認めているのはなぜなのか」とフリーガード氏は言う。
同氏は、英国プラスチック事業者連盟のリサイクル部会の副議長を務めている。
フリーガード氏は、「将来の資源として、良く管理された埋め立て地においてプラスチックを分別保存すべきだ」と語った。

<発電の燃料>
同氏によれば、1メガワット時の電力を生産するために、廃棄物発電所では345キロのプラスチックを燃やし、880キロの二酸化炭素を放出する。
対照的にガス火力発電所では、132キロの天然ガスを燃やし、わずか360キロの二酸化炭素を排出するだけで、同量のエネルギーを生産する。
ステングラー氏や廃棄物発電所を支持する諸国は、こうした計算は誤解を招くものであり、廃棄物発電は、熱波や洪水、干ばつや海面上昇の抑制に向けた2015年のパリ協定における主要目標である化石燃料の置き換えに貢献するものだと主張している。
例えば、スウェーデン政府の試算によれば、都市廃棄物3トンには、石油1トンと同じだけのエネルギーが含まれているという。
欧州委員会によれば、世界全体でのプラスチック生産量は1960年代以降ほぼ20倍に増大し、今後20年間でさらに2倍に増えると予想されている。

ナイロビに本部を置く国連環境計画のエリック・ソルヘイム事務局長は、世界的なプラスチック対策の中心は、「不必要」と思われる一部の化粧品に用いられているマイクロプラスチックや飲料用ストローなどの製品を中心に、使用量を削減していくことであるべきだ、と言う。

「必要としていないプラスチックを避けることが、どのような対策よりも優る」とソルヘイム氏は述べ、廃棄物を埋め立てて掘り返すというのは「難しい選択肢」であるように思われるとしている。

欧州プラスチック製品工業協会によれば、2016年に欧州で回収されたプラスチック廃棄物2710万トンのうち、41.6%がエネルギー生産に、31.1%が対中国輸出を含むリサイクルに、そして27.3%が埋め立てに回ったという。
この報告によれば、リサイクルが埋め立てを上回ったのは今回が初めてである。

<米国では>
これに対し、米環境保護庁によれば、国土にゆとりのある米国では、2014年に回収されたプラスチック3300万トンのうち75%が埋め立てられているという。焼却は15%、リサイクルは9.5%とされている。

国連の科学者たちによる2014年の報告は、全世界において、都市からの固形廃棄物のうちリサイクルされているのは約20%にとどまり、約13.5%がエネルギー生産に用いられ、残りは投棄されていると試算している。
以上、報道参考
Pゴミは核ゴミ同様、処理に困り、地球を汚染させ続ける。
最近ではマイクロプラスチック問題が浮上している。魚介類に大量に蓄積されているという。大洋では、中国からも流れ込む韓国沖などが世界で最悪レベルとされ、つい最近では南極も同様なレベルにあるという結果が示された。気流なのか、海流なのか原因は定かではない。

<玄界灘から大和堆>
以前より少なくなったとはいえ、今でも、日本の玄界灘の海岸には、韓国の海苔養殖現場で使用される防腐のための塩酸系の薬剤が入っていた青いポリ缶(20リットル缶)が韓国から漂着している。キャップをせず投棄した青いポリ缶が大量に海底沈んでいるものと見られ、ぞっとする。
日韓漁業協定では、違法な底引き網漁と見つかった場合に逃げるため投棄された網が、底ものの魚介類の生態系を破壊した経緯(ズワイカニの日本の漁獲量が激減)があり、日本は膨大な費用(税金)をかけ、海底の無法放棄網を回収する始末。その網も当然石油系の合成繊維で作られ腐らないからやっかい。
日本が韓国にいくら譲歩しても1本釣りの太刀魚漁しか許可できない。しかし、そうした許可を出すと必ず違法操業するのが韓国漁民の現実だ。やはり、締結すべきではない。日本のEEZ内を韓国との政治に決して利用してはならぬ。その域には李承晩に苦しめられた九州・西日本漁民の怨念の呪い火が今も蠢いている。
 

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[ 2018年5月23日 ]

 

 

 

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