韓国自動車産業 10年前の水準に後退
韓国最大の自動車部品業界団体である韓国自動車産業協同組合のシン・ダルソク理事長(DMC会長)は、「韓国の自動車産業が10年前の水準に後退している。自動車産業の生態系が崩壊すれば、来年上半期に自動車の後方産業に災いが押し寄せかねない」と警告した。
「生産能力過剰構造」の改革こそ中長期的に収益性確保が可能だと指摘されている。
現代・起亜自動車は2008年から生産能力を大幅に拡大してきた。現在年間908万台に達する。来年起亜自動車インド工場まで稼動すれば940万台体制となる。だが、今年のグローバル販売台数は750万台水準にとどまると予想される。
150万~200万台の「過剰生産能力」を解消する必要があると見られている。
好き勝手な専門家や批評家たちは、
「現代・起亜自動車は、中国と韓国の生産量を減らす側に事業構造調整をしてこそ、収益を出せる。労使合意を通じて大乗的決断をしなければならないタイミング」
(中国の年生産キャパと販売台数とのギャップは120万台超)。
(文政権でさらに勢いを増している自動車労組が会社側に協力する可能性は0)
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「現代・起亜自動車など韓国の自動車メーカーが規模を縮小する代わりに、インドと東南アジアなど他の市場に活路を見出さなければならないだろう」
(企業としての生き残りにはそうだろうが、韓国国内生産台数を落とさせない、人員削減拒否どころか、生産台数を落としたとしても高給取りの報酬約束させる労組に問題)
政府高官は「エコカーと自動運転、コネクテッドカーなど未来自動車市場で主導権を握り韓国の部品競争力を高めるためには、サムスンと現代自動車の戦略的提携が切実だ」と指摘。
サムスンと現代自動車が手を取り合うことができる分野は、「電気自動車用バッテリー」、「車両用半導体」、「エンターテインメントシステム」、「ディスプレー」など多様。
業界ではバッテリーを最初に挙げる。現代自動車グループは「供給不足」状態である電気自動車用バッテリーを安定的に確保でき、サムスンSDIは世界5位の自動車メーカーに投入される大規模な需要を確保できるというメリットがあると指摘している。
(しかし、バッテリー価格はEV価格の1/3超に達し、自社や合弁生産でなければ利益率が大幅に落ちることになる)
韓国国内の自動車生産台数も2011年には466万台だった生産台数が、今年は400万台を下回る見通し。
中国進出もインド進出も好調だったことから計画されたもの、数年経過して完成することから、操業開始段階では経済環境も大きく変わっている。
韓国政府の中国様への土下座外交にもかかわらず、昨年の反動増が限られている。
東南アジアは日本勢が圧倒している。また、工場を作って、大安売りして市場に本格参入するのだろうか。現代自は、造ったばかりの中国2工場で、東南アジア販売用車輌を生産する考えのようだ。
インドでは、超格安車輌のタタとマヒンドラが販売台数を大幅に伸ばしており、市場を圧倒するスズキとの板バサミになる可能性がある。トヨタもフォードも進出している。スズキとトヨタは販売車輌の相互販売補完計画もしている。
現代自はインド市場で数年前のように大きく伸ばしているわけではない。子分の起亜の年産キャパ30万台の工場進出も、成功するかどうかわからない。ただ、インド市場自体が拡大し続けていることだけは間違いない。
10月・韓国5大自動車会社の世界販売台数
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10月
|
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10月
|
同月比
|
現代
|
408,160
|
0.9%
|
起亜
|
250,294
|
4.2%
|
双竜
|
13,424
|
24.9%
|
ルノーサムスン
|
18,630
|
-5.4%
|
韓国GM
|
40,477
|
17.2%
|
合計
|
730,985
|
3.0%
|
・ルノーサムスンは日産委託生産車分含む
現代+起亜グループの世界販売台数推移
|
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|
販売台数
|
前年比
|
2012年
|
7,122,681
|
|
2013年
|
7,548,477
|
6.0%
|
2014年
|
8,005,220
|
6.0%
|
2015年
|
8,015,745
|
0.1%
|
2016年
|
7,795,425
|
-2.8%
|
2017年
|
7,251,013
|
-7.0%
|
2018年1~10
|
6,071,282
|
2.2%
|
撤退しなかった韓国GMの販売台数推移
|
|||||||
|
うち韓国
|
世界販売
|
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|
台数
|
前年比
|
台数
|
前年比
|
|||
2012年
|
145,702
|
|
800,639
|
|
|||
2013年
|
151,040
|
10.4%
|
780,518
|
-2.5%
|
|||
2014年
|
154,381
|
2.2%
|
630,532
|
-19.2%
|
|||
2015年
|
158,404
|
2.6%
|
621,872
|
-1.4%
|
|||
2016年
|
180,275
|
13.8%
|
597,165
|
-4.0%
|
|||
2017年
|
132,377
|
-26.6%
|
524,547
|
-12.2%
|
|||
2018年1~10
|
74,595
|
7.8%
|
381,826
|
-12.5%
|
|||
2018年月別
|
|||||||
18/1月
|
7,844
|
-32.6%
|
42,401
|
-9.5%
|
|||
2月
|
5,804
|
-48.3%
|
36,725
|
-19.0%
|
|||
3月
|
6,272
|
-57.6%
|
41,260
|
-18.9%
|
|||
4月
|
5,378
|
-54.2%
|
38,575
|
-21.5%
|
|||
5月
|
7,670
|
-35.3%
|
40,879
|
-5.1%
|
|||
6月
|
9,529
|
-16.8%
|
46,546
|
6.5%
|
|||
7月
|
9,000
|
-16.7%
|
37,046
|
-10.5%
|
|||
8月
|
7,391
|
-26.1%
|
23,101
|
-44.1%
|
|||
9月
|
7,434
|
-17.3%
|
34,816
|
-13.5%
|
|||
10月
|
8,273
|
7.8%
|
40,477
|
17.2%
|
|||
1~10月
|
74,595
|
-35.3%
|
381,826
|
-12.5%
|
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[ 2018年11月 3日 ]