GDP今年の目標6~6.5%に引き下げ中国全人代 国防費は7%増の19兆円
中国政府は、今年の経済成長率の目標を、昨年の「6.5%前後」から引き下げ、「6%~6.5%」とした。
中国では重要政策を決める全人代=全国人民代表大会が、今日5日から始まるが、この中で李克強首相が行う政府活動報告の中で発表される。
また、今年の国防費予算については、昨年より7.5%増の1兆1900億人民元(約19兆円)近くを計上し、軍備の増強を続ける姿勢を改めて示した。
軍の近代化を進める中国は、国産の空母の建造や最新鋭の戦闘機の導入などに加えて、AI=人工知能の軍事利用など、新たな軍事技術の開発にも力を入れていて、アメリカなど各国が警戒を強めている。
それに加え、台湾族と中国族とで政局が揺れる台湾への武力行使も画策している。
過去の米国政権によるノーズローな中国に対する経済緩和策が、あらゆる局面で問題を噴出させてきている。
その修正を僅かながら行なおうとしているトランプ米政権と見ることもできる。
中国では4年前、GDPが8%なければ失業問題が発生するとされていた。昨年11月には中国の報道では700万人以上が帰郷して起業すると報じ、失業者の帰郷を隠蔽していた。
昨年9月24日、2000億ドル相当の中国に対する米関税制裁により、9月までは制裁前特需で輸出が増加し、10月も受注残の消化があったものの、11月から急激に中国経済は悪化している。自動車も売れなくなり(昨年9月~今年1月まで連続して前年比2桁減)、化粧品も売れなくなっている。
ただ、自動車などに対しては、政府からの補助金や税率削減などの景気浮揚策が講じられると見られている。
中国の実質GDP推移/10億元
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2000年
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2001
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2002
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2003
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2004
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2005
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17,635.30
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19,099.03
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20,837.04
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22,920.74
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25,235.73
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28,087.37
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8.30%
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9.10%
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10.00%
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10.10%
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11.30%
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2006
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2007
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2008
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2009
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2010
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2018年は推定値
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31,654.47
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36,149.40
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39,619.75
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43,264.76
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47,853.47
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12.70%
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14.20%
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9.60%
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9.20%
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10.60%
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2011年
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2012
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2013
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2014
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2015
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52,399.55
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56,539.11
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60,949.16
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65,398.45
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69,910.94
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9.50%
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7.90%
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7.80%
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7.30%
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6.90%
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2016年
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2017
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2018
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2019
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74,608.82
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79,723.90
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84,981.33
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6.72%
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6.86%
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6.59%
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6~6.5%
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