アイコン サムスン電子 GPUでAMDと提携 生産と5Gスマホ搭載へ

 

 

「2030年システム半導体世界1位」の目標を掲げたサムスン電子は、グラフィック処理装置(GPU)分野で、米半導体設計企業AMDと提携した。
AMDはコンピュータの頭脳である中央処理装置(CPU)ではインテルと2強体制を構築している半導体企業で、コンピュータグラフィック処理を掌握するGPUでは、NVIDIAの唯一の競争企業に挙げられている。

◆ 高性能グラフィック分野の戦略的パートナーシップ締結
  サムスン電子とAMDは3日、次世代グラフィックプロセッサ技術のための戦略的パートナーシップを締結したと公表した。
今回のパートナーシップ締結で、サムスン電子はスマートフォン・PCなどモバイル機器に入るAMDの最新グラフィック設計資産(IP)を受け取り、AMDはサムスン電子から特許共有(ライセンス)費用と各種特許使用料(ロイヤリティー)を受けることになる。

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この日、サムスン電子は「AMDとのライセンス締結を通じてグラフィック技術力を強化することによって、スマートフォンを含んだモバイル市場全般の革新をリードしていく」と明らかにした。

◆ AMD、最近ファーウェイ(華為)ボイコットに参加
2社間のパートナーシップ締結発表はやや微妙な時点に行われている。
AMDのリサ・スー社長が最近、台湾で開催された展示会「COMPUTEX TAIPEI 2019」で「ファーウェイに設計ツールとチップをこれ以上提供しない」と話した。
スー社長は「ファーウェイは素晴らしいコンピュータを作る顧客だが、我々は米国企業だ。米国政府の取引規制に従う」と明らかにした。

2社が今後協力していくことにしたGPUは、スマートフォンの頭脳と呼ばれるアプリケーションプロセッサ(AP)性能を引き上げるための核心チップ。
高次元グラフィックを実現しながらも電力消耗が少なく発熱量を減らすことができるGPUが今後5Gスマートフォン時代に必須となる。

◆ サムスン、非メモリー核シップチップGPU設計競争力確保
  サムスンの立場では、今回の「提携」が、システム半導体(非メモリー)事業だけでなく、スマートフォン完成品を製造する無線事業部にも肯定的効果を与えるものとみられる。より良い性能を持ったGPUをサムスンスマートフォンに搭載することができるようになる。
現在、韓国内で販売されているギャラクシーS10には、サムスン電子が自社設計したAP「Exynos(エクシノス)」が搭載されているが、AP内GPUは英国の半導体企業ARMの「Mali(マリ)」チップを使っている。
最近、Maliは韓国内のITマニアの相当数に「アップル・クアルコムのGPUに比べて性能が落ちる」という評価を受けてきた。

AMDが半導体設計だけを専門的に行う「ファブレス企業」という点も注目すべき部分。今後、2社間パートナーシップが進展する場合、サムスン電子ファウンドリ事業部がAMDの発注を受けて7ナノ以下の微細工程生産を手がけることもできる見通し。
現在AMDは台湾TSMCに次世代CPU生産を委託している。
以上、中央日報参照

当提携で、サムスン電子の株は外国勢の買いが大量に入り、5月31日34,800から6月3日は35,900(ウォン)まで上昇、4日は35,500と反落している。その影響でこの間下がり続けていたウォンが高くとなっている。
ただ、サムスン電子は5月3日には37000を付けており、貿易戦争の激化でその後下げていた。

AMD-GPUでシステム半導体分野といっても設計基本はAMDのもの、サムスンの受注形態はほとんどファンドリーに近い。拡張・革新できるかがポイントになろう。
サムスンはTSMCがAMDから受託生産しているCPUを奪う動きに入るものと見られる。価格競争しても、利益が損なわれるだけだろう。
AMDは2018年の半導体売上高は15位ないに入っていない。ファブレスメーカーだけでも3社内に入っていない。

AMDの2018年通期売上高は、前年比23%増の64億80百万ドル、営業利益が3億24百万ドル増の4億51百万ドル。純利益は3億70百万ドル増で黒字転換し、3億37百万円だった。GPUが売上高の半分強を占める。EPYCプロセッサとデータセンター向けGPUが好調だった。

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[ 2019年6月 4日 ]

 

 

 

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