アイコン 北朝鮮に対する韓国の軍事的な見解・立場と・・・/シャングリラ会議

 

 

北朝鮮の弾道ミサイル挑発と非核化問題に対する韓米日の国防トップの温度差は、考えていた以上だった。第18回アジア安全保障会議(シャングリラホテルでの会合)が開かれたシンガポール。
日米の国防長官が北朝鮮を「巨大な脅威」として協力の強化を強調したことに比べ、韓国は、南北の軍事状況は安定的と評価し、北朝鮮のミサイル挑発をめぐって、「北朝鮮の内部事情」を伝え、国際社会の理解を求めることに力を入れ、北朝鮮の報道官ぶりを発揮した。

文大統領から合同参謀議長に抜擢され、さらに国防長官まで昇進させられた鄭景斗国防部長官の基調演説は、JSA非武装化など9・19南北軍事会議の履行内容を紹介し、「南北の軍事状況は安定的に管理されている」と述べた。
北朝鮮の脅威に対して具体的に触れず、その代わりに「北朝鮮は対話の局面を壊さないよう努力もしている」とし、北朝鮮の「隠れた努力」を強調した。

鄭長官は、その後の質疑応答では、北朝鮮の先月のミサイル発射の意図について、「対話で解決しようとする明確な考えがあるということが隠された意味」だと勝手な解釈を行い、「北朝鮮は米国に少し譲歩してほしいと望んでいる」と述べた。

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鄭長官はこのような発言は、米朝および南北対話の火を消さないために、北朝鮮の脅威を戦略的に過小評価したのではないかという見方が、会議場の周辺から出た。
北朝鮮の脅威を縮小し、韓国国防トップが敵国である北朝鮮を代弁したのではないかという指摘もあった。

論議が加熱すると、鄭長官は「韓国の立場でも最大の脅威は北朝鮮」とし、「ただ、『南北の状況が安定的』と言ったのは、軍事合意で地海空の緩衝区域が設定され、直接的な軍事的緊張が緩和しているという意味だった」と言い訳した。

北朝鮮が先月の5月4日と9日に発射したミサイルの正体についても、日米と韓国の立場は違った。
岩屋防衛相は、「短距離弾道ミサイル発射は、国連安全保障理事会決議に明白に違反しており、誠に遺憾だ」と批判した。
シャナハン米国防長官は、北朝鮮のミサイル発射について触れなかったが、5月29日、「(弾道ミサイル発射を禁止した)国連安保理決議違反」という立場を明らかにしていた。

一方、鄭長官は、「(北朝鮮が発射したミサイルの正確な正体を)分析している。これは韓米の公式の立場」というこれまでの立場を繰り返した。
韓国軍当局は、弾道ミサイルなのかどうかを確定するには分析が必要だということが米韓の公式立場だと明らかにした。
しかし、岩屋防衛相は、「日米は短距離弾道ミサイルという同じ立場」とし、米国の立場に対して韓国とは異なる見解を示した。
米国防省は弾道ミサイルとしている。トランプ氏は国連違反もあり、逮捕継続へ向け「そうは思わない」と恣意的に発言している。
韓国は一貫して「短距離飛翔体」とし、最近やっと国防部が短距離ミサイルと米韓軍で認識が一致したとしている。しかし、弾道ミサイルであることは現在も認めず、文政権も「飛翔体」のままだ。

鄭長官は、非核化の方式についても「完全な非核化」と述べただけで、日米が求めるCVID(完全かつ検証可能な不可逆的完全核廃棄)やFFVD(最終的かつ完全に検証された非核化・・・現在はこれ)」については言及しなかった。
北朝鮮は、CVIDやFFVDに対して、「米国の強盗的形態」と非難している。ただ、日米韓の国防長官が2日、3者会談後に出した共同メディア報道文には、「3ヶ国の長官は検証可能で不可逆的な方式で、北朝鮮の完全な非核化を求める安保理決議によって・・・」という表現が含まれた。
以上、

鄭長官も安保理決議文までは言い訳できなかったようだ。
少しでも間違えければ、針の筵・素人政治家ばかりで北朝鮮愛に溢れた学生運動経験者たちの市民会議や労組・左派学者・連帯参与などの巣窟である韓国大統領府の逆鱗に触れることになる鄭長官、軍人としてはどうか知らないが、軍事という外交=政治の世界では完全に素人、文大統領・大統領府の代弁者・お飾りとなっている。大統領府のライターが書いたスピーチ文でも読み上げているのだろう。
韓国は韓国軍も含め、韓国近海の黄海で行われている北朝鮮の瀬取りを1回も自ら摘発したことはない。韓国が摘発したのは、すべて米国などからの通知を受けてなされたもの。
韓国文政権の北朝鮮愛は、核爆弾を北朝鮮が抱え、それをいくら良しとしても、決して南北だけで成就することはできないもの。

そもそも金大中と後継者の盧武鉉政権(大番頭は文在寅氏)時代に行われた3500億円に上る韓国から北朝鮮に対する借款と開場工業団地の北朝鮮収益が、北朝鮮に核爆弾を開発・製造そして2006年10月核実験までさせてしまった。その責任を韓国文在寅大統領は当時の当事者として問題を共有する必要があろうか。愛どころではない。今や北朝鮮の核容認論者のような言動である。
そうした文在寅氏の国防長官としてのお飾りさんと岩屋氏はいくら話しても時間のムダだということをいずれ理解することになろう。

 
[ 2019年6月 4日 ]

 

 

 

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