アイコン 韓国文政権の南北協力構想の推進と問題点

 

 

韓国統一部の報道官は17日、文政権の北朝鮮への個別観光推進に対する米国の憂慮と関連して、「対北朝鮮政策は大韓民国の主権に該当する」とし、「主導的な独自の南北協力」を図ることを明らかにした。
米国のハリー・ハリス駐韓大使が16日、「誤解を避けるには米政府との協議がなされるべきだ」と発言したことに反論したものだった。

個別観光は、まず、ゴリゴリの北朝鮮派として知られ就任させた金錬鉄統一部長官が口火を切り、文在寅大統領が「年頭の辞」で個別観光を含めた独自の南北協力構想を明らかにした。
盧英敏大統領秘書室長も、「北朝鮮への個別訪問は国連の北朝鮮制裁に含まれず、いつでも履行できる」と述べた。

文政権は、まず、北朝鮮当局の招待状なくビザだけで第3国を通じて北朝鮮観光を許可することを検討している。
さらに、開城工業団地に開設した南北連絡事務所を活用して訪朝承認を迅速に出すことも念頭においている。
こうなれば、韓国国民が中国の旅行会社を通じて北朝鮮にパック旅行できる。北朝鮮は外国人向けに国内の各種パック旅行を設定している。ほかに日本海沿いの道路から車で金剛山観光を推進する意向。
米国抜きの、国際社会抜きの、国連制裁違反の交流や開発を独自に進める計画のようだ。

問題は、
1、北朝鮮が韓国国民に対してビザを提供するはまったく不明。
(韓国は南北対話再開の切り札)にしたい意向)

2、さらに、北朝鮮側に実効性ある安全対策がなく、2008年の金剛山観光客殺害事件のようなことが再発しないという保証もない。

3、北朝鮮は韓国文化の流入を極端に警戒・制限している。韓国人が北朝鮮の親戚などにUSBなど渡そうものなら、長期拘留される可能性100%。

制裁違反の可能性。
4、観光客が持っていくかも知れないドルの札束のような携帯品は制裁違反。
(文政権は韓国人観光客の菓子箱にドル紙幣を詰めさせ、菓子箱を没収された体裁を取り、中身不明のまま北朝鮮側に渡す可能性は否定できない。これまでも韓国の機密費の使途は不明のまま。北朝鮮は以前から会談ごとに膨大な面会費用を要求してきている)
国連が北朝鮮観光を制裁に含めていないのは、大量の外貨が北朝鮮に流入しないことにある。個別観光として大量に親文派の韓国人観光客を送り込んでは、その趣旨に反することになる。

5、昨年、韓国のサッカー代表チームの訪問時も、国連に対して、ノートブックの搬入すら制裁免除の手続きが必要だった。
このような問題を、偽証の達人の韓国文政権であっても隠して強行することはできない。

2019年2月27日の米朝首脳ハノイ会談決裂後、南北対話が断絶、米朝交渉もストップした状態。
文政権は、金正恩から「このままでは金剛山観光施設(現代財閥が建設)を破壊するぞ」と脅迫され、文政権が北朝鮮緩和策として見つけたのが観光事業の再開である。

そのうえで、国際社会の憂慮と同盟の亀裂も甘受するという「主権国家の決定」を云々している韓国文政権。
中国政府に対しては2017年10月31日『3不の誓い』を表明し、自ら国家主権の3つを放棄している。

文政権は、香港で明らかなになった中国版1国2制度の下に、北朝鮮と統合したい意向を昨年夏に表明している。
愛する北朝鮮から文政権は「親米屈従の卑屈な醜態」、「米国の植民地か」と非難され続けていることが、米国から乳離れする方針を固めた原因でもあるようだ。

外野席が何を言おうと、偽証王・洗脳王の文在寅氏の意向のまま、なるようにしかならない。国際社会・国連をどれほど無視できるかにかかっている。

安保理には韓国と同調する中国とロシアがいるが、異にするのは米国のほか英国とフランスがいる。韓国が愛するドイツはフランスと共同戦線を取っており、ともに北朝鮮の人権問題にもうるさい。

文政権の『決定』は、国際社会の憂慮と同盟の亀裂も甘受するというもののようだが、実際の行動で国連制裁に抵触した場合、国連が韓国制裁に入る可能性すらある。
文政権はこれまでも国連制裁違反を続けてもいる(開城工業団地内の建物内に南北事務所を開設するのに伴い、改修工事に10億円も使い、石油類も膨大に送り込んでいた)。
以上。

[ 2020年1月20日 ]

 

 

 


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