アイコン サムスン電子 感染・販売不振・労働・裁判・・・好材料も

 

 

最近サムスン電子に相次いで悪材料が浮上している。その一方で朗報も・・・

<感染・亀尾時宜要所閉鎖>
同社は2月24日、亀尾事業所の40歳代の社員が自宅で死亡しているのが確認され、その後の検査で感染していることが判明、同社員が働く棟を閉鎖して消毒、減産体制に追い込まれた。しかし、大感染都市の大邱市とも車で40分の距離、亀尾産業団地(2400社集積/約8.5万人)には大邱市から通う人たちも多く、また亀尾市の近郊も感染地帯が多く、3月6日までに6人の感染者が出て、「ノート10」と最新の「ギャラクシーS20」を生産する亀尾事業所を一時閉鎖、ベトナム工場へ生産移管すると発表している。

<労働問題>
大邱市のサムスン電子サービスのコールセンターの集団感染は5人だったものの、文政権の非正規の正規化の強力な圧力が横たわっている。
派遣会社からの派遣された職員で運営されているサムスン電子グループのコールセンターで働く8000人、サムスン電子の直系子会社は一旦正社員化するとしたものの、別会社で正社員化すると発表したことで組合と紛糾している。
李副会長は多くの裁判を抱えて文政権のまな板の鯉(最高裁や主要判事たちはすべて文在寅派)になっており、打ち出している4万人新規雇用+派遣社員(非正規雇用)の正社員化問題という大きな労働圧力も受けている。

<販売不振>
最近サムスン電子が発売したスマホ「ギャラクシーS20」の販売不振。韓国の通信業界によると、ギャラクシーS20シリーズの初期販売台数は昨年発売されたギャラクシーS10の半分程度にとどまっているという。通信キャリアによるマーケティング「出血競争」自粛で支援金が少ない(20万ウォン=1万7000円前後)ことに加え、新型コロナウイルスによる消費低迷は韓国だけにとどまらず世界的なスマホの販売不振につながっていると分析されている。

<半導体>
中国の電子製品産業は回復途上にあるものの、鴻海のアップル製品生産基地のように本格稼動にはまだ程遠く、半導体を組み込むスマホ、各種デバイス製品、PC、サーバー、データセンターなどの世界的な販売不振、投資不振は、半導体単価が米中貿易戦争からやっと底打った段階だっただけに、その衝撃は侮れない。


↓SOX半導体指数
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<火災>
3月8日には、京畿道華城市のサムスン電子半導体廃水処理施設での火災。火元は廃水の悪臭を処理する脱臭施設で天井がなく外部に露出した無人の施設だった。同社は「速やかに復旧作業を進めている。復旧作業中の数日間は他のラインの廃水処理施設を活用する」と説明していた。

<ベトナム問題は解決>
ベトナムは感染拡大の韓国からの入国者に対して14日間の隔離措置をとっている。サムスン電子に対してもその措置がとられていた。韓国政府がビジネス客に対しては制限措置をとらないように各国に交渉していたが、サムスン電子のディスプレー部門の180人あまりの技術者に限っては、制限措置を緩和して入国を認めた。
サムスン電子グループはベトナムで約80万人を雇用し、スマホの1億5千万台を生産するとともに家電やディスプレーも生産している。

制限措置を取ったベトナムの感染者は3月8日までは8人だったが、14日までに47人と大幅に増えており、サムスン電子関連工場で感染者が出た場合、今回のようなサムスン電子関連社員への緩和措置は喪失するものと見られる。

<長期的な朗報>
サムスン電子は、自動車搭載用の全固体電池を開発したと発表した。全固体電池は、長距離走行、安全性を飛躍的に高める次世代型車両用二次電池であるが、世界中の自動車メーカーや電池専門メーカーが開発にしのぎを削っている。
いろいろなメーカーが開発そのものは終えており、自動車搭載用の小型化および量産化技術が問題となっている。
ただ、発表では小型化および量産化技術を可能とする「析出型リチウム陰極技術」を開発したとしているが、製品化までの道程は見えていない。
また、車両価格に占める電池価格のウェイトが高く、ゆくゆくは自動車メーカーは独自か、電池メーカーとの合弁で全固体電池の生産を行うと見られている。

同社は、米国での特許件数が2020年1月基準で8.7万件、2位のIBMの5.5万件を圧倒して1位、これもいろいろな技術的に優位な展開をもたらす。また、何でもかんでも特許を取得し、ライバル会社との基本特許紛争などに巻き込まれたときに、こうした特許が力を持ち、共に相殺する和解が頻繁に行われている。5Gに関する世界特許は半分を中国のファーウェイが有しているとされている。

<李副会長の裁判>
文政権はサムスン電子を外交でフル活用しており、その恩義に過去の不正に対する裁判で、量刑を回避する動きに出ている。
ただ、内容は、
朴-崔ゲート事件の巨額贈賄事件(出資+馬提供+崔一家のドイツ滞在費)
サンスン物産-第一毛織合併の朴政権での国民年金賛成票事件
第一毛織の巨額粉飾と不正合併事件
などを抱えている。

現在、裁判は最高裁から高裁に差し戻され、差し戻し審では厳しいご沙汰になると見られているが、そこは文政権の韓国、進歩系の順法監視委員会がサムスン電子に対して、「これまで市民社会との疎通において信頼関係を構築できなかった。李副会長と関連会社すべてが市民社会の信頼を回復するための具体的な実行案をまとめて公表すること」を勧告した。同社関係者は「独立機関である順法監視委員会の勧告を忠実に真摯に検討したい」としている。
これを受け入れれば、李副会長の量刑はなくなり、執行猶予判決が確定したも同然となる。裁判所の要職は進歩系のウリ研関係判事で占められており、最高裁は文在寅氏が地裁判事からいきなり大抜擢した長官様が、文氏の代弁判決を行ってくれることになっている。

当合併問題はインチキだったことが文政権により立証されており、合併比率に問題ありとして合併に反対した米ハゲタカのエリオットがISD条項に基づき韓国政府を訴えている。韓国政府の敗訴は確実と見られ、その損害賠償額は韓国政府が支払うことになるが、政府はサムスン電子に支払わせるものと見られる。

[ 2020年3月16日 ]

 

 

 


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