アイコン 三井化学やルネサス工場の停電でトヨタ9工場14ライン操業停止


梶山経産相は、福島県沖地震でブラックアウト回避のために東電と東北電の停電措置について、まったく問題ないと発言した。

しかし、それはおかしいとJC-NETで掲載したとたん、トヨタが9工場を操業停止するというニュースが流れている。

無分別に停電措置をとったらこうした事態に陥る。

停電のため、自動車用のプラスチック製品の原料エチレンを生産している三井化学市原工場のプラント施設が操業停止、また、自動車用パワー半導体を製造しているルネサスのひたちなか市の那珂工場も停止、復旧するためには数ヶ月を要する。

特に半導体工場は完全クリーンルームでの生産が必須条件、無塵室機能が瞬時でも損なわれた場合、目に見えない微量のゴミが、ミクロンの世界の半導体に入った場合、製品不良となる。現在ライン上のあるものをすべて廃棄し、再び、クリーンルーム状態に戻すには、試験運転も含めて最低1ヶ月~数ヶ月かかる。

梶山さんは何もわかっていない。

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こうした人が経産省などにいる限り、今やプラスチック製品や電子部品が組み込まれていない製品がない時代、日本では何も造れなくなる。
東電や東北電は、こうした化学工場や半導体工場の事前調査もせず、一律に地域を設定して電源を落としたことが自動車生産に大きなリスクをもたらしている。

半導体製造工場などはこうした東電リスクを避けるため、今後、水素発電による自家発電に切り替えていく可能性が高くなるか、生産基地を海外へ逃避させるか、安い韓国製や中国製を購入して生産そのものを止める可能性すらある。当然、サプライチェーン、産業安保にもかかわることだ。

<トヨタ>
トヨタ自動車は16日、国内の完成車工場9ヶ所の計14ラインを17日から最大4日間、稼働停止すると発表した。
13日深夜に発生した福島県沖を震源とする地震で、取引先の部品メーカーが被災した影響という。
稼働停止するのは、スポーツ用多目的車(SUV)「C―HR」などを生産するトヨタ東日本の岩手工場のほか、愛知県豊田市の高岡、田原市の田原工場など5工場や、福岡県宮若市のトヨタ九州宮田工場、日野自動車の東京・羽村市の羽村工場など計9工場。
レクサスを生産する宮田工場は最大2日間の停止だが、ほかの工場は3~4日間止める。停止する計14ライン、トヨタの国内全28ラインの半数にあたる。

<三井化学>
三井化学では地震による停電で千葉県の市原工場が生産停止。この工場では、自動車部品などに使われるプラスチックを製造していて、生産の再開には10日以上かかる見込み。
この工場では、自動車部品や日用品の容器などに幅広く使われるプラスチックを生産しているが、プラスチックの原料となるエチレンを作る化学プラントの稼働が止まったため、すべての生産工程もストップしている。
停電は復旧し、工場の設備に被害はないが、プラントの再稼働には時間がかかるため、生産の再開には10日以上かかる見込み。

生粋の政治家たちに経済の企業の製品のことなどわかるはずがない。そうした政治家をバックアップする官僚たちが、官邸ばかり見て、汗をかかず、これまた質が極端に落ち続けている。経産省の官僚たちにとって企業は電通と東電ばかりのようだ。

停電

[ 2021年2月17日 ]

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