アイコン 現代自動車 中国第一工場売却へ 中国検証

 

かつて韓国の朴槿恵大統領と中国習近平国家主席は蜜月時代を築き上げた。
2014年7月には習主席の訪韓を実現、2015年9月には西側で唯一中国の抗日軍事パレードにスーダンのバシル大統領(当時/ダルフール虐殺で国際刑事裁判所が国際支配している人物)や韓国人で次期韓国大統領を狙っていた潘基文国連事務総長らとともに参加していた。

そうした蜜月時代の2014年に、現代自動車は、2つの工場を中国に開発すると発表し習国家主席を喜ばせた。
その結果、中国に2016年に河北省に第4工場、2017年には重慶市に第5工場を開設した。共に30万台の生産キャパを有する。
それにより、現代自の商用車工場1ヶ所、起亜3工場を含め計9工場を中国に設け、起亜も含め中国で270万台の生産キャパを有することになった。

一方、販売は2012年の尖閣暴動による中国の日本車ボイコット、日本勢の車両が売れなくなる中、その反動により韓国車は売れに売れ、2016年には子会社の起亜自動車と共に計179万台を販売するまで増加してきていた。

しかし、韓国朴政権は2016年8月、北朝鮮の核実験やミサイル発射に対処するため、米THAADの国内配備を決定した。

先立って、2015年10月、韓国と軍事同盟国下の当時のオバマ米大統領は朴大統領を米国に呼びつけ、朴大統領に対して「どっち向いてんだぁ」と激怒して軌道修正を迫った。その表れの一つが2015年12月の日本政府との慰安婦合意とTHAAD配備だろうか。

2017年まで、中国の習近平政権と北朝鮮の金正恩とは音信不通、中国は北朝鮮をまったくコントロールもできず、北朝鮮は中国も反対する中、2016年1月と9月、2017年9月に核実験を敢行した。(中国が北朝鮮をコントロールし、この3回の核実験を踏みとどまらせていたら、THAAD配備もなかった。2018年の雪解けになるまで、北朝鮮の新聞が論説で北京も核の射程にあると掲載するほど関係は悪化していた)。

2016年12月にはオカルトの崔順実ゲート事件で朴大統領は弾劾された。黄大統領代行は2017年3月に星州にTHAAD配備を決定し、4月米国にTHAADを配備させた。

激怒した習近平政権は3月に旅行、文化、貿易において韓国制裁に入った。その怖さは星州のゴルフ場をTHAAD基地として韓国政府に没収されたロッテに対する強力な制裁で明らかになった(ただ、ロッテは在日企業の宿命として韓国民への制裁のインパクトはそれほどではなかった)。
ただ、旅行制裁は直接的に韓国の旅行業界や商店街に大打撃となった。

2017年3月から現代自動車勢の車両は中国でボイコットされ、急激に販売を減少させ続け、2020年の販売台数は計66万4,744台(2010年水準)まで、ピークから100万台以上減少した。

現代自動車は、この間、何回ともなく中国向けに最新の車両を投入し巻き返しを図ってきた。販売車両をセダン系から人気のSUVにシフト、さらにEV・FCVも投入、ディーラーの在庫も大幅に削減させし、体質改善も図ってきた。
しかし、中国勢の車両もこの間に品質向上し、独日米勢により安いコストパフォーマンスだけでは巻き返しは困難。韓国勢はサービス強化などにも取り組んだが、まだ回復に至ってない。

現代自動車は2019年3月に閉鎖した第一工場(北京現代)の売却を進めている。
同じく起亜の第一工場(江蘇省塩城/東風悦達起亜汽車)も2019年6月閉鎖し、すでに合弁相手の悦達に工場を賃貸(悦達子会社の華人運通がEV生産)している。
現代自の場合、2002年に開設された工場の生産整備はどこまで保全され、最新か老朽化かも不明であり、中国政府は特に新エネ車・EV指向を鮮明にしており、価格しだいでは、売却は難航するものと見られる。

朴大統領の習近平主席との蜜月時代の進出決定だとしても、現代自動車にとってカントリーリスクはあまりに大きなものになっている。

<中国との文化論争はマイナス>
中国が仕掛けているのか、韓国が仕掛けているのか、韓服・韓帽・キムチ論争、韓国起源説、中国起源説で、政治家までしゃしゃり出てきて対立している。中国は韓国以上にSNSに依存している。そうしたSNSでの論争は対立すれば対立するほど、中国での韓国のイメージを悪化させ、しいては韓国製品の販売に影響する。

今回の一連の火種は中国だが、韓国もこれまでにどれほど韓国起源説を唱えたものだろうか。中国も呆れ果てるほどだった。
日本の桜の韓国起源説はおろか、最近でも日本の巻き寿司まで韓国起源説を唱えるしだい。(日本桜の起源説は、中国の学者が中国由来種や日本由来種の日本での品種改良を証明している)
韓国の反日ボイコットのように、中国も徹底しており、相手国は無視が必要だろうが、韓国はその尖兵隊であるマスコミが煽ることから、対立やボイコットは激怒するばかり。それで何か勝ち得るものがあれば別だが何もない。

2019年8月、日本に2度と負けないと文大統領自身が対立を煽るなど、ポピョリズム喚起のポピュリストとして対立することが大統領からしてよほど好きなようだ。
結果、日本政府から無視され、四面楚歌に陥り、朴政権のように中国へ靡いたものの、今般、米バイデン政権から修正を求められられ、中国がまた韓国に対して怒っている。

歴史検証
1972年2月、ニクソン米大統領が国交正常化のため訪中し、周恩来首相に対して「南であれ、北であれコリアンは衝動的な人々だ。重要なのは、我々がこの衝動的で好戦的な人々が事件を起こし、我々の国(米・中)を困窮に陥らせないよう影響力を発揮することだ」と話したと米公文書に記録されている。

現代自動車の戦略
現代自動車の戦略は、日本勢が先に進出し、市場を形成した国に対して工場進出させ、安価に販売して市場を確保し、販売総数を増加させている(ロシアは韓国勢の独自進出)。

デザインもBMW・アウディ・ランボルギーニなどからデザイナーを引っこ抜き、欧州勢が好きなデザインにし、販売を増加させてきた。
ただ、リコールしないことで知られ、内部告発される始末。火災問題ではまだ米国でくすぶっている。
そうしたこともあり、品質も欧州勢の品質管理部門の責任者等を引き入れ品質も向上させてきている。
そうしたこともあり、最近では品質や安全で高い評価を受けている。
ただ、リコールについてはまだ問題を残しており、デザイン、価格、内装にコストパフォーマンスがあり販売を増加させているが、信頼されているわけではない。
(日本勢は新車販売の回転が多くなり、致命的な問題を除き、欧米同様、リコールを雑多な問題を解決する手段としており、結果リコールが多くなり、評価を下げる結果を招いているのだが・・・)
韓国現代グループはリコールをなかなかせず、大きな問題となり、当局から強制リコールさせられているのが実情でもある(昨年には米国の火災問題で、2社計で3000億円あまりを引き当てている。2015年当時にも同じ問題でリコールにしており、当時のリコール隠しの疑いで調べられている)。

現代は早期にブランドを確立しなければ、すでに中国勢が海外へ工場進出させてきており、瞬く間に市場を奪われる可能性がある。日本勢も中国勢の今後の海外への工場進出の動きには注意を要する。
中国でバカ売れしているエアコンなし45万円台、エアコン付で60万円台のチョイ乗り用EV軽自動車の実力は決して侮れない。

中国第一工場は、アップルが購入して、EVプラットフォームを開発している鴻海にアップルカーの生産基地にさせる可能性もある。ただ、トランプのような人物がまた米国の大統領にならない保証はない。至ってトランプ政権の対中政策を継承している米バイデン政権にも逆行することになる。

 

[ 2021年6月14日 ]

 

 

 


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