アイコン ディスプレー価格急騰 TV価格に影響必至


中国の工業情報化省の王志軍副部長は6月17日、「2020年には、中国の新型ディスプレー産業の直接の営業収入が4460億元(約7兆6150億円)に到達して、世界シェアは40.3%に達し、産業規模は世界一になったと発表したと中国紙が報じている。

同氏は「中国は製造業の先端化への発展を加速する中で、世界最新世代の液晶パネル製造ラインの多くがフル稼働し、作ったそばから製品が売れていき、曲がるフレキシブルなAMOLED(アモレッド、有機ELディスプレーの一種)の製造ラインが大量に製品を出荷し、8K超高精細、ナローフレーム、フルスクリーン、透明スクリーンなど多くのイノベーション(革新)に満ちた新製品を世界で初めて発表している」と述べた。

<液晶から撤退したサムスン電子>
こうした余波は韓国のTV業界に及んでいる。
ディスデレーに力を入れるLGは別にしても、ディスプレーの外部調達が多いサムスン電子はTVシェアこそ首位(21年1~3月期)であるが、ディスプレー価格の高騰に事業部門の収益を悪化させている。

上昇原因は、新コロナの副作用である巣篭もり需要とテレワーク需要により、パソコンやタブレッド、TV用需要が、またEV化した車載向けにディスプレー需要も増加し、部材が高騰しているもの。

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市場調査会社オムディアによると、サムスン電子の1~3月期のTV出荷台数は前年同期比11.1%増の1,161万5千台で世界シェアは32.9%だった。また、売上高は35%増の90億1240万ドル(約9,920億円)だった。
しかし、収益面ではTV用ディスプレー価格が上昇しており、収益性の低下が避けられない状況になっているという。

今年3月後半(16~31日)のテレビ用ディスプレー価格は、
75インチが前年同期の333ドルから370ドル(上昇率11.1%)とそれほど上昇していないが、
普及帯になると、55インチが122ドルから212ドル(上昇率73.7%)、
42インチが81ドルから136ドル(上昇率67.9%)と
大幅に上昇している。

結果、サムスン電子は1~3月期のTV用ディスプレーの調達に前期の9.1億ドルから16.4億ドルと80.2%も増加させている。

サムスン電子のディスプレー調達先は、台湾の友達光電(AUO)、中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)、深セン市華星光電技術(CSOT)などからテレビ用ディスプレーの供給を受けている。
すでにサムスン電子は液晶からは撤退し、有機ELにシフト、それもスマホ用とプレミアムTV市場用のディスプレーに特化させている。そのため、TV用の液晶や普及帯の有機ELのディスプレーは外部調達となっている。

何でも世界一位を目指すサムスン電子は、家電ではTVや白物家電、半導体は久しく1位のメモリ半導体から、2030年にはシステム半導体でも一位になると宣言し、CMOSセンサーもソニーを激しく追い上げている。

米トランプ大統領(政権時)の中国制裁で漁夫の利を大きく受けたサムスン電子、2018年半導体価格が暴落したときには、スマホがファーウェイの大幅ダウンで欧州市場を奪還、2020年になるとスマホは別の中国勢(小米・OPPOら)が台頭、そこに新コロナで再び半導体が急浮上している。ZTE・ファーウェイが台頭しシェア1位だった5G用中継機器でも世界シェアを伸ばしている。

ただ、品不足の半導体は用途に直結したシステム半導体が主、サムスン電子のシステム半導体は米大手ファブレスメーカーから普及品を中心に大量受注しており、その恩恵は個々にはそれほどでもない。ただ、メモリ半導体も含め需要旺盛のため巨額利益を計上している。
その巨額利益を背景にR&Dへの巨額投資により、業界に君臨し続けている。だが、50年後・100年後は分からない。

日本の大手製造業のサラリーマン経営者たちのように自身の身の保全を図るため利益が出た場合、内部留保に務め、株主から還元策を要求されれば、はいわかりましたとその内部留保を吐き出すという愚かな経営者たちばかり。韓国勢はオーナー企業でありそうしたハゲタカのおもちゃになる企業はない。利益は配当で行い、残りは戦略的投資にまわし続けている。
日本の製造業の衰退はそこにある。日本人の報酬を東南アジアの従業員の報酬と競わせ利益を得ているのが日本の製造業の実態だろうか。
さりとて、ソフト面では、新コロナの感染状況の管理ソフトも接触アプリも、ワクチン管理ソフトもろくに機能しない美しい日本の水準にある。

[ 2021年6月21日 ]

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