アイコン 原油 7年ぶり85ドルの高値更新 冬の需要期を控えさらに上昇か


25日のNY原油市場の国際的な先物価格が一時、1バレル=85ドル(WTI)を超えておよそ7年ぶりの高値を更新した。

新型コロナウイルスの影響から世界経済が回復に向かう中で、OPECとロシアなどの産油国からなるOPECプラスが協調減産を続けていることから、経済協力開発機構(OECD)加盟国の8月時点の原油在庫は過去5年平均を大幅に下回り、その後も回復には至っておらず、北半球では冬の需要期を迎え、原油の先物価格が一段と値上がりしている。

中国の石炭供給不足による電力不足、原油や天然ガスを大量購入するのではという思惑が働き、秋は需要期でもないのに、高値を更新し続ける原因ともなっている。さらに中国が不動産やIT企業に対する規制を強化しており、経済失速でもすれば、最大の需要国の需要が大きく凹む可能性があり、OPEC+αも様子見に徹しているようだ。

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さらに、米国の直近の原油生産量は日量1130万バレルとコロナ禍以前のピークよりも約200万バレル少ない状態が続いている。

米エネルギー省によれば、11月のシェールオイル生産量は前月比7.7万バレル増の日量約822万バレルとなる見込み。

石油掘削装置(リグ)稼働数が増加基調にあることから来年の増加速度が上がるとしているが、期待外れに終わる可能性がある。

シェールオイルの生産性が最も高いエリアが枯渇しつつある鉱区が出てきており、現在のリグ稼働数の増加ペースでは既存井の生産減を補うことができなくなりつつある。

また、新コロナ下、世界の急速な脱炭素政策により、新コロナからの目先の経済回復には動ぜず、新たなシェールオイルの掘削投資を控える動きもあるという。

米オイル+シェールオイル掘削リグ数(ベカーヒューズ社版)とWTI原油先物価格
19年12月末677本、61.74ドル
20年4月20日438本、3.92ドル
20年12月末267本、48.14ドル
21年3月末324本、60.68ドル
21年6月末372本、74.13ドル
21年9月末421本、75.34ドル
21年10月22日現在443本、83.66ドル(10/25日)陰金田虫のロシアは、原油および天然ガスの大量輸出国、パイプラインでロシアから輸入している西欧から嫌われていることもあり、増産要請にも応えていない。
エネルギー価格の高騰により世界経済の回復が遅れれば、OPECの高値政策は裏目に出る可能性もある。しかし、消費先行の米国需要は底堅く、株価も史上最高根をつけている。
世界の低金利による金余り現象が証券や仮想通貨、先物市場の投機へ向かい高騰させ続けているともいえる。

[ 2021年10月26日 ]

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