With コロナ 先進国イギリスの現状 EU離脱の影 経済急回復に物流崩壊
英国は世界に先駆けてワクチン接種を開始、高い感染者数にワクチン接種が追い付いたかに見えたものの、デルタ株などの英国株よりさらに感染力が強いデルタ株の出現に翻弄され、ジョンソン大統領は7月19日にこれまでの規制を全面的に取っ払い、世界のWith Coronaの実験国となっている。
一方で、規制がなくなり人々の活動が活発になったものの、今年1月1日からEU離脱が発効、EU諸国からの出稼ぎ労働者は帰国してしまい、新コロナ惨禍により移民労働者も帰国、経済の急回復に物流労働者が枯渇して経済の根幹を成す物流はパニック状態に陥っている。
トラック運転手だけでも10万人が不足し、すでにトラック運転手の賃金は50%以上跳ね上がっているという。
スーパーの商品棚はガラガラ、ガソリンスタンドではタンクローリー車がたまに着くたびに長蛇の列、物流網は破綻状態、政府が軍を投入しても焼け石に水、政府は急遽、期間条件付で5千人の外国人運転手の採用を認めたが、条件の敷居が高く、解決策にはまったくなっていない。
出稼ぎ労働者や移民労働者に職を奪われ、低賃金にさいなまれているとして国民の総意によりEU離脱を実現させた英国の、新コロナ規制解除後に初めて現れたEU離脱後の現状でもあり、それも想定されていたこと、受け入れるしかない。
ポピュリスタとされるジョンソン大統領、歯切れは良いが、EU離脱では基幹産業に対するEUからの出稼ぎ労働者の構成比なども点検しておくべきだったろう。
英国は独仏より医療体制が貧弱とされ、新コロナではジョンソン大統領は当初、放置していた。しかし、自らが感染し、生死を彷徨い、その後は、ロックダウン等の規制強化策を採用、のど元を過ぎ、本来の放置主義に帰り、感染者急増中の7月19日に規制を全面解除していた。
一方、7月19日に新コロナ規制全面解除に至った英国の現状は、まさにウィズ・コロナ、感染者数は、減らず増加もしない状態が続いている。ワクチンで抑えられていると思われる。
ただ、ワクチン接種は、5月までは急激に伸びたが、7月からは鈍化、9月からは大幅鈍化し、デルタ株に有効とされる2回接種完了者は60%台からなかなか増加せず、頭打ちになっている。
死亡者数はワクチン効果(ピークは1月9日の1359人)により大幅に減っているが、日々100人前後が亡くなり続けている。それを許容しての全面解禁であろう。
なお、英国のワクチン接種種はファイザー製(5割)、アストラゼネカ製(4割)、モデルナ製の順、
日本も10月1日に国の規制は全面解除、その後、自治体も多くの独自規制を2週間経過し解除してきている。行楽シーズンも到来しており、人の移動が大幅に増加し、感染リスクは高まるばかり、宣言規制とワクチン効果の今日の感染状況をさらに減少させるためには、国民一人ひとりにそれなりの防疫対策が求められようか。英国のようにならないために。政治は選挙もあり、国民にはしゃがせようが、イギリスを見る限り、まだのど元は過ぎていない。
スクロール→
英国の新コロナ感染状況 週推移 |
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WithCorona政策は7月19日より発効 |
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感染数 |
感染死亡数 |
ワクチン |
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2021年 |
週 |
日 |
週 |
日 |
2回完了 |
6/13~19 |
63,738 |
9,105 |
74 |
11 |
42.3% |
6/20~26 |
97,091 |
13,870 |
119 |
17 |
47.6% |
6/27~7/3 |
161,494 |
23,071 |
118 |
17 |
49.3% |
7/4~10 |
210,040 |
30,006 |
192 |
27 |
51.0% |
7/11~17 |
296,228 |
42,318 |
284 |
41 |
52.7% |
7/18~24 |
282,792 |
40,399 |
447 |
64 |
54.5% |
7/25~31 |
189,977 |
27,140 |
488 |
70 |
56.2% |
8/1~7 |
185,730 |
26,533 |
627 |
90 |
59.5% |
8/8~14 |
225,264 |
32,181 |
672 |
96 |
59.5% |
8/15~21 |
193,481 |
27,640 |
638 |
91 |
61.1% |
8/22~28 |
270,521 |
38,646 |
846 |
121 |
62.5% |
8/29~9/4 |
246,424 |
35,203 |
792 |
113 |
63.6% |
9/5~11 |
247,876 |
35,411 |
971 |
139 |
64.5% |
9/12~18 |
203,494 |
29,071 |
1,003 |
143 |
65.2% |
9/19~25 |
234,461 |
33,494 |
965 |
138 |
65.6% |
9/26~10/2 |
235,724 |
33,675 |
785 |
112 |
65.9% |
10/3~9 |
220,020 |
31,431 |
810 |
116 |
66.2% |
10/10~14 |
198,498 |
39,700 |
474 |
95 |
66.3% |
累計 |
8,317,439 |
138,237 |
↑10/13日 |
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・感染数はワールドメーター、ワクチンはアワーワールドインデータ版 |
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・感染者数・死亡者数の日は週の日平均数/10月14日までは5日間 |
スクロール→
英・米・独のワクチン接種状況 |
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10月13日現在 |
英国 |
米国 |
独国 |
人口 |
67,900,000 |
336,000,000 |
83,800,000 |
|
|
|
|
1回以上接種者数 |
49,291,665 |
217,953,275 |
57,182,706 |
人口比 |
72.2% |
64.8% |
68.1% |
2回完了者数 |
45,269,240 |
188,281,747 |
54,580,176 |
人口比 |
66.3% |
55.9% |
65.0% |
まだ未接種数 |
18,608,335 |
118,046,725 |
26,617,294 |
率 |
27.4% |
35.1% |
62.4% |
未完了者数 |
22,630,760 |
147,718,253 |
29,219,824 |
率 |
33.3% |
44.0% |
34.9% |
by Our World in Data |
↓ワクチンの有効性の期間減衰
イギリスでは、4月までに接種完了者の20%が接種を終えている。10月から1月にはブースターショットが必要になってくる。
スクロール→
デルタ株に対する各ワクチンの有効率と期間減衰 |
||||
英オックスフォード大+米メイヨー・クリニック各発表分合算 |
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接種完了 |
2ヶ月後 |
3ヶ月後 |
半年後 |
ファイザー |
90% |
85% |
78% |
42% |
AZ |
67% |
65% |
61% |
50% |
モデルナ |
|
91% |
|
76% |
各社等の見解 |
||||
ファイザー |
88% |
半年後のブースターショット推奨 |
||
モデルナ |
90% |
ブースターショット申請 |
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AZ |
67% |
|