アイコン EVバッテリー戦国時代へ 韓国勢の3元系の前に安価な新LFP立ちはだかる


新コロナによる経済打撃から急回復している世界経済、あらゆるものが、政治、経済、消費等いろいろな問題を引き起こしている。
資源エネルギー価格の高騰では、希少金属価格が急騰、当然、EV搭載バッテリーの必需品であるリチウム電池価格も高騰し、車両価格の1/3以上を占めるバッテリーコスト、EVの製造コストを大きく押し上げ、米産のテスラは値上げを繰り返し、他EVメーカーは業績悪化をもたらす原因ともなっている。

欧米勢が使用する韓国勢が主導するリチウムの3元系バッテリー(NCM/リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン)は、高価だが航続距離が中国勢のLFP系バッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池/リチウム、鉄、リン)より長いことにあり、これまで欧米メーカーのEVを牽引してきた。

しかし、ここにきて、中国勢が生産してきた高価なコバルトを使用しないLFP系バッテリーも航続距離が長いセルパック製品が登場し、3元系に比較し、安価であること、熱暴走も発生しにくいことから、自動車メーカーではLFPバッテリーを見直す動きが顕著になってきている。
 
中国のバッテリー世界最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)は、LFPの弱点だった「エネルギー密度」を補完する技術を開発はした。

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これまでLFPバッテリーはセルが集まったモジュール、モジュールを集めたパックで構成されていた。これを、モジュール段階をなくし、バッテリーセルでパックを組み立てる「セルトゥーパック」製法を開発。
この製法の開発により、バッテリーの搭載空間が15~20%増え、LFPバッテリーを採用しても、小型車であれば航続距離を400キロ以上確保できるようになった。

テスラもダイムラーもこれに着目、日常乗るEV車両については、価格も20~30%安価(電池価格)になり、航続距離は400キロで十分として採用しているもの。

中国政府は、政策により希少金属鉱山会社を南北の国営企業2社に統合させた。これは希少金属のすべてを政府がコントロールすることを意味し、更なる戦略物資になることを意味する。
価格も高騰しており、安定供給面からも、世界各国でも新たなる鉱山開発や休眠鉱山の再開が検討されている。

こうした動きに、韓国勢のSKオンとLG エナジーはLFP系バッテリーの開発に着手すると表明、サムスンSDIは開発せず3元系の高価格の元であるコバルトの量を減らす研究を進めるとしている。
LGがGMとの合弁で米国で進めている2ヶ所の電池工場は3元系で設定している。SKがフォードとの合弁の米電池工場はまだ決定していない。
コバルトより、リチウムが高騰しており、リチウムを海水すら安価に取り出す方法を考えなければ、リチア輝石の生産国は限られ、爆発的なEVシフトを模索している世界の政治家たちにあり、リチウムは常に品薄状態に陥り、EV価格を押し上げ続ける可能性が高い。

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スクロール→

先物相場価格 115日現在

 

価格

単位

20/12

上昇率

備考

リチウム

194,500

USD/

47,434

398%

電池

コバルト

58,500

USD/

32,172

82%

電池

マンガン

35.5

CNY/

31.2

13%

電池

ニッケル

19,224

USD/

16,554

16%

電池

 

 

 

 

 

 

ネオジウム

945,000

CNY/

620,525

52%

EVモーター磁石

石炭

154.7

USD/

79.8

94%

10/5269

鉄鉱石

92.0

USD/

158

-42%

5/10221

アルミ

2,547

USD/

1,999

27%

中国の電力不足

スチール

4,490

CNY/

4,189

7%

10/115,928

木材

615

USD/千bf

871

-29%

5/61,686

コーヒー

203

USD/Lbs

124

64%

 

原油WTI

81.4

USD/Bbl

48.4

69%

 

 


スクロール→

リチウム 生産 トン

 

ランク

生産国

生産量

 

1

チリ

50,035

 

2

中国

15,000

 

3

アルゼンチン

8,500

 

原料は塩水湖の南米とリチア輝石から生産

 

リチア輝石の生産量

 

1

オーストラリア

222,101

 

2

カナダ

22,500

 

 

ジンギブエ

不明

 

・中国はリチア輝石をオーストラリアから輸入して、リチウムを生産している。

 
 

 

[ 2021年11月 6日 ]

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