アイコン チャイナリスク 今度はマグネシウムが自動車生産に影響か 尿素の次ぎ


豪中貿易戦争、新コロナ起源説を巡り、中国による一方的な戦争だが、豪州からの石炭輸入を禁止、昨秋、停電したにもかかわらず、石炭輸入をほかの国に求めたところ、石炭価格が急上昇、中国の電力会社は厳しい経営の中、これでは逆ザヤが出ると購入せず、政府は国内炭も昨年の採炭量から増加させず、今春から世界経済の回復から輸出産業が大忙し、夏場は冷房も加わり、さらに東南アジアが新コロナ感染拡大で生産ダウン、中国の輸出産品はさらに増加し、例年にない電力需要に見舞われ、国内炭の価格もさらに急上昇、中国は電力不足に陥った。
電力不足により、石炭や電力を使用する粗鋼やアルミ、レアアース生産を縮小させ、その余波がすでに全世界に影響してきている。

中国は石炭から抽出する尿素さえ、石炭危機から生産量を大幅に減らさせ輸出も停止させている。その影響は、自動車の4割がディーゼル車の韓国で、排ガス触媒除去装置SCRの触媒用に用いられており、自動車を動かせなくなると非常事態に陥っていた。インドも肥料に用いる尿素不足に陥り、農作物の作付けに影響が出ているという。
(先日は新華社が1日の石炭生産量としては過去最高の採炭量を記録したと報道している。全領域の流通を潤すのは12月以降だろう。総発電量の65%が石炭火力発電の中国)

欧州は中国のマグネシウム減産にふらついている。

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マグネシウムはアルミニウム合金の原材料で、自動車の車体、自動車用シートフレーム、航空機などになくてはならない原料。特に車両軽量化が急がれる電気自動車に必須。
中国は世界のマグネシウムの85%を生産・供給している。中国は脱炭素政策と電力難を理由にマグネシウム生産量を通常の40%に減らした。

中国官営環球時報の英文版であるグローバルタイムズは「中国のマグネシウムの半分以上が欧州に輸出され、ほとんどの輸出量の最終目的地はドイツ」と報道した。
欧州の自動車、金属、包装業界はマグネシウムの在庫が今月中に底を突くとみている。ドイツのメルケル首相とチェコのバビシュ首相は先月の欧州連合(EU)首脳会議で「中国がマグネシウム生産を拡大しなければ自動車生産が中断されかねない」と懸念を表明している。

中国と貿易戦争真っ只中の米国は、中国のレアアース戦略物資化の動きに対する対策に乗り出している。
レアアースは最先端産業の必須品、17個の元素物質を合わせ称している。どれも電気自動車、風力発電タービン、携帯電話、航空機部品、光学レンズ、コンピュータディスク、永久磁石、石油触媒剤など先端産業だけでなく、ミサイル、ステルス戦闘機、レーダーなど各種軍事用装備と兵器製造の核心原料や材料になっている。

中国のレアアース埋蔵量は世界の57.7%。レアアース備蓄量、生産規模、輸出量で圧倒的1位。
バイデン米大統領は半導体とともにレアアースのサプライチェーンを検討するよう大統領令を出し、19州に埋蔵されたレアアースを再生産する方策を探すなどサプライチェーン構築プロジェクトを進行させている。(リチウムも中国が最大の生産国であるが、リチウムを含有するルチア輝石を豪州から購入し中国企業が抽出している)

米国も以前は、レアアースを生産していたが、環境問題で生産コストが上昇し続けたことから、現在はレアアースを含有する鉱物を中国へ送り、中国企業が溶鉱炉でレアアースを抽出している。

「中国、電力難を口実に資源武器化の可能性」
中国発のサプライチェーン危機に対し中国共産党機関紙である人民日報系列メディアの人民資訊は「韓国の尿素水危機も、欧州のマグネシウム危機も中国が意図的に首を絞めているではない。(輸出統制は)われわれがエネルギー使用量と汚染物質排出削減を推進する必要に伴ったもの」と主張した。
だが、中国はグローバルスタンダードによって動く国ではない。電力難などを口実に自国の勢力を誇示するため意図的にサプライチェーンを壊し資源を武器化する可能性を排除することはできないとの見方が有力だ。
実際に中国国営成都テレビは「今回の危機を通じ中国が(国際社会で)重要な役割をするという点を明確に理解しなければならない。(中国に)反発すれば必ず自ら崩れるだろう」と先進国を脅迫している。

チャイナリスクを経験した各国は脱中国戦略確保に苦心している。
オーストラリアは昨年6月にインドとの関係を「包括的な戦略的パートナー関係」に格上げすることに合意し、主要鉱物に対する投資と研究開発、貿易拡大に対する了解覚書を締結した。
米国は、中国を世界の工場の地位から引き下ろすために最初から中国を排除したグローバル・サプライチェーン構成に乗り出している。バイデン大統領は10月31日の主要20ヶ国(G20)首脳会議後、韓国、ドイツ、オーストラリア、インド、カナダ、オランダ、イタリアなど同盟国または友好国を含めたサプライチェーン対策会議を開催したのもこうした一環。
以上、報道等参照

マグネシウム
リチウム同様、塩湖から採れ、鉱物では苦灰石(ドマロイト=白雲石)、尖晶石・スピネル、滑石、蛇紋石に含まれ、中国はドロマイト鉱石から産出し、イスラエルでは塩湖から採っている。
植物・人体に欠かせない存在、アルミニウム合金、チタンの製造工程などでも用いられている。
生産国は、中国、ロシア、カザフスタン、ブラジル、イスラエル・・・

 


スクロール→

リチウム 生産 トン

 

ランク

生産国

生産量

 

1

チリ

50,035

 

2

中国

15,000

 

3

アルゼンチン

8,500

 

原料は塩水湖の南米とリチア輝石から生産

 

リチア輝石の生産量

 

1

オーストラリア

222,101

 

2

カナダ

22,500

 

 

ジンギブエ

不明

 

・中国はリチア輝石をオーストラリアから輸入して、リチウムを生産している。

 
 

 

価格上昇の原因、

1、世界経済の新コロナからの急回復による需要増

2、レアメタルなど産地の中国の石炭不足・電力不足による粗鋼・レアメタルなどの生産減から需給バランスが崩れていることによるもの。


スクロール→

先物相場価格 2021年115日現在

 

価格

単位

20/12

上昇率

備考

リチウム

194,500

USD/

47,434

398%

電池

コバルト

58,500

USD/

32,172

82%

電池

マンガン

35.5

CNY/

31.2

13%

電池

ニッケル

19,224

USD/

16,554

16%

電池

ネオジウム

945,000

CNY/

620,525

52%

EVモーター磁石

 

 

 

 

 

 

石炭

154.7

USD/

79.8

94%

10/5269

鉄鉱石

92.0

USD/

158

-42%

5/10221

アルミ

2,547

USD/

1,999

27%

 

スチール

4,490

CNY/

4,189

7%

10/115,928

木材

615

USD/千bf

871

-29%

5/61,686

コーヒー

203

USD/Lbs

124

64%

 

尿素水

 

 

 

 

韓国10

原油WTI

81.4

USD/Bbl

48

69%

 

 

[ 2021年11月16日 ]

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