アイコン 4回目の追加接種に入るイスラエルの限界


イスラエルは世界でも早い段階からワクチン接種を開始し、日本がまだ接種開始していない1月段階で19.9%の接種率となっていた。その効果があり、世界が英国株で感染拡大する中、4~6月までの感染者数は急減していた。
しかし、7月になると、英国株よりさらに感染力が強いデルタ株により感染者が急増、改めてワクチンには有効期間があることを世界に知らしめた。同国の主力接種ワクチンはファイザー製。
感染力の強いデルタ株を放置した場合、7月19日に規制を解除した英国のようにこれまでとは異なり感染者数が減少しないどころか増加が続く。
イスラエルはワクチンの有効期間問題からブレークスルー感染が8月・9月急増、追加接種の効果が現れるのは10月だった。
イスラエル当局は、デルタ株よりさらに5~10倍強いとされるオミクロン株に備え、すでに7月・8月に追加接種した人たちに対して、有効期間の問題から4回目の接種を行うことを決定した。

イスラエルの新コロナ悲劇は、ユダヤ教超正統派の存在、ジェトロによると380万人とされるが、100万人との報告もあり、接種完了率からして200万人が妥当な信者数と見られる(帽子を被り、髭を生やした黒衣装の人たちが超正統派の聖職者で同派に対しては法律で政策を行使できないようになっている)。

スポンサーリンク

彼らは新型コロナウイルスについては「神の思し召し」であり、逆らうことはできないとしてPCR検査さえ拒否してきた。政府は同派の神学校などある居住区を逆ロックダウン(周囲をロックダウン)して感染拡大を押さえ込んできた経緯がある。
また、接種していない12歳未満の人口も多く約200万人(同派が一部重複)、20%超が12歳未満となっている。そのため、いくらワクチン接種を積極化させようと接種率には限界があり、接種していない人たちの間での感染が広がることになる。ただ、医療技術と体制がしっかりしているため、致死率は低い。

一方、日本の厚労省検疫当局は、オミクロン株での感染が大量に広がっている米国などの主要国からの帰国者に対して、自宅隔離(待機)を要請しており、小池都知事が政府に要請したように帰国者全員を、国が自ら隔離施設として要請したホテルなどに一定期間、隔離することが強く求められる。
現在のアフリカなどごく一部の入国規制国以外からの主要国からの帰国者の自宅隔離方式ではオミクロン株は全国でじゃじゃ漏れになる。
岸田首相の考えと異なり、厚労省のお役人たちはワクチンを抱えたまま追加接種を遅々として進ませず、12月21日現在245,993件(0.2%)しか追加接種させていない。

隣国でも帰国者に対して同じ自宅隔離策を採用しているが、年末に向け帰国者が急増しているのか、帰国者の地方での感染数が急増している。それでも日本と異なるのは、帰国2日目と自己隔離解除前にPCR
受けることを強制している点で大きく異なる。日本は帰国自宅隔離者に対しては、業者任せの電話確認だけで放ったらかしである。

なお、隣国の追加接種数は22日現在13,081,896件、人口比20.5%、60歳以上の高齢者に限れば62.5%が追加接種を終えている。

 

数値データは、首相官邸/隣国当局発表値/worldometerourworldindataによる。


スクロール→

イスラエル ほとんどファイザー製ワクチン

人口:929万人

12歳未満の人口比20%超/ユダヤ教超正統派約200万人

 

感染数

ワクチン・人口比

 

日平均

完了率

追加接種率

1

226,680

7,312

19.9%

 

2

131,817

4,708

36.6%

 

3

56,280

1,815

51.7%

 

4

4,995

167

54.5%

 

5

1,080

35

55.4%

 

6

2,244

75

55.8%

 

7

32,587

1,051

58.0%

0.16%

8

202,129

6,520

59.2%

24.54%

9

207,057

6,902

60.8%

36.79%

10

44,986

1,451

61.7%

42.61%

11

13,224

441

62.2%

43.98%

1220

13,467

673

62.9%

44.82%

.

感染者数

件数

件数

 累計

1,357,127

5,840,000

4,160,000

 

<隣国における自宅隔離の実態>


スクロール→

隣国

12/22

12/21

12/20

12/19

12/18

12/17

合計

7,456

5,202

5,318

6,236

7,314

7,435

ソウル

2,805

1,994

1,908

2,320

2,794

2,846

京畿道

2,225

1,313

1,488

1,753

2,041

2,153

仁川

479

384

375

493

600

572

首都圏計

5,509

3,691

3,771

4,566

5,435

5,571

 構成率

73.9%

71.0%

70.9%

73.2%

74.3%

74.9%

釜山市

432

234

365

363

362

388

大邱

133

138

111

153

215

160

光州

106

76

52

29

57

42

大田

157

126

112

149

120

162

蔚山

39

35

36

39

46

57

世宗

47

21

16

23

43

25

江原道

130

117

130

100

126

134

忠北

123

89

68

92

127

128

忠南

165

163

185

207

240

203

全北

135

144

100

92

110

122

全南

47

41

56

43

44

60

慶北

139

107

117

137

139

169

慶南

252

184

156

215

211

171

済州島

37

26

30

22

30

35

   地方計

1,942

1,501

1,534

1,664

1,870

1,856

検疫

5

10

13

6

9

8

 うち入国者

91

58

60

63

30

35

・海外入国者は検疫以外、全国の自宅で自己隔離して、隔離期間中に感染が判明したもの。

 

[ 2021年12月22日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧