アイコン 隣国、迎撃ミサイル35億ドルUAEと成約 イエメンフーシ派、アブダビの石油タンクドローン攻撃


泥沼のイエメンで対峙するアラブ連合軍=サウジ連合軍とイランが支援するフーシ派、連日爆撃を続けるサウジ連合軍に対して、フーシ派は越境したロケット攻撃やドローン攻撃で対抗、こうした状態がもう何年も続いている。

 サウジと南部で国境を接するイエメン、親サウジ政権により全土を支配させたいサウジが主導してUAEなどと連合軍を結成、当初はイエメン政府軍(南イエメン)の支援を目的としていたが、フーシ派からサウジ本土の直接報復攻撃にさらされ、以降、報復の爆撃を続けている。しかし、爆撃してもミサイル攻撃してもフーシ派の勢いは止まらず泥沼状態が続いている。

 今度はUAEのアブダビがドローン攻撃を受け、港の3つの石油タンクが爆発、空港の建設現場もドローン攻撃を受け炎上、近くにドローン機の残骸があったという。
 このドローン攻撃で出稼ぎ労働者と見られるインド人2人、パキスタン人1人が死亡している。

スポンサーリンク

イエメンのフーシ派は、その後、UAEのより多くの施設を標的にする可能性があると警告。月曜日の攻撃には、5発の弾道ミサイルと数機のドローンが関与したと発表している。
今回のフーシ派の攻撃はアラブ連合軍(主力はサウジ軍とUAE軍)のフーシ派に対する攻撃の強化が図られている中で発生している。

 今回のドローン攻撃で原油価格が上昇すると見られたが、WTI価格は前日価で推移している。既にロシア侵攻が危惧されるウクライナ問題の緊迫化で価格は上昇しており、一方でトンガ噴火により冷夏が予想され、原油価格は3年ぶりの高値水準で一進一退を続けている。
 
報道ではタンカーが攻撃を受けたとされたが石油タンクの間違いだった。被害の全容はまだ報じられていない。
 アブダビ警察は、ADNOCの石油貯蔵施設近くの工業用ムサファ地域で3台の燃料タンクローリーが爆発し、アブダビ国際空港の建設現場でも火災が発生したと述べている。タンクローリーをしょぼいドローンが攻撃するとは思われず、石油タンクと見られる。

 一方、サウジは月曜日、8機のドローンを撃墜したと発表している。何回も攻撃を受け、低空を飛ぶ、微細なドローンを撃墜するのは国境線も長く至難の技、サウジは最近、中国の支援を受けミサイルを開発中だと報じられている。
 
イエメンのフーシ派はUAEの貨物船を拿捕し、国連が開放するように呼びかけているが聞く耳は持たない。

 イエメンは以前から北イエメン(もと王国、西側の紅海側)、南イエメン(英領/1967年独立)に分かれ、北イエメンをソ連が支援、南イエメンを英米が支援していた。1990年に統一されたが、米CIAがアラブや北アフリカに春の風を吹かせ(武器供与)、南イエメンを梃入れして内戦状態に、そこにアルカイダやIS(ともにスンニ派原理主義武装勢力)などイスラム原理主義勢力が介入してややこしくなっていた。現在はISやアルカイダは衰退し、イランが支援するシーア派に属するフーシ派が旧、北イエメン地域をほぼ支配、サウジやUAEおよび英米はそれを嫌い、南イエメン政府を支援、アラブ連合軍がフーシ派の拠点を攻撃し続けている。
 アラブ連合軍の爆撃には米国の無人偵察機の情報が提供されているとされ、アフガン同様、サウジ連合軍の爆撃機はよく誤爆もしている。

旧冷戦時代に再度突入している現状からして、サウジ連合軍と北イエメンフーシ派の戦いは泥沼から抜け出せないだろう。
エスカレートしすぎた場合、サウジやUAEなどの石油施設が再び攻撃にさらされ、これまでと異なり、収拾できないほどの被害が生じる可能性が高くなり続けることになる。もしもそうなれば、原油価格はすっ飛んでしまうのだが・・・。

隣国ちゃっかり迎撃ミサイル売りつける
 現在、隣国の大統領は中東歴訪中、16・17日はUAEを訪問している。
17日のフーシ派の攻撃は隣国にとって絶好の機会となった。隣国紙は世界最高レベルと自称するK迎撃ミサイル「天弓2」システムの売込みに成功したと報じた(総額35億ドル前後、航空機ならば百発百中の撃墜能力/開発会社はLIG、ハンファシステム/ロシアから一部技術導入)。

隣国は2010年に、UAE(アブダビ)から4基の原発を受注、2基を完成させ、残る2基も完成間際となっている。
受注に際して隣国は軍を派遣して原発の警備に当たらせるとの条件を出し、競合していたフランス勢を蹴散らし海外で始めて原発を受注していた。派遣軍は50年から最大70年間無償で警備することになっている。
(隣国は米イラン制裁で7000億円あまりのイランからの原油輸入代金を返さず凍結させている。アラブのUAE(スンニ派)とペルシャのイラン(シーア派)とは敵対関係にある)。

隣国大統領はUAEに2030年に釜山に万博を誘致するため、UAEに協力を要請したという。2025年大阪万博、2030年にアジアで開催できるのだろうか。

隣国は現在200人あまりのアーク部隊を派遣している。UAE側は原発警備どころか共同国防の安保条約だと認識している。
 そのため、隣国は曖昧な発言をしているが、警備のほかにUAE軍を教育訓練したりもしている。
日本のスーパーゼネコン各社は、UAEドバイの地下鉄工事で大損するなど痛い目にあっている。
危うきに近寄らず。顔に10枚以上の皮がない限り付き合いきれない国ばかりだ。

0118_02.jpg

[ 2022年1月18日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧