東京鉄鋼 営業赤字、特損計上で▲50億円の赤字に 八戸工場見直し
建築用棒鋼が主力で、圧接不要のネジ節棒鋼と継ぎ手で国内シェア過半の東京鐵鋼は、八戸工場が原料である鉄スクラップ等の価格上昇の影響により22年3月期、2023年3月期と連続して赤字を計上する見込みとなり、減損の兆候が認められたことから、回収可能価額が同工場の事業用資産の帳簿価額を下回る見込みとなったため、帳簿価額と将来の現在価値との差額を減損損失計上することから、22年3月期は▲50億円の最終赤字になると発表した。
ただ、23年3月期も赤字を予想しての減損処理とはいかがなものだろうか。
筆頭株主は米国のハゲタカファンド、2位は合同製鐵であるが5%弱となっている。
スクロール→
連結/百万円 |
19/3期 |
20/3期 |
21/3期 |
22/3予 |
売上高 |
64,443 |
58,984 |
62,391 |
66,000 |
営業利益 |
574 |
5,483 |
7,514 |
-200 |
同率 |
0.9% |
9.3% |
12.0% |
- |
経常利益 |
3,265 |
6,043 |
7,524 |
-700 |
当期利益 |
3,143 |
3,993 |
4,980 |
-5,000 |
総資産 |
58,455 |
57,495 |
65,085 |
|
自己資本 |
39,305 |
43,041 |
47,979 |
|
資本金 |
5,839 |
5,839 |
5,839 |
|
有利子負債 |
6,056 |
2,450 |
1,866 |
|
自己資本率 |
67.2% |
74.9% |
73.7% |
|
電炉の場合は調達から製品までのサイクルが短く、材料の鉄スクラップ価格が敏感に作用する。価格上昇前に鉄スクラップにしろ、製品にしろ、在庫で抱えていた場合は、高値販売でき大きな収益を上げることができるが・・・。生産コストに占める電力料金もままならなくなってきている。東京製鐵のように自家発電しているのだろうか。
鉄鋼価格の相場は、新コロナからの経済回復で大きく動き、中国の動向で動き、さらに露制裁で動き、安定性0の状況が続いている。中国新コロナは上海の次は北京が怪しくなってきている。
スクロール→
鉄スクラップ価格 |
スチール先物相場 |
||
|
3大都市圏平均価格 |
||
21/4月 |
42,200~43,200 |
19/12末 |
3,796 |
21/10月 |
56,300~57,300 |
20/12末 |
4220 |
22/1月 |
51,800~53,200 |
21/12末 |
4548 |
22/3月 |
63,800~64,800 |
22/3月末 |
5115 |
・日刊市況通信社版:円/トン |
先物相場:CNY/T |
東京製鉄との違いはスケールメリットだけの問題ではないだろう。
建設用棒鋼材は中国製や韓国製との競争にさらされるデメリットもあるが・・・。
スクロール→
電炉の東京製鐵の業績推移 |
|||
非連結/百万円 |
20/3期 |
21/3期 |
22/3期 |
売上高 |
179,924 |
141,448 |
270,883 |
営業利益 |
17,360 |
3,995 |
31,773 |
同率 |
9.6% |
2.8% |
11.7% |
経常利益 |
17,858 |
4,994 |
33,426 |
当期利益 |
13,795 |
5,889 |
31,937 |