アイコン バイデン・インフレ8.6%に上昇 米消費者物価指数に上昇 米株価暴落


5月の米消費者物価指数(CPI)は予想に反して幅広い項目で上昇が加速し、前年同月比8.6%の伸び率は40年ぶりの大きさを更新した。

米金融当局に一段の積極的な利上げを促すとともに、バイデン政権と与党民主党にとって政治的逆風を強める内容となった。

記録的な高値で推移するガソリン価格に加え、食品と住居費の上昇も衰えず、消費者の生活は強く圧迫されてきている。

米金融当局は経済に一段と強いブレーキをかけることを余儀なくされ、そうなると景気後退(リセッション)のリスクも高まる。そうでもならなければ、異常な物価高は鎮まりそうにない。
市場では0.5%×3ヶ月連続して2.5%(新コロナ前の水準)までの引き上げを予想している。(今回はじめて、米金利に連動するようになった円、どこまで円安が進むのだろうか。こわっ)

 

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<バイデン・インフレ>
バイデン大統領が、新コロナからの経済活動回復中に行った巨額財政投資が、昨年10月から火を噴き出し、資源・エネルギー価格を押し上げ、さらに今年3月からは露ウクライナ侵攻、露制裁が追い討ちをかけ、商品先物価格が軒並み暴騰、そうした結果が米国内の高いインフレとして表れてきている。
(市場では、巨額財政投資はインフレを招く恐れがあると警告されていたにもかかわらず、民主党優位の議会でごり押しにより決定された経緯がある)

米インフレ率は、4月は3月から一旦▲0.2ポイント下げたが、3月には露制裁で商品先物相場が高騰、その分が消費者市場に徐々に現出してくることから、6月は5月よりさらに上昇するものと見られる。

バイデン大統領は秋の中間選挙に向け、インフレ対策など微塵も言及せず、国防法に基づきソーラー発電事業の加速化を決定、環境派に尻尾を振ったが、国民の大多数は地球温暖化対策より、足元の物価高の対策を求めている。
このままでは中間選挙で大敗することになる。
そして2年後にトランプ氏が復活する可能性が高くなる。
バイデン氏が毛嫌いしたシェールガス・オイルの化石燃料、その生産者団体はトランプ氏との関係が深く、急激な増産体制移行は望みようもない。

金融政策の引き締めによって、資源・エネルギーと食料品価格が落ち着き、過剰な需要圧力が和らぐまで、この40年ぶりの高いインフレに歯止めがかかる見込みはほとんどない。

新コロナによる世界的な大金融緩和策は終焉を迎えるどころか、急激な修正を求められている。
(ユーロも0金利策の引き上げの検討に入っている。日本はマイナス金利、肩の荷が重く引き上げられない事情がある)

結果、米市場はインフレ熱を冷まさせよとバイデン政権に警告している。
NY株価は9日▲638.11ドル下げ、10日も▲880.00下げ31,392.79ドルとなった。

国内経済やロシア除く世界経済より、ロシアたたきが面白いバイデン氏にとって国内のインフレなどまったく関係のない話。
ゼレンスキー劇場で脚本家兼総監督を務めるバイデン氏は劇場にかかりっきりになっている。

↓インフレ率=消費者物価指数
40年ぶりの高騰
0611_01.jpg

↓食料インフレ率
10%超える。
0611_02.jpg

↓米国の原油生産量推移(米EIA発表値/BBL/D/1K)
新コロナ以前に程遠い米国の原油生産量、原油生産者団体は、新たに巨額投資して生産量を増やし、原油価格を下げて利益を減らすより、そのまま儲けるだけ儲けようという考え・・・生産者企業に投資しているハゲタカ投資ファンドも高配当を受け大喜びしている。
0611_03.jpg

生産余力のある国
●米国は化石燃料排斥意向のバイデン氏の政策では、巨額投資しても将来にわたるリターンの保証はないとして採掘投資を見送っている。
●イランは西側との核合意が大きく後退している。

皮肉
ロシア産原油は、これまで少量しか輸入していなかったインドが安価に大量の長期購入契約締結、すでにインド企業が精製し、安価にガソリン・軽油などが中東や欧州・米国へ輸出されている。
新興国や後進国が安い原油を求めてロシアから購入しており、制裁により一時半減したものの1ヶ月せずして、元の810万バレル/日の輸出量に戻し、それも増加しているという。
米国が中国との関係で構築したクワッド、その加盟国でもあるインド、トランプがイランとの取引で禁止したセカンダリー制裁はできそうもない。ベトナムもロシアに近い存在だ。南アフリカさえロシア制裁には加担していない。


スクロール→

エネルギー先物相場推移 原油WTI 天然ガスNYM 石炭USD/T

 

 

原油

天然ガス

石炭

備考

 

19/12

60.33

2.292

67.50

新コロナ前

 

20/4

18.84

1.790

51.25

新コロナショック

 

21/6

73.47

3.274

128.55

1年前

 

21/10

81.78

5.578

223.45

 

 

22/1/1

86.49

3.715

222.75

年初

 

2/1

93.50

4.751

274.50

 

 

3/1

98.52

4.573

264.00

2/24、露ウクライナ侵攻

 

3/8

119.65

4.527

405.00

3/7、露制裁

 

4/1

102.94

5.720

258.75

 

 

4/8

97.01

6.280

291.60

IEA備蓄放出決定

 

5/1

114.67

7.476

299.80

 

 

5/10

98.45

7.385

377.50

 

 

5/20

110.28

8.080

417.25

 

 

5/30

117.24

8.709

401.00

EU、年内9割停止決定

 

6/1

119.47

8.696

412.00

上海ロックダウン解除

 

6/10

119.46

9.256

415.25

 

 

6/10相場の各上昇率 基準:100

 

新コロナ前比

198.0%

403.8%

615.2%

天然ガスは脅威

 

1年前比

162.6%

282.7%

323.0%

 

年初比

138.1%

249.2%

186.4%

 

3/7制裁比

99.8%

204.5%

102.5%

 

新コロナ以前比で原油は約2倍、天然ガスは約4倍強、石炭は6倍超に暴騰

 
 

 

[ 2022年6月11日 ]

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