アイコン 欧州経済悪化へ 高いインフレ率鮮明に


昨年9月から始まった米バイデン発の世界的な物価上昇は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う今年3月の露制裁によりさらに拍車をかけ、米国と異なりエネルギー資源に乏しい欧州国にとって景気に関係なく底堅い上昇となっている(ノルウェー等一部の北海油田関係国除く)。

米国は天然ガスを欧州へ輸出し、露の輸出停止に対応させていたが、米国のLNGプラントの火災や故障で輸出が大幅減少、その分が米国の消費に回され、米国では大幅に価格が下がったものの、逆に欧州では価格が空前の価格となっている。

特に大量消費のドイツは一方的にロシアからの供給を大幅減少させられ、市場から高いLNG産天然ガスを買わざるを得なくなっている。こうした電力源かつ熱源も高いインフレ率を醸成させるものとなる。

露制裁や露侵攻により影響を受けた資源や食料は、消費市場では6月から本格的に加工品に価格転嫁され、その影響を受けることから今後もインフレは続く。

高いインフレ率を沈静化させるためには景気を冷やし、購買力を抑制させなければ、物価は下がらなくなっている。それも世界同時に需要を減少させる必要がある。

 

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今年に入り新コロナロックダウンで沈静化している中国経済も動き出しており、米中欧の世界3大経済圏の一角が動き出すだけでも、物価の鎮静化に悪影響をもたらす。

また、米国は物価上昇を抑えるため、中国に課している25%の関税の撤廃を検討しており、それは米国経済にとっては効果があろうが、世界全体の物価への影響は沈静化しないどころか、中国経済も回復に米輸出増で加速度がつき、逆に遠のく可能性すらある。

各国の物価沈静化の手段は金利上昇しかなく、それも世界3大経済圏が同時進行させる必要がある。
そのため、現在すでに米国はじめ世界的な金利上昇パターンに入っている。当然、金利上昇は経済を冷やすことになり、景気は悪化する。

やっと新コロナから経済が立ち直りつつあった世界にとって、1.9兆ドルバラ撒きの米バイデン政策とロシアプーチンのウクライナ侵攻策は世界経済に多大な悪影響を与え続けている。世界経済にとって、ろくでもない両核軍事大国のドンたちである。


スクロール→

欧州のインフレ率と食料インフレ率

2022

6

5

4

3

2

英国

9.1

9.0

7.0

6.2

5.5

 食

 

8.6

6.7

5.9

5.1

EU

8.6

8.1

7.4

7.4

5.9

 食

 

8.7

7.4

5.7

4.7

フランス

5.8

5.2

4.8

4.5

3.6

 食

 

4.3

3.8

2.9

1.9

ドイツ

7.6

7.9

7.4

7.3

5.1

 食

 

11.1

8.6

6.2

5.3

イタリー

8.0

6.8

6.0

6.5

5.7

 食

9.1

7.4

6.4

5.8

4.8

スペイン

10.2

8.7

8.3

9.8

7.6

 食

 

10.9

10.1

6.8

5.5

オランダ

8.8

9.6

9.7

6.2

6.4

 食

 

9.2

8.4

6.4

5.0

デンマーク

 

7.4

6.7

5.4

4.8

 食

 

10.1

7.1

6.3

5.5

ポーランド

15.6

13.9

12.4

11.0

8.6

 食

 

13.5

12.7

9.2

8.5

 

 

 

 

 

 

米国

 

8.6

8.3

8.5

7.9

 食

 

10.1

9.4

8.8

7.9

日本

 

2.5

2.5

1.2

0.9

 食

 

4.1

4.0

3.4

2.6

韓国

6.0

5.4

4.8

4.1

3.7

 食

6.0

4.5

3.3

3.6

5.5

 

米国ではこの間、天然ガスの高騰に電力会社は逆ザヤになることから天然ガス燃焼から、バイデンが大好きな石炭火力に転換させている。

 

天然ガス価格

 

米国/ドル

欧州/ユーロ

 

天然ガス

LNG価格

2月末

4.402

98.595

3月末

5.642

125.905

4月末

7.244

99.450

5月末

8.145

94.005

6月末

5.424

144.515

75

5.519

147.785

米国:NY/MMBtu

欧州:DUTCHオランダ天然ガス先物指数(TTF1!)

 

[ 2022年7月 6日 ]

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