追報:(株)コーケン(東京)/破産開始決定 JA系医薬品卸 負債72億円 倒産要約版
続報。東京に拠点をおく、(株)コーケンが破産開始決定したことが判明した。
負債総額は申請時から20億増えて約72億円。
以下要約。
破綻要約 JC-NET |
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1 |
破綻企業名 |
(株)コーケン |
2 |
本社地 |
東京都港区芝公園2-9-5 |
3 |
代表 |
山本浩彦 |
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設立 |
1970年4月. |
5 |
資本金 |
1000万円 |
6 |
業種 |
医薬品・医療機器卸業 |
全国厚生農業協同組合連合会(JA全厚連)系 |
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7 |
売上高 |
2021年3月期、約246億円 |
8 |
破綻 |
2022年10月28日. |
自己破産申請 |
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2022年10月28日. |
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破産手続きの開始決定 |
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9 |
申請代理人 |
森田岳人弁護士(松田綜合法律事務所)ほか |
電話:03-3272-0101 |
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破産管財人 |
長島良成弁護士(長島良成法律事務所) |
電話:03-5276-1321 |
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裁判所 |
東京地方裁判所 |
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負債額 |
約72億円 |
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債権届出期間 |
2022年12月2日. |
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報告説明会 |
2023年2月13日午後1時30分/詳細は破産管財人まで |
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破綻事由 |
同社はJA全厚連(全国厚生農業協同組合連合会)が、農村医療振興のため傘下の病院に対して医薬品や医療機器を安価に提供するため設立した医薬品医療機器の卸会社。各県の厚生農業連合会経由で、関係する病院や診療所に対し、医薬品、医療機器の卸を手がけてきた。 しかし、最近は政府の薬価基準の改定による単価引き下げが続き収益性が悪化、今般の新コロナ事態では高齢者たちが感染を恐れ病院を敬遠して売上不振、そうした中、取引先で医療コンサルのアイテック(株)が10月17日負債額132億円を抱え民事再生法の適用申請を行い経営破たん、同社は多額の焦げ付き(アイテックが民事再生申請時で提出した債権者名簿では32.9億円/アイテック最大の債権者)が発生して、資金繰りを急悪化させ、今回の事態に至った。 なお、コーケンの債権者の殆どは、JA系と信じて取引していたアルフレッサやバイタルネット等医薬品卸会社や医療機器会社。
追、同社はアイテックに、これほど大きな焦げ付きが発生するとは問題のある経営陣による取引だろうか。 国内の新設病院の案件で医療コンサル「アイテック」の営業に安易に乗っかかり、大きく焦げ付く結果となった。アイテックにしてもJAの信用を看板にして営業を継続していた可能性もある。 それにしても大きすぎ、JA系という公的な会社でありながら1社あたりの取引の限度額なども設定していなかったのだろうか。 こうした焦付額に憤慨したJA本体が民事再生でもなく、特別清算でもなく、自己破産を申請させたのだろう。JA全厚連にしても同社に対する監査がいいころ加減だったことを証明している。
アイテックの債権者名簿では不思議にメガバンクが1社も入っていない。アイテックはイラン戦争でODAで進めていた案件が大きな影響を受けており、当時取引のあったメガバンクは早々にハゲタカに債権を売却し、撤退したのが実態ではないだろうか。経緯を知らない多くの地銀が焦げ付いたのかもしれない。銀行では千葉銀20億円が筆頭の債権者となっている。
コーケンを破産させたJA全厚連=JA、コーケンの債権者名簿にJA全厚連もしくはJAからの借入金=金融負債は見当たらない。出資金=資本金は1000万円、JAはこれだけで済まそうとしているのだろうか。当然JAの看板があり、コーケンとの取引に付きJAは債務保証を一切していないと思われる。 |