アイコン 中国の台湾侵攻では米軍は弾不足で戦えない


米国防のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、現在の「『戦時環境において空になった弾薬箱(Empty Bins in a Wartime Environment)』というタイトルの報告書」を発表、米国の防衛産業基盤は、現在の複雑な安全保障環境に対し十分な備えができていない」と指摘した。

 CSISは、「米国の防衛産業は平時に適合した状態にあり、台湾海峡での中国との戦争など大規模な地域紛争が起きたら弾薬の需要に耐えられないだろう」としている。
ロシアによるウクライナ侵攻後、米国は取り急ぎウクライナに武器を支援しようとしたが、米国の在庫自体があまりなく、急に武器を大量生産する余力もなかった点があらわになっている。

特に
スティンガー地対空ミサイル、
155ミリ曲射砲および砲弾、
ジャベリン対戦車ミサイルなどの在庫が足りなかった。

 

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CSISは、「米国が昨年8月までにウクライナに提供したジャベリンは7年分の生産量に匹敵、スティンガーは過去20年間に米国国外へ販売した量に相当する規模」だと推定した。
また、今月までに155ミリ砲弾107万4千発を提供したが、量が足りなくなったことから、代わりに105ミリ曲射砲とその砲弾での支援を始めた。

加えて、武器・弾薬を生産するには長期間かかるが、兵器産業の生態系が崩壊しており、米国防総省が防衛関連企業と新たな購入契約を結んだのはウクライナに支援した一部の武器についてのみだった。

CSISは、「ウクライナは問題の一部に過ぎず、インド・太平洋などで起き得る未来の戦争に備えることがより大きな課題だ」と指摘した。
「米国と中国の競争激化から、ロシア・イラン・北朝鮮の引き続き存在する脅威に至るまで、米軍は少なくとも一つ、または二つの大規模戦争を進める準備を整えるべき」としつつ、「強力な防衛産業と十分な武器・弾薬の在庫が、中国の行動を抑制する上に非常に重要だが、米国は戦争をする準備ができておらず、抑制力も減少している」とした。

またCSISは、「中国がいつ台湾に侵攻するか予測は難しいが、武器の生産を増やすのに必要な準備期間を考慮すると、生産拡大が手遅れになる可能性が高い」と指摘している。

CSISが、台湾海峡で米中戦争の状況をシミュレートした結果、米国は開戦から3週間以内に5000発以上の長距離ミサイルを使った。
特に、中国の防空網の外から艦艇を攻撃できて非常に有用な長距離対艦ミサイル(LRASM)は、わずか1週間で全て撃ち尽くした。
LRASMを生産するのにほぼ2年かかるといい、米国の2023会計年度の国防予算は、88発の購入に必要な予算しか配分できないでいる。

CSISは、「米国だけでなく英国など欧州の同盟国も武器の在庫が十分でない」と指摘している。
また、「同盟国は米国の武器に大きく依存しているが、米国が外国政府に武器を販売する際に適用する対外軍事販売(FMS、有償援助)と国際武器取引規則(ITAR)の手続きはあまりに複雑で、武器を引き渡すのに時間がかかりすぎる」と指摘している。
 
FMSは、「米国の防衛関連企業が米国政府外の顧客を確保し、営業基盤を維持して単位当たりの生産コストを下げる前向きな効果を有しており、主要同盟国に対して関連手続きを簡素化する必要がある」とCSISは主張している。
逆に「中国は、弾薬生産に大規模な投資を行い、最先端の装備を米国より5~6倍早く確保する」と分析している。

CSISは、「防衛関連企業が武器・弾薬の生産に必要な施設などに長期投資する誘因が生じるように、米政府が企業と多年契約を結ぶなど、安定的な需要を創出すべきだ」と勧告した。
続いて、「中核となるパーツや材料の調達元を増やすなど、防衛産業界のサプライチェーンを強化し、主な武器・装備を戦略的に備蓄すること」を提言した。
これとともに、「国防総省は戦時の需要を予測し、戦争が起きた場合に武器の生産と取得の手続きを簡素化できる非常計画を樹立すべき」と主張した。
 このほかCSISは、米国が日本・オーストラリアとSM6迎撃ミサイルの部品やトマホーク巡航ミサイルを共同生産している事例に言及しつつ、「米国が主要同盟国と武器を共同生産して「規模の経済」を実現する「アライ・ショアリング(ally-shoring)」を勧告した。
以上、

破壊力の高い155ミリ砲弾、107万発もウクライナに送り、すっからかんになってしまい、弾切れで韓国から10万発調達している。

バイデン氏は副大統領時代からウクライナに入れ込んでおり、ウクライナに提供する兵器も最新兵器へジャンジャンエスカレートし続けている。最後は核を除く全部を提供することだろう。
ゼレンスキーは役者であり、一枚も二枚もバイデンより上手。
それでウクライナ戦争が収束すれば、それはそれで評価されようが、収束する兆しはまったくない。
今やバイデンとプーチンとの代理戦争地としてウクライナが存在しているようだ。

中国の台湾侵攻が長期化すれば米国は兵器不足で守ることもできない可能性が高く、またNATOのほとんどの国も米国と一緒と見られ、台湾侵攻では、日本が前面に引っ張り出される可能性が高くなってくる。
中国の反撃でのミサイル攻撃では、日本全国の自衛隊基地(非常時の米軍との共用)や米軍基地が30分以内の対象となっている(極超音速弾道ミサイルや極超音速弾道ミサイルでは30分かからない)。迎撃能力も60%あれば優秀なところだろうが、40%は着弾する。迎撃ミサイルも大量には準備していない。

旅客機と同じ速度しかない日本の先制敵陣地攻撃用のトマホーク巡航ミサイルをいくら用意しても、相手の敵陣に到達する前にその何倍ものミサイルがゆとりを持って日本国土に撃ち込まれることになる。
中国のミサイル基地は各地に分散しており、常時日本に向けた戦闘体制をとっている。北朝鮮さえ列車発射型弾道ミサイルを保有している時代だ。

根本的な考え方として中近東とは異なりトマホークを保有しても抑止力にはならない。ほかを調達しようにも、米国自身が中距離弾道ミサイルは米ロミサイル削減交渉で保有数が限られており、蚊帳の外だった中国は中距離弾道ミサイル数では米国を圧倒しており、米国は日本へ輸出できる数もない。
日本は、専守防衛時期に優秀な中距離の迎撃ミサイルでも開発していれば、攻撃用にも転用できようが、日本は米国様から貿易黒字解消に高い米製兵器ばかり購入し続けてきたツケが現在に至っている。
魂胆汚く、国防と経済をゴチャ混ぜにしてきた統一まで関与した政権が続いた結果ではないだろうか。


 

[ 2023年2月 6日 ]

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