22年、EVバッテリー市場71%増の急拡大 EV68%増の780万台 日産SAKURA
22年、世界EV販売台数は英調査会社LMCオートモーティブなどによると、前年比68%増の780万台に達した。世界の自動車販売市場の10%にあたる。(欧州ではPHV+EVの販売台数は全販売台数の20%を超えている)
今年から米国でもIRA法に基づくEV補助金制度が始動している。
世界では21年がEV元年となりEV市場が急拡大、22年も急拡大を続けている。それを支えるEV用バッテリーメーカーの存在がある。
日本のEVバッテリーメーカーはパナ社だけでほかは蚊帳の外、それも鉛のレントゲン室の中に自ら閉じこもり化石化している(鉛電池では世界第2位のGSユアサ/EV用バッテリ-は有しておらず、今から提携したホンダと研究開発に当たる次元)。
中国は2016年からEV補助金制度を設けEV市場を急拡大させてきたが、それとともに、政府がバッテリーメーカーを補助したことで急成長、それも技術力も伴っている。
中国政府は当時、韓国勢の3元系は火災リスクが高いとして補助金の対象外にし、中国勢のリン酸鉄リチウム電池を保護した。ただ、走行距離が短い課題があった。しかし、中国勢は2021年に400キロ超の同電池を開発、韓国勢の3元系と戦えるようになった。
2月13日、米フォードは新たにCATLと提携して35GWh(EV40万台分/総投資額35億ドル)、のEV用バッテリー工場をミシガン州に建設すると発表した。
現在米国で主流の韓国勢の3元系バッテリーより2~3割安価なコバルトフリーのリン酸鉄リチウム電池の製造工場となる予定。
フォードはこれまで韓国のSKと組み米国内2ヶ所で3元系バッテリー工場の建設に着手している。
米国では、レアアース資源価格高騰でEV価格が補助金で追いつかないほど高騰、韓国3元系を使用する米国では普及に時間がかかるとされ、そこにリン酸鉄リチウム電池搭載車が登場することになる。
米国は嫌中、これまで中国勢のバッテリーメーカーの進出はない。しかし、欧州では表向きの政治と異なり国民多数には嫌中感はなく、中国のEVメーカーが大挙して欧州で販売開始、EV用バッテリーメーカーも欧州に工場進出している。
2位のBYDはEVメーカーでもあり、バッテリーもCATL同様、リン酸鉄リチウム電池を有し、EV販売を海外も急速に増加させてきている。
BYDはもともと環境に厳しい米カルフォルニア州にEVバス工場を有し、同州のロス等各市の市営バスにEVバスを供給してきている。
10位のFarasisでさえメルセデスが出資している。
中国大手は3元系バッテリーも有しているが、韓国勢はリン酸鉄型は有しておらず、現在開発に当たっている。韓国勢の3元系はパウチ型、これも今後テスラ=パナ社の円筒型が主流になるとされている。LGはテスラ用に円筒型を小規模生産している。
日本はガソリンスタンドがなくなった過疎地で日産SAKURAの販売が好調だという。それでも総車両販売台数に占めるEVは1%台しかならない。
何でもかんでもガラパゴス諸島の国になりつつある。世界の趨勢を読み解く力と戦略が喪失している。権力を振りまいた団塊の世代に虐げられ育った現在のサラリーマン社長たちの器の限界が長く続いている。
スクロール→
2022年-通期 EV用バッテリー世界ランキング |
||||||
|
/GWh |
本国 |
21年 |
22年 |
伸び率 |
シェア |
1 |
CATL |
中国 |
99.5 |
191.6 |
92.5% |
37.0% |
2 |
BYD |
中国 |
26.4 |
70.4 |
167.1% |
13.6% |
2 |
LGエネソル |
韓国 |
59.4 |
70.4 |
18.5% |
13.6% |
4 |
パナソニック |
日本 |
36.3 |
38.0 |
4.6% |
7.3% |
5 |
SK on |
韓国 |
17.3 |
27.8 |
61.1% |
5.4% |
6 |
サムスンSDI |
韓国 |
14.5 |
24.3 |
68.5% |
4.7% |
7 |
CALB |
中国 |
8.0 |
20.0 |
151.6% |
3.9% |
8 |
Guoxuan |
中国 |
6.7 |
14.1 |
112.2% |
2.7% |
9 |
Sunwoda |
中国 |
2.6 |
9.2 |
253.2% |
1.8% |
10 |
Farasis |
中国 |
2.4 |
7.4 |
215.1% |
1.4% |
|
その他 |
|
28.5 |
44.5 |
55.9% |
8.6% |
計 |
|
301.5 |
517.9 |
71.8% |
100.0% |
|
・SNEリサーチ版 |