アイコン ホンダ GSユアサと組み日本市場のEV電池開発へ バッテリー趨勢


ホンダは、世界的に加速するEVシフトに対応するため、国内での電池の安定調達が課題となる中、京都市の大手電池メーカー「GSユアサ」と提携し、年内にEV向けのリチウムイオン電池の開発などを行う合弁会社の設立を目指すと発表した。
具体的には、両社で容量や出力が大きい高性能な電池の研究開発を進めることや、原材料の調達を含めた効率的な生産方法の構築などに取り組む方針で、年内に合弁会社の設立を目指すとしている。

ホンダは、主要市場の中国では世界最大の中国電池メーカーCATLと、アメリカではLGエナジーと合弁工場の建設で合意しているが、今回は日本市場で製造するEV向けとなる。

米国では、ホンダとLGエナジーの合弁会社は、総投資額5兆1千億ウォン(約5250億円)を共同投資し、60万台分に当たる年間40GWh(ギガワット時)規模のバッテリー生産能力の工場を建設することで合意、本格生産は25年末を予定している。

EV車両価格に占めるEVバッテリー価格は25%~40%、長距離走行車はバッテリーを多く積み車両価格は高くなる。バッテリー原価の75%前後は原材料価格、一番はリチウム、韓国勢の3元型ではコバルト、ニッケルも高価なため、バッテリーの長期納入契約価格は、原材料価格に比例して価格が変動する契約となっている。(中国ではEV販売価格が安価なため、EVバッテリー価格が車両価格の50%以上になっている)

 

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中国のCATLとBYDは安全性が高く安価なコバルトフリーのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーで400キロ走れる改良型を開発し、CATLはすでに国内だけにとどまらずすでに多くの欧州自動車メーカーに納品している。

CATLはテスラ仕様同様の4680型バッテリーで密度を高くし1回充電で1000キロ走るバッテリーを開発、吉利の新ブランド『Zeekr』車に搭載し今春販売予定。1000キロ走れば世界最高となる。

韓国勢は高高圧電流による充電で充電時間を80%充電で30分まで短縮させている。欧米EVも高圧電流タイプとなっている。高高電圧1回満タン充電で500キロ走るEVは30分で400キロ計算上走れることになる。問題の充電時間はほぼ解決されつつある。

因みに中国のEV価格は米国EVの同等クラス車で半額、すでに300万台以上輸出し、世界第2位の車両輸出国にまで成長している(1位は日本)。

 トヨタは昨年、日本とアメリカの工場で最大7300億円を投資すると発表するなど、EVの普及を見据えて、電池メーカーとの提携や投資の動きが活発になっている。
パナソニックも23年度に、テスラ向けの新型大容量円筒形リチウムイオン電池(LIB)「4680」の量産を和歌山県で始める。さらに昨年7月、米カンザス州にも投資額40億ドルでEV電池の新工場を建設すると発表している。
パナ社はトヨタとも組みEV電池開発(全固体電池)に当たっている。
以上、

日本の技術産業の衰退を物語る決定的な周回遅れ。ホンダは、今時、開発さえしてこなかったバッテリー専業のGSと提携するより、村田製作所と組んだ方がよほど将来性があるのではなかろうか。
日本は大学の工業系の研究予算、国立技術研究機関への小泉による聖域なき削減が、衰退させ、昔の研究開発力はなくなっている。アベノミクスでも土木に偏重し回復させなかった功罪はもう研究の継続性を20年間もなくし回復力さえなくしている。
GSは政府ご調達の潜水艦用でも造っていれば長生きできるだろう。民船が造れなくなった三菱重工・造船のように。
日本政府と官僚たちに引っ張られ馴れ合いモタモタしていたら、GSはESS分野もソーラーセルのように韓国勢・中国勢が日本市場さえ食ってしまう可能性が高い。

トヨタでさえEVでは、初EVで問題を発生させ、改修もできなかったほど周回遅れを露呈している。銭は腐るほど抱え込んでいるにもかかわらず、平行して早期にEVを開発していたならば、問題をクリアしていただろうが、いきなりスポーツタイプEVを市場投入して大失敗。FCVも軌道に乗らず、長年HVに依存したままとなっている。

EV世界革命3年目、米国でのバイデンインフレにより国際資源価格が高騰・暴騰、米国では今年からIRA法でEVには補助金(7500ドル)が出ており、米国も本格的にEV時代を迎えている。ただ、充電ステーション等インフラ整備は万全ではなく、購入は環境派が先行しようが、景気は下り坂、トヨタにまだ風が吹いているようだ。しかし、米国市場でも肝心の弾不足を生じさせたままとなっている。情けない。
EV電池用材料価格が高騰していることに、長距離のため多く電池を積む車両の価格はさらに高価にならざるを得ず、ガソリン価格も低下し、コストパフォーマンスのあるHVは助かっている。

しかし、いまだ、半導体問題、セットメーカー問題、部品部材のサプライチェーン問題を抱え、軌道に乗らないままとなっている。
どうしてここまで長期にわたって生産体制さえ再生できないのか。トヨタを含め日本企業が、世界のトレンドを見極めきれず、フレキシブルな発想力と行動力を失し、もたもたも通り過ぎ、すでに死体のように硬直化が進んでいるようだ。
内弁慶企業ならば政府と仲良くしていれば食ってはいけるだろうが、世界で戦う企業にとって組織の硬直化は救いようがない。

中国は石炭をぼんぼん燃やして豪州産鉱石からリチウムを抽出している。
東京ドバイはドバイ産原油の輸入価格の相場で単位は円。


スクロール→

バイデン+プーチン合作による国際商品価格の暴騰と現在 月末相場

トレーディング・エコノミックス、日経、 /120日と新コロナ前の1912月との比較

2022

相場/月末

1/20

19/12/1/20

 

19/12.

21/12.

22/8.

22/12.

米金利

1.75%

0.25%

2.50%

4.50%

4.50%

4.50%

対ドル円

108.8

115.0

138.9

131.1

130

130

 

 

 

 

 

 

 

エネルギー等

19/12.

21/12.

22/8.

22/12.

1/20

比較

原油WTI

63

75

89

80

80

26.0%

東京ドバイ

40,968

50443

73909

63087

64620

57.7%

天然ガス()

2.152

3.370

9.189

4.475

3.348

55.6%

TTFガス()

13

87

239

76

65

400.0%

石炭

67

169

425

404

363

441.8%

鉄鉱石

92

116

99

117

124

35.4%

スチール

3,774

4,568

3,873

4,019

4,125

9.3%

 

 

 

 

 

 

 

レアメタル等

19/12.

21/12.

22/8.

22/12.

1/20

 

亜鉛

2,304

3,532

3,459

2,972

3,432

49.0%

マンガン

31.50

31.25

31.75

31.25

32.35

2.7%

アルミ・EV

1,807

2,818

2,359

2,378

2,611

44.5%

銅・EV

2.7959

4.3925

3.549

3.805

4.249

52.0%

ニッケル・EV

13,950

20,880

21,323

29,866

27,651

98.2%

リチウム・EV

49,500

268,500

492,500

519,500

477,500

864.6%

コバルト・EV

32,750

70,500

51,955

51,955

49,000

49.6%

 

[ 2023年1月24日 ]

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