悪党・谷川弥一伝。弥一の矢は毒矢の矢だった!
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平成9年(1997)3月2日、長崎県議会副議長だったA県議が入札妨害罪で逮捕されるというショッキングなニュースが長崎新聞の一面に躍った。
当時は高田県政4期目であり、高田勇知事の腹心と呼ばれていた側近中の側近だったのがA県議だった。
知事5期目を静かに迎えようとしていた高田勇知事にとってA県議の逮捕は片腕をもぎ取られたくらい痛恨の一撃と言われた出来事だったのである。
その後、A県議には懲役2年の実刑判決が下され、間もなくして大分刑務所に収監されることになる。
その年(平成9年)の9月、高田勇知事は5期目の知事選出馬断念を表明している。
そして待っていましたとばかりに知事選へ名乗りを上げたのが、当時、15億円の使い込み事件が発覚し、理事長である金子原二郎氏の腹心とも呼ばれていた入江課長が逮捕されるというスキャンダルを抱えていた西日本遠洋まき網組合(松浦市)の理事長で、衆議院議員でもあった金子原二郎氏である。
その後、平成10年(1998)2月に行われた知事選で西岡武夫氏を破って知事に就任した金子原二郎の長女、富貴嬢と谷川弥一の長男で谷川建設の社長である喜一が密かに結婚し、金子家、谷川家が目出度くも親戚となり谷川家・金子家の閨閥政治が始まった。いよいよ谷川弥一が権力者として長崎県政を牛耳るようになり、あの谷川弥一が衆議院議員にまで成り上がり県政を我が物顔で跋扈し、権勢を奮うことになるとは誰もが予想もしていなかったことである。
逮捕されたA県議の最大のライバルと目されていたのが、当時、自民党長崎県連の政調会長だった谷川弥一だったのである。
谷川弥一には従兄弟に長崎県警の捜査2課の刑事だった谷川富士男という刑事がおり、A県議逮捕の実質的な指揮を執ったのが谷川富士男刑事と言われていたのである。
また、A県議事件の決定的な証拠を谷川富士男に提供した人物こそ谷川弥一だと噂されていたのだ。
谷川弥一という人物は谷川建設を儲けさせたい、ただそれだけが目的で政治家を目指した男である。
己が権力を手中に収めるためには手段を選ばないどころか、同僚議員を平気で売り、他人を蹴落とすことを何とも思わない最低のゲス野郎なのである。
谷川弥一逮捕か?とも言われている今の状況は、身から出た錆、まさに因果応報というものである。
因みに、2年間の刑期を勤め上げ、逮捕劇から10年後の平成19年(2007)4月の統一地方選挙で県議会議員として奇跡のカンバックを果たしたA県議こそ何を隠そう大村市選出の小林克敏県議である。
弥一の矢はまさに毒矢の矢だったのである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次