中国自動車市場 日本勢の現状 2024年上半期、中国での販売台数状況
中国における日本勢の大苦戦が報じられているが、ひとえにEV開発遅れにあるが、日本メーカーの姿勢が現在の結果をもたらしている。
因みに日産は2010年からEV販売する先駆者であるが、中国で大苦戦している。原因はゴーンの呪いであるが、ゴーン追放の立役者が反撃にあい追放され、その後は開発や営業どころかその方針と権力争いに明け暮れ、いまだ先が見えず、世界では新世代には敬遠され、ブランドが消滅しかかっている。
ホンダは開発魂のないホンダになって久しく、傷のなめあい・事なかれ主義のサラリーマン経営化しきっている。
トヨタは豊田会長の頑固病が原因、超ワンマンの弊害が出ている。2017年当時、「EVは問題が山積しておりHVを強化していく」とし、EVは開発すらろくにせず、初販売車は失敗していた。トヨタ銀行と呼ばれるほど巨額の自己資本と潤沢な流動性資金を有しているものの、EV開発を本格化させず、結果、豊田社長に初EVが泥をかけ社長退任、会長に就任している。
日本勢はこれまで、いろいろ付加価値を付け、車両販売価格を高くすることで利益を捻出してきた。
日本の大企業全般にいえるが、利益のためか不正ばかりして生産性向上の投資を怠り、既成概念から逸脱することもできず、自動車では中国企業に振り回されている。
中国では100万台のEVやPHVの販売台数が急激に伸び、技術面でも後手後手に陥っている。BYDのPHVはこれまでの概念を打ち破った技術開発を行い、安価に販売することを可能にしている。
話題のBYDは100万円台からのEV(海鴎、海豚)、PHV(秦)を有し、メーカー別販売台数ではダントツの1位に占め、低価格戦争に挑んだメーカーは販売台数を上昇させている。
BYDは新興メーカーだとしても10年前の2014年から米国に工場進出してEVバスを生産、米国内やカナダのバス運行公社や企業に納車している。
EVを安価販売するには製造コストを大幅に下げることが必要だが、販売価格の3割前後を占めるリチウムイオン電池の製造技術でも中国勢は世界をリードしている。そのリチウム電池にはリチウム含めレアメタルが大量に採用されており、車両の高価格販売の原因にもなっている。
ところが、これまで200キロが限界だったLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)電池を製造方法を変えることで400キロを実現、現在、中国以外韓国勢3社の3元系がほとんど、LFPでは使用しないコバルトとニッケルを使用し、高価格を大半原因ともなっている。
こうしたことから、中国は欧米に揺さぶりをかけ、レアメタルを国家管理に置くことを決定、中国の手法は何もないときには国家管理はあってないのも同然、しかし、いったん、政府が対外圧力に利用してきた経緯がある。レアメタルは半導体材料の多くも中国製が利用されており、生産にも影響してくる。そうした中国をこれまで育成してきたのは米国でもある。
日本勢は、2027年頃からEVを本格化させるようだが、それまでに日本ブランドは消滅している可能性もある。それほど新エネ車の急激な台頭と低価格戦争中の中国市場では新エネ車もほとんど持たず、低価格生産もできない生産システムに戦えなくなっている。
↓昨年は内燃機車の販売台数が増加している。
これは全体が12.0%増、320万台あまり増加して3009万台の販売となり、新エネ車も37.9%増加したが、内燃機車の販売台数も増加したもの。
2024年は上半期だけではどうなるか不明、現在中国では古くなった新エネ車の買い替えキャンペーンを行っている。
2023年内燃機車市場が4.0%伸びた中国で、日本勢は▲11.3%落としている。日本が嫌われているのか、日本車全般が嫌われているのか、日本車の価格が高く敬遠されているのかは不明。
中国では昨年から値下げ攻勢をかけ続けているEV-テスラも大苦戦している。
※ 当記事のデータ数値はすべて自動車の総合専門調査会社のマークラインズ社の公表データを採用、再編集作成。
スクロール→
中国の新エネ車販売 5年半推移 /千台 |
|||||||
|
EV |
PHV |
FCV |
小計 |
シェア |
内燃機 |
総販台数 |
2019年 |
972 |
232 |
3 |
1,206 |
4.7 |
24,563 |
25,769 |
前年比 |
-1.2 |
-14.5 |
|
-4.0 |
|
- |
-8.2 |
2020年 |
1,115 |
251 |
1 |
1,366 |
5.4 |
23,945 |
25,311 |
前年比 |
11.6 |
8.4 |
|
7.5 |
|
-2.5 |
-1.9 |
2021年 |
2,916 |
603 |
2 |
3,521 |
13.4 |
22,754 |
26,275 |
前年比 |
160.0 |
130.0 |
|
157.5 |
|
-5.0 |
3.8 |
2022年 |
5,467 |
1,588 |
4 |
7,059 |
26.3 |
19,805 |
26,864 |
前年比 |
83.4 |
164.1 |
|
96.9 |
|
-13.0 |
2.1 |
2023年 |
6,685 |
2,804 |
6 |
9,495 |
31.6 |
20,599 |
30,094 |
前年比 |
24.6 |
84.7 |
|
37.9 |
|
4.0 |
12.0 |
2024年 |
3,019 |
1,922 |
3 |
4,944 |
35.2 |
9,103 |
14,047 |
上半期比 |
11.6 |
85.2 |
|
32.0 |
|
-3.7 |
6.1 |
・商用車含む/商用車含む総販売台数に占めるシェア |
↓BYDは内燃機の大衆車市場をターゲットに低価格車を市場投入している。
中国市場、EV含む内燃機車の販売推移 |
|||
|
/千台 |
前年比 |
シェア |
2019年 |
24,563 |
- |
95.3 |
2020年 |
23,945 |
-2.5 |
94.6 |
2021年 |
22,754 |
-5.0 |
86.6 |
2022年 |
19,805 |
-13.0 |
73.7 |
2023年 |
20,599 |
4.0 |
68.4 |
2024年上 |
9,103 |
-3.7 |
64.8 |
・工場出荷台数/商用車含む総販売台数 |
日本勢の中国市場、落ち続ける販売台数とシェア
※中国市場、日本勢の乗用車販売台数5年間推移 /千台 |
||||||
乗用車販売台数は工場出荷基準 |
||||||
2024年 |
19年 |
20年 |
21年 |
22年 |
23年 |
24/5月 |
日系 |
4,567 |
4,753 |
4,533 |
4,318 |
3,829 |
1,206 |
前年比 |
2.7% |
4.1% |
-4.6% |
-4.7% |
-11.3% |
-12.0% |
シェア |
21.3% |
23.6% |
21.1% |
18.3% |
14.7% |
12.4% |
日本勢3社の中国自動車販売数推移 /千台 |
||||||
|
トヨタ |
ホンダ |
日産 |
|||
|
販売数 |
前年比 |
販売数 |
前年比 |
販売数 |
前年比 |
2019年 |
1,620 |
9.0% |
1,554 |
8.5% |
1,546 |
-1.1% |
2020年 |
1,797 |
10.9% |
1,626 |
4.7% |
1,456 |
-5.8% |
2021年 |
1,944 |
8.2% |
1,561 |
-4.0% |
1,381 |
-5.2% |
2022年 |
1,940 |
-0.2% |
1,373 |
-12.1% |
1,045 |
-22.1% |
2023年 |
1,907 |
-1.7% |
1,234 |
-10.1% |
793 |
-16.1% |
2024年上半 |
784 |
-10.8% |
416 |
-21.5% |
340 |
-5.4% |
※輸入車・商用車含む