韓国2位のホームプラス 7日更生手続き開始決定 個人投資家・メリッツ大被害
3月4日、韓国版会社更生法を申請して経営破たんした「ホームプラス」関連のABSTB(電子社債/クレジットカード債権が基準)やCP(短期借入証券)の残高が総額約6000億ウォンに達すると見られている。それも会社更生法申請の直前にも930億ウォン販売されていた。
<店舗数>
店舗数:スーパーとディスカウント店合計で460店舗あまり運営。
2023年4月基準、
ホームプラス133ヶ所、
ホームプラスエクスプレス(小型)328ヶ所、
物流センター9ヶ所運営
スクロール→
破綻の韓国2位のスーパー「ホームプラス」 |
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1997/9. |
サムスンと英テスコ合弁のサムスンテスコ発足 |
2008/5. |
ホームエバー(元カルフール)の店舗買収 |
2011/7. |
サムスン物産がテスコに持株売却 |
2015/10. |
英テスコはMBKに売却 |
2025/3/4. |
会社更生法の適用申請 |
2025/3/7. |
会社更生法に申請手続き開始決定 |
2025/3/6. |
会社更生手続きの開始決定 460店舗 |
7日、裁判所から会社更生手続きの開始決定を受けた。今後の支払いは裁判所=更正人によりすべてが決済される。
スーパーの取引は止めることはできず、まずは借入金の返済や債券の償還がストップし、認可制となる。ただ、まだまだ、申請前の商品仕入やサービス提供代金、借入金・債券の大幅カットの段階ではない。
1ウォンは0.1024円(24/3/15日現在)
<信栄証券、金融監督院、詐欺販売容疑で調査>
こうした債券は信栄(シンヨン)証券が最大の発売元で最後まで販売、金融監督院は格付機関が評価を引き下げてからも販売しており、告知義務違反の有無についても調べを開始している。信栄証券の発売シェアは50%超。
格付機関2社は3月4日にホームプラスを格下げ、
信栄証券は格付機関が格下げ後も販売、(情報周知義務違反/詐欺販売)
4日、そののち、ホームプラスは会社更生法の適用申請
<メリッツ金融G 伽額貸付>
投資ファンドでここ2年間で急成長してきたメリッツ金融グループは1兆2000億ウォンの融資残を抱えている。不動産を担保に資金回収の見込みがあるとしているが、現実からはなかなか難しく、個人投資家の場合の救済の道は、ほぼないとみられている。
<発行債券>
★ホームプラスは「ABSTB」や「CP」は証券会社が販売したもので、当社とは無関係」との立場を示しているが、企業再生手続き申請の直前までCPを発行していた点が問題視されている。2月25日にもCPを発行し、申請の1週間前まで資金調達を続けていた。
未払いとなった期日到来のABSTBはすでに約4000億ウォンに達し、そのうち3000億ウォン以上が個人および法人投資家に販売されていた。個人投資家に最大数千億ウォン規模の損失が発生する恐れが出ている。
個人投資家は購入債券の金利が高ければ飛びつく習性がある。
<現場への支払い>
3月16日、MBKパートナーズのキム·ビョンジュ会長がホームプラスに物品を納入する小商工人が円滑に決済代金を支給されるようにHPに提供すると発表した。
<懐疑の目・・・MBKの買収>
日本でも大展開の韓国系投資ファンドMBKパートナーズ
もともと、2015年に、ホームプラスを7.2兆ウォンで買収したMBKは、うち5兆ウォンをホームプラス名義で融資を受けていたことが判明。 また、「売場の収益」と「優良店舗売却(約20店舗)」で買収のための借入金を返済していたことが判明している。(買収後の優良店舗売却は、インポの日本では問題にならないが、韓国では大騒動になる)
また、MBKパートナーズはホームプラスに関連したファンドを運用し、1兆ウォンの成果報酬を受け取っていたとの報道もある。信栄証券の組んでいたのだろうか。
今は債権詐欺発行疑惑まで発生、MBKが、ホームプラスの破綻に至らしめたすべての責任を取り、収拾を付けるべきだとの韓国の報道もある。
ホームプラスは3月6日現在の現預金は3060億ウォン、3月に入る現金3000億ウォンの計6000億ウォンとなっている。
<LG取引停止、ロッテ出荷停止・・・>
法定管理になっても支払い遅延や未払いの懸念が、取引先の判断に影響を与えており、多くの企業が今後の対応を協議しており、LG電子は6日、ホームプラスへの製品出荷を一時停止し、サムスン電子も新規供給を止めている。一方、ロッテウェルフードや東西食品などの大手食品メーカーも新規納品を停止し、中小食品会社も様子を見ながら対応を検討している。
3月14日、ホームプラスは、商取引債権のうち3400億ウォンを償還し、残りも返済すると述べている。
ただ、今後については、HPの主要経営陣はMBK人材であり、法廷管理者がよほど力を持たない限り、なかなかまとまらないだろう。
大負債被害のメリッツ
メリッツ金融グループとMBKパートナーズは情報開示問題も含め水面下で大喧嘩することだろう。
負債比率は1400%と報じられているが、MBKは財務内容を開示せず、総資産、総負債、総借入、業績推移などまったく明確になっていない。こうしたホームプラスのような大企業は日本のような「決算公告」を義務付ける必要があろうか。債券販売のための証券会社の虚偽説明を見破ることができる人もいるだろう。
善意解釈
※店舗数から見てMBKになり、メリッツ金融Gなどから巨額借り入れを実施し、店舗を倍増させたとも見られる、2009年240店舗⇒2023年460店舗。そこに新コロナパンデミックが襲来し消費不況が直撃、その後は物価高・金利高・内需不振の消費不況が続き、ホームプラスの売上高の回復が大幅に遅れたものとも見られる。