【飲食業】

倒産件数の特徴：個人経営・中小チェーンの閉店ラッシュ
背景要因：

・コロナ禍からの回復局面で賃料・原材料費が高騰

・インバウンド頼みの業態が多く、リピーター化に失敗

・ 人手不足による営業時間の短縮やサービス低下が顧客離れに直結

一言まとめ：
「回復」の波に乗れず、コストと人手の板挟みに。
 

【建設・工事業】

倒産件数の特徴：地方の中小施工会社に集中
背景要因：

・資材費高騰と納期遅延で赤字案件が続出

・公共事業の入札競争が激化し、利益率が低下

・元請け企業からの支払い遅延や圧力

一言まとめ：
建てるたびに赤字。“受注しても苦しい”時代に突入。

【小売業（アパレル・雑貨含む）】

倒産件数の特徴：地域密着型店舗やEC進出に遅れた企業が多い
背景要因：

・円安による仕入コスト増加と価格転嫁の困難さ

・ECシフトに乗り遅れた企業の淘汰が加速

・顧客ニーズの細分化・トレンドの短命化に対応できず

一言まとめ：
「近所の店」より「スマホの店」…消費行動の変化に敗れた。

【運送・物流業】

倒産件数の特徴：地方の運送業者や下請けドライバーが中心
背景要因：

・2024年問題（ドライバー労働時間規制強化）の影響が本格化

・燃料費高騰と人件費上昇のダブルパンチ

・荷主からの価格交渉が困難、利益構造が崩壊

一言まとめ：
「運べば運ぶほど赤字」な現実。

【宿泊・観光業】

倒産件数の特徴：観光地の老舗旅館や中小ホテルに集中
背景要因：

・インバウンド需要の回復に人手が追いつかず

・設備投資を行った矢先の経費増と客数不安定

・若年層の「旅行離れ」と選択肢の多様化

一言まとめ：
客は戻った。でも、人も資金も戻らなかった。

コスト高＋構造転換に耐えられなかった企業たち

これらの業種に共通しているのは、「急激な環境変化」に柔軟に対応できなかった点です。コスト構造の見直しや業態の再構築、人材戦略の見直しを先送りしていた企業が、相次いで市場から姿を消しています。

今後も企業経営には“環境変化耐性”が求められそうです。特に2025年後半以降は、ドル円・金利上昇・消費税増などのリスクも視野に入れた備えが必要となるでしょう。