トヨタ、関税と円高に直撃され業績下方修正 "それでも強い"が試される年に
トヨタ自動車が発表した2026年3月期の業績見通しは、純利益が前期比44%減の2兆6600億円へと大きく下方修正された。これまでの予想は3兆1000億円だっただけに、インパクトは小さくない。為替の円高に加え、米国の自動車・部品への関税強化が利益を大きく押し下げている。
今回の想定では、通期の関税による影響は1兆4000億円に上るとした。うち車両本体で1兆円、部品会社との関係も含めた部品分で4000億円。現地での生産比率を高めているとはいえ、なお輸入車比率の高い米国市場では、こうしたコスト負担は避けられない構造的リスクだ。
一方、円高の影響もじわじわと効いてくる。トヨタは通期で約7250億円の減益要因になると見込んでいる。さらに、EVやソフトウェア分野への成長投資、人材育成などの“未来への支出”も今期の利益を4700億円ほど押し下げる見通しだ。
とはいえ、すべてが悪材料というわけではない。4〜6月期の売上高は前年同期比4%増の12兆2533億円と堅調で、生産の正常化も進む。ハイブリッド車(HV)の販売が伸び、車種構成の良化や機能向上による値上げなどで利益を支える構図もできてきている。
ただし、それらの増益要因を持ってしても、関税と為替の影響をすべて吸収するには至らなかった。4〜6月期の純利益は37%減の8413億円、営業利益率は前年の11.1%から9.5%に低下。これでもなおフォルクスワーゲンの約2倍という高水準ではあるが、トヨタらしい「圧倒的強さ」はややトーンダウンした印象もある。
市場の反応もそれを映すようだった。決算発表後にトヨタ株は乱高下し、終値は前日比2%安。短期的な不透明感に市場は慎重な構えを崩さなかった。
トヨタは今後、関税コストへの耐性を高めるべく、現地生産・開発の強化や取引先との連携を深める方針を示している。「攻め」と「守り」をどう両立するか。世界トップの自動車メーカーの真価が、まさにこれから問われる。





