ソニー、米関税リスク下でも最高益更新 だが"成長の質"に不安も
ソニーグループは8月7日、2026年3月期の連結業績予想を上方修正し、本業のもうけを示す営業利益を従来の1兆2800億円から1兆3300億円へ、純利益を9300億円から9700億円へと引き上げた。修正の背景には、米関税による営業利益の押し下げ額が、想定より小幅にとどまったことがある。
しかしこの上方修正には、やや気になる点もある。売上高見通しは据え置きのままで、利益改善の要因はあくまで「コスト側」や「外部環境の変化」によるもの。足元の成長は、構造的な収益拡大ではなく、地政学的リスクの読み違いによる“繰り上げ益”にすぎないとの見方もできる。
スポンサーリンク
25年4~6月期の連結純利益は前年同期比23.3%増の2590億円と、4〜6月期として過去最高。営業利益も36.5%増の3399億円と絶好調に見えるが、利益の大半はゲーム・半導体事業に偏っている。音楽や映画といった他のセグメントは、円安効果を除けば伸び悩みが見られ、グループ全体としての成長のバランスにやや陰りも。
また、米中関係の不安定さは続いており、関税リスクが再燃すれば、業績は再び修正を迫られる可能性もある。実際に、CFOの陶琳氏も「複数のシナリオを持ち注意深く見極める」と慎重な姿勢を崩していない。
ソニーは依然としてグローバル市場で高い存在感を持つが、現在の好業績は「外部環境の追い風」に支えられた部分が大きい。今後は、エンタメ・半導体・金融の三本柱をどこまで内発的な成長軌道に乗せられるかが問われる。
[ 2025年8月 8日 ]
スポンサーリンク





