東電HD、過去2番目の赤字 廃炉費用9,000億円超で財務に重圧
東京電力ホールディングス(HD)は7月31日、2025年4~6月期の連結決算で、最終赤字が8,576億円に達したと発表した。前年同期の792億円の黒字から一転し、福島第一原発の廃炉作業に関する特別損失9,549億円の計上が主因。四半期としては、東日本大震災直後の2011年1~3月期(約1.4兆円)に次ぐ巨額赤字となった。
特別損失のうち9,030億円は、1~3号機の燃料デブリ(溶融核燃料)取り出しに向けた追加作業費用。3号機では放射線量の低減範囲を拡大するなど計画を見直した結果、構造物の撤去や調査の必要が生じた。1、2号機も同様の作業が必要とされ、本格的なデブリ取り出しは2030年代初頭から37年度以降にずれ込む見通しとなった。
これにより東電HDの純資産は2兆8,613億円へと減少し、自己資本比率は3月末から5.8ポイント低下して19.3%に下落。財務体質への影響が表面化しており、今後の資金調達や設備投資にも制約が懸念される。
東電はこれまでに約7,000億円を廃炉費用として積み立ててきたが、今回の追加費用によって見積もり済みの廃炉費用は全体の半分を超えた。政府は廃炉費用を総額8兆円と試算しているが、工法や設備が未確定であるため、今後さらに膨らむ可能性が高い。
東電HDの山口裕之副社長は会見で「当面の費用は今の積立で対応可能」と説明し、赤字計上は「廃炉の進捗を示すもの」と述べた。ただ、原発再稼働の見通しも立たない中、事業の持続性と財務健全性をどう両立させるのか、東電には難しい舵取りが求められる。国や規制当局も、「原子力の終わらせ方」に正面から向き合う時期にきている。





