米停戦条件11項目 イラン拒否 交渉は継続と 米兵力増強中
トランプとしては仕掛けた戦争、停戦するには名分が必要、そのため、国民受けするようにハードルを高くした条件を突き付けた。しかし、イランにとってはギブアップと同然の条件の内容となった。トランプにとって、こうした停戦条件を突き付けることで、原油相場を鎮静化させる大きな役割も持たせている。
一方、相手と交渉しているさなかに一方的に奇襲攻撃を受け、親分や幹部たちを爆殺されたイランは、敗北を意味する内容の停戦条件を承諾することは子分たちにとっても不可能なこと。
その親分こそはイラン人の90%が信仰するイスラム教シーア派(世界に1.5億人の信者)の最高指導者であり、戒律を重んじる宗教でもある。教会へ盆暮しかいかないキリスト教の・・信者たちとは・・が異なる。
イランへは、米軍は上陸作戦を計画しており、ガザと同じでイラン人は10万~50万人死亡しようが、米兵の犠牲者は増加し続け、トランプは抜きっぱなしの刀に鞘をなくしてしまい、引っ込みがつかなくなる。
トランプ政権はイランに対する停戦条件として
①核能力解体
②核兵器放棄の約束
③イラン国内ウラン濃縮全面禁止
④60%濃縮ウラン450kgを国際原子力機関(IAEA)に移管
⑤ナタンズ・イスファハン・フォルドゥ核施設解体
⑥IAEAに完全なアクセス権・監督権付与
⑦地域代理勢力戦略放棄
⑧代理勢力支援中断
⑨ホルムズ海峡自由通行
⑩ミサイル射程・本数制限
⑪自衛目的限定ミサイル運用
の11項目の条件を要求していた。
その見返りに、米国はイランに対して
①国際社会制裁全面解除
②米国、ブーシェフル原子力発電所の発電など民間核プログラム支援
③イラン合意違反時自動制裁復活(スナップバック条項)廃止
の3項目。
イランも逆提案4項目、
①ホルムズ海峡の封鎖解除条件として通航料を徴収すること。
②制裁の全面解除
③湾岸諸国にある米軍基地の閉鎖(革命防衛隊)
④今回の米・イスラエルの攻撃に対する賠償要求(革命防衛隊)
を提案している。
なお、イラン側は完全拒否ではなく、今後も検討するとしている。
先般の48時間の最後通牒、翌日には撤回、その真意は、米国が電力インフラを攻撃すれば、イランは湾岸諸国の電力インフラや海水淡水化プラントを報復攻撃すると警告、先立ってイランの南パース海底ガス田の生産施設をイスラエルが米承認の上で攻撃破壊、イランは報復にカタールのLNG生産施設(カタールのLNG施設は米メジャー)を攻撃、1発が迎撃できず命中、カタールのLNG生産量が17%喪失、向こう5年間損なわれ約200億ドルの損害になるという。
イスラエルや湾岸諸国はこれまで大量のシャヘドドローンやミサイルが飛来し、大量の迎撃ミサイルを発射、どの国も在庫に事欠き始めている。
鉄壁のアイアンドームを持つイスラエルでも迎撃率が悪化しており、PAC3を使い果たし、性能が落ちる2や国産・ほかの国の迎撃ミサイルを使用しているのではと指摘されている。PAC3は年産800本/5年間で4000本/米レイセオン社製・・・数に限りがある。
韓国配備のTHAADもすでに中東へ移動させているが、生産本数は少なく米軍基地用に使用しているものとみられる。
こうした状況下、イランがそうした施設に報復すれば、水も電力も枯渇し幽霊都市にならざるを得なく、トランプは急遽、交渉カードを取り出し5日間の延長を図ったともいわれている。
米国はイランとの戦争終結、および核開発プログラムを巡る交渉に向け5日間電力インフラ攻撃の延期を表明、さらなる交渉で1ヶ月の停戦を目指していたが、イスラエルはこの間もイランに対して激しい爆撃やミサイル攻撃を行っており、米軍も中東へ軍の増強を続けている。
最初から交渉中のだまし戦術の奇襲攻撃からスタートしたイラン戦争、トランプによる原油市場に対するフェイクパフォーマンスとも見られている。
4週目に入る米イスラエルが仕掛けたイラン戦争、米経済と世界経済に深刻な打撃を及ぼす中で、停戦を模索する幾許かの今回の動きは、戦争の出口を探るトランプ米政権の意欲なのか、原油市場向けのパフォーマンスなのか・・・・。
米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところでは、15項目の停戦案は、戦闘終結に向け仲介に意欲を示すパキスタン経由でイランに送られたという。
同紙によれば、この停戦案がイラン当局者の間で、どの程度広く共有されているか、交渉のたたき台として同国が受け入れる見通しかどうかは明らかではない
(イラン政府や軍幹部たちは会合や通話は諜報されており、居場所さえ特定され、殺害される)。
今回の停戦15条件は、イラン側はほとんど飲めない項目ばかり、トランプによる原油市場を冷やすためのポ―ズの見方もなされている。それは中東へ米軍を増派し続けていることもポーズを裏付けているようだ。
2月28日のイラン急襲も土曜日で市場は休みだった。それ以降、トランプの過激な発言で原油価格が高騰、トランプは必ず、沈静化の事象を市場へ提供し、原油価格を下げている。自作自演。
頭に血が上り48時間の最後通牒をした時も、原油価格が再び100ドル台に達し、トランプはすかさず、5日間の延期を持ち出し、原油価格を押し下げた。
イスラエルのチャンネル12によると、ウィトコフ米中東担当特使とトランプ大統領の娘婿のユダヤ人のクシュナーが停戦案に関与しているという。
イスラエル側は、同案に懸念を抱き、イランが条件を受け入れる可能性は低いと考えているという。
以上、
トランプの米国民向けの硬軟両様作戦、内容はどうであれ停戦を提案したこと自体が人気回復に役立ち、原油価格も下がり、ガソリンの高騰も下がり、支持率も回復してくる。
しかも、その停戦条件の内容からして、イランが断ったとしても、人気の落ち込みはさほどではないとみているのだろう。
ただ、イラン戦争が続けば、原油高は100ドルを軽く超過してくることから、ガソリン価格も現在の45%高(2/27日比)がさらに上昇し、現実の支持率はさらに大幅に下落する。
MAGAも含めた米国民の間でイラン戦争反対派は6割いる現実、ガソリン価格のさらなる高騰により戦争反対派はさらに増加し続けることになる。
急先鋒のヘグセス(国防長官)とは、
FOX-TV司会者出身、軍経験はアフガン・イラクの帰還兵とされるが、陸軍州兵の歩兵部隊、幹部でも何でもない1兵卒出身。現場の帰還兵特有の異常さが前面に出て狂った状態なのだろうか、妻や元妻などに対する暴力行為のスキャンダルも多々ある人物。13才少女売春容疑(エプスタイン捜査資料に掲載)のトランプと何かしら共通点があるようだ。
CNNは、
イラン側は交渉役にヴァンス副大統領の名を非公式に上げているという。これまで米-イランとの核協議をオマーン政府の仲介で行ってきたトランプ政権のウィトコフ中東特使とトランプ大統領の娘婿のユダヤ教徒でユダヤ人のクシュナーの2人については、交渉中に米とイスラエルから奇襲攻撃を受けており、「イラン側は信頼関係が損なわれた」としているようだとしている。
・・・
ヴァンス副大統領はイラン戦争の長期化の反対派(立場上内心)であり、トランプ氏も「私たち(ヘグセス含む)と少し(考え方が)違うようだ」と認めており、ヴァンス氏も挨拶や講演でイラン戦争に触れないようにしており、先般のホワイトハウス内の会合でもヴァンス氏は「トランプ大統領はイランでよくやっている」と抽象的な誉め言葉で濁らせ、それ以上言及しなかったという。
トランプが停戦を本気で考えるのならば、交渉役にヴァンス氏を指名するだろうが、中東に戦力の増強を続けており、イケイケどんどんのヘグセス=マードックのFOX組を抑え込むことができるのか、好戦者に変容したトランプは難しい選択を迫られることになる。
ヴァンスはMAGA母体、28年の大統領候補と目されているが、交渉役になるには、トランプから全権を授与されない限り、トランプ一流のどんでん返しがいくらでもあり、28年の大統領候補どころか、用済みで現在の副大統領職自体も危うくなるリスクがある。
CNNの3月16日の報道では、ヴァンス氏は記者団に対し、「期待に添えないのは嫌だが、あの機密(ホワイトハウスの危機管理室をさす)の部屋で正確に何と言ったかを大っぴらに話すようなことはしない」とコメントし、さらに「一つには、刑務所に行きたくないからだが、もう一つには、大統領は側近が米国メディアにべらべらしゃべるのを心配せず、側近と話をできることが重要だと思うからだ」と続けた。
(ヴァンス氏が自らの見解を表明することがどうして犯罪になるのかは不明。ヴァンス氏に投げかけられた質問は、トランプ氏への助言に関する一般的な内容で、機密扱いされる類いのものでは全くなかった)。奇妙な受け答えではあるが、ヴァンス氏がいかにこの話題を避けているかをまざまざと示すものであったと報じた。
ヴァンスは、昨年9月10日ユタバレー大の野外で講演中に暗殺されたチャーリー・カーク氏(MAGA代表格の一人/Turning Point USA代表))とは友人関係で、ヴァンス上院議員をカーク氏は支援し続けていた。Turning Point USAの代表は妻が承継しヴァンス支持を表明していた。
MAGA内では昨年6月のイラン攻撃の際、MAGA代表格の一人、熱烈なトランピアンとして知られている共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(女性議員)が、政府が取り組むべき課題は「外国での新たな戦争に突入することではない」と訴え、「安いガソリンや住宅、安全な地域社会や良質な教育の実現を重視すべきだ」としてイラン攻撃を批判していた。
こうした批判に対してトランプは苛立ちMAGAを口撃していた。
MAGA内にはこうしたイラン戦争反対派やトランプ氏のエプスタイン問題を取り上げる組織もあり、MAGAはトランプ2政権誕生の立役者ながら、決してトランプ氏に忠誠を誓った存在ではない。MAGAは燃えやすい若手保守団体の集合体ともいえるが、それぞれは目標を持ったしっかりした考えの組織であり、決して侮れない。
名称は1979年に景気悪からの失業問題によりつくられ、1980年にレーガンが大統領選に利用、1992年にはクリントンも使用していた。今ではレーガン政権を象徴する標語として知られているが、組織が続いてきたわけではない。
トランプの2枚舌3枚舌は米国では力により通用しようが、世界で通用するものではない。力で世界各国を捻じ伏せたものの、今ではイラン一国に手を焼いている。
この間、欧州の近親者たちがトランプから遠ざかり続けている。
ヘグセス国防長官の意向でのイラン攻撃、次はキューバが浮上
ルビオ国務長官(キューバ人/革命時、親がキューバから逃れ米国逃避)の意向に基づき、すでに実質海上封鎖、原油の輸入をストップさせるなど攻撃準備は万端、軍を司るヘグセスにとって得意の奇襲攻撃でもなんでもありで、巨大MOAB爆弾による国家元首らの殺害や無条件降伏を強いるのだろう。モイネロのお母さんが心配だぁ。
トランプは24日、イラン攻撃を最初にトランプに熱心に進言し続けたのは、ヘグセス国防長官だったと述べている。
そのヘグセスは3月4日の記者会見で、
「戦闘機が(イランの)上空で一日中、死と破壊をもたらすだろう」、
「初めから公正な戦いをするつもりもなかったし、今も公正な戦いではない。われわれは彼らが倒れたところに追い打ちをかけており、当然、そうしなければならない」
「われわれは攻め続ける。敵には容赦せず慈悲も与えない」と述べている。
緊急性がないにもかかわらず、奇襲攻撃を正当化させる発言。ヘグセスは「惨状を楽しむ悪魔」と評せられているが、それが超大国のアメリカの国防長官であり、米国が、世界が異常な世界に突入していることを確認させられている。前職はfoxニュースの司会者のヘグセス、FOXの所有者でメディア王のマードックの家来、マードックはイラク戦前、頻繁にトランプと連絡を取っていたことが、ホワイトハウスに記録されているという。それによると、もう一人頻繁に連絡していた外部者はネタニヤフだったと記録に基づき報じられている。
追加、
米軍、軍隊戦力大増強
★沖縄岩国海兵隊計5千人
沖縄岩国基地の海兵隊員(沖縄所属の第31海兵遠征部隊2200人+)および要人殺害専門の特殊部隊など計5千人余りと岩国のF35Bを搭載し、急襲揚陸艦トリポリおよび同行しているドック型揚陸艦ニューオーリンズが3月27日までに中東に到着する。
★空挺部隊3千人も投入へ
米ヘグセス国防相は23日、「18時間以内に投入可能な陸軍最強鋭の速応部隊である第82空輸師団部隊(IRF/降下部隊)約3千人を投入し、イランのカーグ島を掌握する案を検討中だ」と報じた。正式に中東への出撃命令を下している。
(カーグ島は小さく、目的は降下部隊によるイランの大地への上陸作戦だろう)
★米海兵隊員2200人も投入へ
強襲揚陸艦「ボクサー」の水陸両用即応群と2200人規模の第11海兵遠征隊部隊を中東地域に向けて追加派遣している。別途軍艦2隻も同行している。中東到着には3週間を要する。ただ、4月半ばには戦線へ投入できる。
中東駐留米軍については、2020年当時の米議会記録では次のように記録されている
現在の兵数は不知。
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中東駐留米軍/2020年米議会報告版 |
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トルコ |
1,700 |
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シリア |
500~1.000 |
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イラク |
5,000 |
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ヨルダン |
3,000 |
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クウェート |
13,000 |
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バーレーン |
7,000 |
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カタール |
10,000 |
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UAE |
5,000 |
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サウジ |
3,000 |





