アイコン 続 韓国堤川火災 ドライビットとピロティ構造

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21日午後3時53分ころ発生した韓国中部の堤川市のスポーツセンターの火災により29人の死者が発生した建物は、ドライビット工法とピロティ構造で2011年に建てられていた。

消防当局などによると、当火災は、1階の駐車場で作業員が、天井の金属性の熱供給管の補修作業をしていた溶接の火が、1階天井のドライビットのウレタンに引火、まず、天井で燃え広がり、燃え殻が駐車中の車に降り注ぎ、車両火災を引き起こす一方、5分もしないうちにドライビット工法の壁を伝い、全体を炎が包み込んでいったという。
内部も1階入口から炎や有毒ガスが2階へ吸い込まれるように広がり、サウナがある2階では20人が有毒ガスで死亡、また、有毒ガスを発生させる可燃物が多くあるジムの6~7階で9人が有毒ガスなどで死亡していた(樹脂製の各種ジム機器かどうかは不明)。

建物の外壁は、火災に脆弱な「ドライビット」工法で施工されていた。
石や正規のタイルで外壁を工事するよりも費用が50%以上安く、断熱性も高く、工期も約半分に短縮されるため建築主が好んで利用している建築工法とされる。
しかし、引火性が強くて燃えると有毒ガスを発生させる発泡ウレタンなどで構成されており、火災発生時には非常に危険な工法。

2015年、韓国・議政府でのマンション火災の惨事でもドライビット工法で建てられた。当時、政府は議政府惨事をきっかけに6階以上の建物は燃えない外部の仕上げ材使用を義務化するように建築法を改正した。
ただし、法改正前に建てられた建築物には適用されず、2011年に建てられた堤川スポーツセンターも対象ではなかった。

今回の惨事は外壁がない柱だけの1階を駐車場に使用するピロティ構造だったという点も議政府の惨事と似ているという。
四方が開放されたピロティ構造により1階の出入口が唯一の出口になるが、1階の駐車場で最初に発生した炎と有毒ガスが1階出入口を防ぎ、1階の出入り口から外気を引き込み、炎や有毒ガスを2階部分に一気に引き込み、2階のサウナにいた客は有毒ガスでほとんどが死亡した。

事実かどうか不明だが、非常口が施錠されていたという脱出者の話も報道されていた。
1階からは逃げられず、上階にいた人たちは、民間のクレーン車、ハシゴ車、ヘリコプターで救出され、地上に敷かれたマットに飛び降りて助かった人もいたという。
以上、

1階が駐車場のピロティ方式のマンションは日本にもよくあるが、耐力壁がない分、地震には非常に弱い構造の工法でもある。東日本大震災や熊本地震でその脆弱性が立証されている。

以前、低層の賃貸マンションの工事にかかわった際、タイルの裏面に発泡スチロールを貼った外壁材が外装に用いられていた。現場所長は海外からの輸入品で安く、工期も短くて済むと話していた。見た目はタイル貼りの高級そうな5階建賃貸マンションに出来上がったが、こうしたリスクがあるようだ。そうしたことを施主へ説明していたかどうかは不明。
 

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[ 2017年12月23日 ]

 

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