アイコン ルノーサムスン 日産委託車ローグロ来年9月終了

 

 

ゴーン会長の采配で、日産は米国で人気のSUVローグをルノーサムスンで生産していた。ゴーン氏は1999年6月から2017年4月まで日産のCEOであり、また、2005年からはルノーのCEOも兼務していた。

しかし、ルノーサムスン(80%ルノー所有/サムスン自動車が不振で売却したもの)が、2013年販売不振から経営不振に陥った。そこでゴーン氏はCEOとして日産
のローグ(輸出専用)をルノーサムスンで生産させ、同社の経営を安定させることにし、2014年から同社でローグを生産するようになった。同じく、フランスでも工場の生産台数が落ちている工場に日産の商用車を生産させ、軌道に乗らせた。

こうして、日産は、ルノー工場に委託生産するということでもルノーに貢献してきた。
ゴーン氏は日産の再建の実績からルノーのCEOに上り詰め、ルノーの経営悪化は断じて許されるものではなかった。日産は自らのモノ、超ワンマンCEOという立場を利用して、日産に生産を委託させたのが、実態であろうか。

ルノーサムスン自動車の生産台数の半数、輸出台数の70%以上を占めるスポーツタイプ多目的車(SUV)「日産ローグ」が来年9月に生産を中止するという。

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日産ローグは、赤字転落して経営危機説まで出たルノーサムスンの経営を安定させた「親孝行モデル」だった。

ルノーサムスン関係者は11月30日、「本社と協議の末、釜山工場の日産ローグ生産を2019年9月に中止することにした。残り10ヶ月間で日産ローグに代わる生産台数を確保するため、交渉を続けていく」と語った。

しかし、新規台数を割り当ててもらっても、車種が変われば生産ラインの整備が必要なため、数ヶ月間は工場稼働に支障が出る可能性が高い。

ルノーサムスン釜山工場は、2014年8月から米国輸出用の日産ローグ生産を委託され、同社の売上高は、同年3兆9743億ウォン(現在のレートで約4021億円、以下同じ)だった売上を2015年は5兆183億ウォン(約5077億円)とし、その後も毎年売上高を増やして、昨年は6兆7094億ウォン(約6788億円)を記録した。

 昨年の時点で、日産ローグはルノーサムスンが生産した車両26万4037台の46.7%(12万3203台)を占めており、今年1~10月には生産台数の47.7%(9万935台)を占めるほど比重が大きい。ルノーサムスンの輸出台数でも70%以上を占める。同社は2014年以降、今年11月までの4年間で50万台超を委託生産している。

問題は、来年9月に日産ローグの生産が中止されれば、ルノーサムスンの自動車生産台数が急減する。
同社を取り巻く状況も良くない。

2013年にルノーグループ内の生産性順位25位だった釜山工場が、日産ローグ生産契約を結ぶことができたのは、ゴーン氏さま様だった。

しかし、そのゴーン氏が日本で逮捕され、神通力を失うことになる。

ゴーン会長は11月20日、50億~90億円(2010年から今年まで)を所得申告していなかったとして日本の検察に逮捕され、ルノー・日産のアライアンスも亀裂の兆しを見せている。
このため、業界では「ルノーサムスン釜山工場に対する日産ローグ委託生産契約が満了すれば、延長は難しいかもしれない」という推測が流れている。
 ルノーサムスン側は同日、「日産ローグの契約期間(5年)終了に合わせて新たなSUVを生産ラインに投入する案をルノー本社と緊密に協議しており、遅くとも20年初めまでには追加台数を確保することになるだろう。
数年前からルノー日産と新モデルを研究・開発してきたので、デザインやブランドなどが最終決定すれば、新車種投入に問題はないと思う」と語っている。
  以上、韓国紙報道

あれやこれやで、日産の営業利益率はルノーより大幅に悪化している。委託生産のほか、ゴーン氏も世界一になるチャンスとばかりにVW並みに売れ売れの大合唱、フリート(リース会社などへの大量販売)販売やインセンティブ販売を積極化させたことも、日産の営業利益率の悪化を招いている。

ルノーグループの営業利益率は6.38%(今年1~6月中間期)/前期は6.60%
2017年期の売上高は14.7%増の587億7000万ユーロ、営業利益は17.4%増の38億5400万ユーロ(48億4000万ドル)、純利益は49.6%増の51億1400万ユーロ。配当は12.7%引き上げ1株当たり3.55ユーロだった。

一方、日産(連結)の営業利益率は3.80%(今年4~9月中間期)
2018年3月期の営業利益率は4.80%でうち米国は3.10%(159万台で全体の27.6%)。前々期の営業利益率は6.33%であったことから、昨年大幅に落とし、今年も大幅に落としていることになる。
ゴーンとしては、ルノーは米国で販売しておらず、日産に対して大量販売できる米国でフリート販売やインセンティブ販売を強化させ、世界ナンバー1の販売台数の勲章を手に入れたかったものと見られる。
しかし、これは、西川社長ら日本勢の役員たちが賛同しているかどうかも不明である。なぜならば、ローグという米国主力SUVをルノーサムスンに委託生産していることからも窺い知れよう。米国での生産台数は、前期は前々期より15万台近く落ちている。

ゴーンのことだから、生産委託の問題のほか、日産の配当にも口を出し、コンサル料などいろいろな項目を付け日産からルノーに還元させているものと見られる。
ゴーンはルノーの利益を上げ、配当を高くすることでCEOの延命が図られる。今年6月がCEOの改選だった。当然配当増額で改選されている。

マクロン大統領がさらにルノーに介入して、ゴーンが保釈されれば、ゴーンをルノーのCEOに復帰させることだってやりかねない。その時には、西川日産社長も腹を括ることだろう。さらばルノーよと。

↓ ルノーサムスン・世界販売台数(ローグ含む)
2014年~15年9月に10万台、16年5月に20万台、17年2月に30万台、17年12月に40万台を達成し、11月27日には生産開始から4年で生産台数50万台。

 

 

ルノーサムスン世界販売台数推移
 
販売台数
前年比
 
2012年
154,309
 
2013年
131,010
-15.1%
2014年
169,854
29.6%
2015年
229,082
34.9%
2016年
257,345
12.3%
2017年
276,808
7.6%
2018年 ルノーサムスンの販売台数推移
 
2018年
2017年
前年比
1月
21,847
20,256
7.9%
2月
15,994
20,582
-22.3%
3月
27,059
25,281
7.0%
4月
23,096
22,444
2.9%
5月
16,101
20,517
-21.5%
6月
21,921
26,815
-18.3%
1~6月
126,018
135,895
-7.3%
7月
18,565
23,295
-20.3%
8月
12,733
19,469
-34.6%
9月
14,582
26,182
-44.3%
10月
18,630
19694
-5.4%
7~10月
64,510
88,640
 
11月
 
 
 
12月
 
 
 
1~10月
190,528
224,535
-15.1%
 


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[ 2018年12月 3日 ]

 

 

 

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