アイコン ソフトバンク 4200億円の申告漏れ ARMの評価損後のVFへの売却

 

 

ソフトバンクグループ(SBG、東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、約4200億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。2016年に約3兆円で買収した英国の大手半導体会社ARMの株をめぐって巨額の損失を計上したが、同国税局は損失額の一部を認めなかった模様。すでに修正申告したという。
数千億円規模の申告漏れは極めて異例。

日本IBMが約10年前に約4千億円の申告漏れを指摘(後に最高裁決定で課税取り消し)された例があるが、今回はそれを上回り過去最高額とみられる。ただ、修正申告後も損失が上回っていたため、追徴課税はなかったという。
SBGは2016年9月、英ARMを240億ポンド(約3兆3千億円)で買収した。

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SBGは2018年、前年5月に設立した10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)にアーム株の一部を現物出資した際、取得価格と時価評価額の差にあたる約1兆4千億円の損失を計上したという。
だが、同国税局は、SBGがSVFに相当額を出資していることなどから、損失額の約30%について計上を認めず、約4200億円の申告漏れを指摘した模様。
 SBGは取材に対し、「損金算入の時期で見解の相違があり修正申告した。約4千億円は2019年3月期の損金に算入される。所得隠しのような脱税に関わるものではない」としている。
以上、

ビジョンファンドにARM株を安値で現物出資し、サウジの皇太子様を大喜びさせる作戦だったのか、ARM株全体でどれほど評価損を出したのだろうか。本体が利益が出ていることから、特に問題が発生したわけでもなく評価損計上しているが、利益が出ていなかったら評価損計上しなかっただろう。3.3兆円で購入したARMは、実際の評価額は▲42.5%減の1.9兆円だったことになる。上場株は、証券市場がバブル期には、評価額よりかなり高く買われる傾向にある。ARMも買収前は上場していた。そうしたことに起因した評価損だろう。

ソフトバンクグループはARMを
2016年9月末までに約240億ポンド(約3.3兆円)で全株式を買収することを発表し、同年9月5日に買収を完了した。

2018年、ARM株の25%をビジョンファンドに譲渡、そのときのビジョンファンドの簿価(買入額)は4677億円だった。本来、譲渡価格は8250億円だろうが、ソフトバンクは評価損計上してから譲渡したことから、売却額が43.4%ダンピングされていた。

2018年6月、中国のARM子会社の株式の過半数(持分51%)を中国政府系の企業連合に7億7520万ドル(約852億円)で売却した。売却してもパテントはすべてARM側にあり、使用料がARM側に入る。
(米国が中国による最先端企業の買収を、先進国に拒否させている中で、思い切った行動に出ていた)

2019年5月22日、BBC(英国放送協会)は、英半導体設計大手のARM(アーム)ホールディングスが、ファーウェイとの取引を停止するよう従業員に通知したと報じた。

事業家から投資家になってしまった孫さん。
 

 
[ 2019年6月20日 ]

 

 

 

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