アイコン 世界の造船業 中国大手2社合併 韓国も現代重が大宇を吸収統合

 

 

世界の造船業界が激変期を迎えている。
造船業大国の韓国と中国で相次いで大手造船会社の合併が進んでいる。
始まりは韓国だった。
現代重工業は3月に大宇造船海洋の買収を発表した。
中国の造船会社の合併のニュースはそれから4ヶ月後の7月に伝えられた。
中国造船1位の中国船舶工業(CSSC)と2位の中国船舶重工業(CSIC)の統合作業が始まった。
韓国と中国の造船会社の規模拡大競争が本格化したものとみることができる。

フィナンシャルタイムズは7日、「生き残りに向けた統合」という見方を示した。その上で、賈三鉉現代重工業代表とのインタビューで、賈代表は「(中国の造船会社が合併する場合)研究開発分野などで大きなシナジーが生まれるだろう」と予想した。「韓国でも経済規模に見合わず、大、中、小規模の造船所が乱立している状況」とし、造船所間の統合の必要性を強調した。

スポンサード リンク

フィナンシャルタイムズは、韓国と中国の造船業ビッグディールが、関連業界で新たな技術変化を率いる流れになるとし、来年から施行される「国際海事機関(IMO)2020基準」を照準にした代表的事例に挙げた。

IMOによると、来年1月から世界のすべての海域を運航する船舶燃料油の硫黄含有量を現行の3.5%から0.5%に引き下げなければならない。
これに伴い海運業界では、既存の船舶に硫黄酸化物低減装置を設置したり、硫黄酸化物含有量が少ない低硫黄燃料油や液化天然ガス(LNG)を燃料に活用する新たな船舶建造に乗り出している。

サムジョンKPMGの専任研究員は「IMO2020硫黄酸化物規制は新規建造船舶だけでなく既に運航している船舶すべてに適用される。規制をクリアするためには物理的な船舶改造以外の方法が存在しないため造船業界には大きな機会になるだろう」と話した。

中国船舶工業と中国船舶重工業は1999年に2社に分離されたが20年を経て再び合併する。
造船業界関係者は「中国造船所のビッグディールは韓国の造船産業牽制に向けたもの。中国政府が合併を主導しているのがその証拠」と話した。

中国の造船会社が合併する場合、資産規模は8100億元(12兆1146億円)に達する。昨年末基準で現代重工業と大宇造船海洋の資産はそれぞれ56兆1000億ウォン(約4兆8777億円)と12兆2000億ウォン。

中国造船所のビッグディールは韓国のLNG運搬船受注独占を狙ったものと見られている。英国のクラークソンリサーチによると、韓国は昨年世界の船舶発注量の44%を占め世界1位を7年ぶりに取り戻した。中国に奪われた造船業覇権を取り返した。昨年、世界で発注されたLNG運搬船の85%以上(52隻)を韓国の造船会社が受注して牽引した。

IHSマーケットの首席研究員は「少なくとも3年ほどはLNG運搬船の注文が増える可能性がある。ばら積み船建造に特化した中国がLNG運搬船分野では当分韓国に追いつくのは難しいだろう」と予想している。

英調査会社クラークソンによると、
2019年5月末の世界の手持ち工事量は8047万CGTで、前月比138万CGT減少。

手持ち造船工事量は、
中国が2947万CGT(37%)、
韓国が2112万CGT(26%)、
日本が1409万CGT(18%)。
韓国は2013年当時3000万CGTを軽く超えていた。
中国はリーマンショック後、受注不振から、政策により大量に造船会社を破綻させ、整理してきている。一方、韓国は僅かしか破綻させておらず、国が抱え込んでいる。
以上、報道参考

韓国は大型クルーズ船は造れない。中国は造ったが、三菱重工の例もあり、儲けたどうかは不明。
ただ、LNG船も5年すれば分からない。

大宇造船海洋は、韓国政府系銀行の産業銀行がこれまで傘下にし、産業銀行派遣の経営陣が巨額粉飾決算を露呈、これまで政府が支援して再建途上にある。
日本政府は、政府が支援した造船会社が安値で受注しまくれば、民間の競争を損なうとして、WTOに提訴していた。そうしたこともあり、今度は現代重工に大宇を抱えさせることにしたもの。
しかし、日本政府は、統合すれば世界市場で20%超の寡占造船会社になるとして反対する意向。韓国政府は、日本以外の造船国から合併承認を取り付け、最後に日本から承認を取る作戦に出ている。(中国は同国の合併を控えていることから賛成に回る可能性大)

2016年当時、韓国の造船ビッグ3社(現代+大宇+サムスン)は、海外では3社で受注合戦を繰り広げ、安値受注が災いして、完成し引き渡し段になり大赤字を露呈、銀行管理下になった。1年を経過し、選別受注強化で船舶の受注残量が大幅減少、一方、文政権の失業問題の対策から、金融機関にそのタガを外させ、3社は再び、安値で世界中から巨大新造船を取り捲っている。

ただ、今年は、米中貿易戦争の激化で、世界経済の荷動きが鈍化、海運会社からの新造船発注は大幅に減少(1~5月は昨年比▲38%減)し、韓国勢も大幅に受注を減らしている。

韓国の造船業も、かつて造船王国だった日本の技術移転により、今では世界ナンバー1の造船大国となっている。
日本の海運大手も日本の造船会社には発注せず、韓国勢に発注している。

韓国は、中小造船会社も乱立、潰せば、失業問題が浮上することから、政府が巨額の補助金と国など公共機関に船舶を大量発注させ延命工作を図っている。

当然、日本はそうした補助金は問題だとしている(中型船でも発注国が入札にかけ、韓国勢と日本勢は競合する関係にある)。

日本の造船業の再起は不可能か。
過去の大手は全滅、中堅どころが現在がんばっているが、日本の海運会社さえスーパーコンテナ船を韓国企業に発注するくらいだから、技術も蓄積できない状況。また、価格競争力も厚板を生産する日本製鉄の高価格体質による寡占化が、船舶の受注競争力を阻害している可能性もある。

やはり韓国の財閥系は、支持系統で無駄を省き、守銭道体質=利益最優先主義にしていることから決断も早く、一方、日本の旧大手は看板だけを背負ったサラリーマン経営者によるややこしい責任逃れの硬直化した巨大組織体質により敗退したものと見られる。親方日の丸の受注者の言いなりの価格の軍船発注なども高コスト体質を作る原因ともになっていた。
 

 
[ 2019年8月13日 ]

 

 

 

関連記事

 

 



PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ