アイコン レオパレス21 建築基準法違反の疑いの施工不良・大量発生 界壁パネル寸足らず

 

 

レオパレス21は29日、1996~2009年に施工したアパートで建築基準法違反の疑いがある施工不良が見つかったと発表した。
防火や防音効果を備えた住戸を隔てる壁の寸法が足りない問題が確認されている。

東京都内で記者会見した同社の田尻和人取締役専務執行役員は「当社に施工管理責任がある」と陳謝した。
下請業者に対する検査体制が十分ではなく、意図的な手抜き工事ではないと説明した。これまで検査した474棟で、確認された施工不良は計38件(発生率8.01%)という。

<4月27日発表分>
なお、レオパレスは4月27日、防火、防音に必要な住戸を隔てる壁に関して、「ゴールドネイル」および「ニューゴールドネイル」シリーズの一部の木造アパートで、建築確認通知図面と実際の施工内容が異なっていたと発表していた。
オーナーのこうした指摘により同社が、約1万5000棟のアパートを調べたところ、部屋の境界となる壁「界壁」が天井に達していなかったり、施工が不備と認められるものが合計200棟余り(発生確率約1.33%)に及ぶことが判明したという。

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界壁が、天井に達していないと隣の部屋に音が漏れやすくなるほか、防火上の問題がある。
同社では、対象の全3万7,853棟を2019年6月までに調査し、同年10月までに補修工事を完了させる予定。

また、補修にかかる費用は、2階建て計10戸のアパートで60万円程度だという。
レオパレス側は、施工に安全上問題ないと主張しているが、国交省などは建築基準法違反の疑いを指摘しているという。
以上、報道各紙参照

同社の建物はパネル工法、特に内装材は壁材に至るまでパネルが駆使されている。寸法や仕様のほか強度基準など規格化されている。すべて事前に建築基準法により国交省により検査を受け認可された統一規格の賃貸住宅である。

以前は、こうした壁材含む内装材のすべてをイビデンの子会社イビケンが大川市などの外注先で製造させ、全国へ現場ごとに納品させ、施工していた。ただし、現在は不知。

ということで、同社の建物は、現場で施工する工程が限られる。
1、現場の天井裏の界壁パネルに問題があったのか、
2、躯体工事の施工に問題があったのか
 4月27日の発表では、隙間だらけの界壁やまったく取り付けられていない界壁もあったという。
3、大工の問題か

1、については、工場生産する外注先が変わったりすれば、こうした製品問題が発生しやすい。天井裏の界壁パネルの寸法に問題があった可能性もある。採寸すれば判明する。
また、部材を混載して現場納品することから納品ミスも生じやすい。

2、躯体工事の境界壁パネル嵌め込み用枠材が図面どおり上がっておらず、図面どおりに製造された天井裏界壁パネルの施工を隙間などありながら補修もせず施工したままにした可能性も否定できない。これも現場を採寸すればすぐ判明する。

3、界壁パネルが取り付けられていないケースは、施工ミスでは片付けられない。
大工が意識して界壁パネルの取付工事をしなかったのか。
現場に界壁パネルが納品されていなく、取付工事をしなくてよいと勘違いして工事をしなかったのか。
  それにしても、問題物件数が多すぎ、大工のミスや勘違いとは考えにくい。

<発生させた施工業者が1社か複数かで原因も変わる>
発生させた施工業者が限られる場合、現場施工図面の読み違いか、別に間違った施工図面(俗に言う取り合いの漫画図面)を作成してしまい、間違ったまま、天井裏の界壁パネル用枠材の施工をしてしまい、その図面に基づき界壁パネルを施工し、隙間などの発生を無視したのか。

専属躯体工事業者も木立て業者も地域により業者数は限られ、それぞれが多くの物件を施工している。
最悪の場合、雇われ現場監督が、施工単価が安く、施工業者や大工が手抜きした可能性も否定できない。

<現場監督は現場の監督をしていたのか>
各建物には現場監督がいる。
しかし、何棟も一緒に監督することから、現場のこうした問題が報告されなかった可能性もある。ただ、監督も報告を受けたものの、天井裏を見ない限り分からないため、意識して隠蔽した可能性も否定できない。

それもこれも大量に問題建物が発生しており、現場で使用している建築施工図面そのものに問題があり、天井裏の界壁パネル用枠材施工に問題があったものと見られる。

実際、どこに問題があったのか、同社からは明らかにされていない。
また、5月11日に発表された3月決算では、後発事象として、こうした問題表記がなされていない。損害額が不明でも、決算に影響する場合、懸念される後発事象として表記することが求められているのだが・・・。

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[ 2018年5月30日 ]

 

 

 

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