再び1200ウォンに近づいてきた韓国売り
7月には日本の戦略物資3品輸出規制強化を受け1220ウォンまで暴落した為替相場も、その後規制の影響まったくなしに、また韓国銀行の介入もあり、1154ウォンまでウォン高に戻してきた。しかし、韓銀の努力もむなしく、外人投資家の売りに押され、再び1200ウォンに近づいている。
一方、7月以降、株価はマジノ線の2000ポイント割り込み、8月8日には1909ポイントまで叩き売られた。しかし、その後の買い戻しにより、2098ポイントまで回復してきている。
また、為替のマジノ線も対ドル1200ウォンを超過し、その後の買い戻しにより11月8日には1154ウォンまで買い進められた。11月8日から12月10日までに3%以上ウォン安になっている。
外国人投資家の韓国離れが尋常ではない。5日のソウル株式市場では外国人による売り越しが688億ウォン(約63億円)に達した。11月7日に始まった連続売り越し日数は、歴代5位の21営業日に達した。この期間に外国人による売り越しは累計で5兆ウォン超に達している。
(ただ、日本の年金投資機構が購入しているのか、韓国の投資家が買っているのか、その間、韓国の株価総合指数はそれほど下がっていない。日本の年金投資機構は7月現在7千億円前後韓国株の購入残があった。)
国株式市場から外国人が離脱するのは米中貿易戦争の影響だけでなく、半導体の業況改善が遅れるという見方も重なっている。外国人の売り越しが始まった11月7日以降、外国人はサムスン電子、SKハイニックスの株式2兆5000億ウォン相当を売り払った。
米国は北朝鮮の度重なる挑発に「ロケットマン」「武力使用もあり得る」との緊張を高めていることも韓国株式市場に悪影響している。
トランプ変数では、12月15日の追加関税の実行か否か、「中国との貿易交渉にデッドライン(最終期限)は設けていない」とし、大統領選挙後でもかまわないと発言、一方で自らの選挙にプラスとなる中国の米農産物輸入交渉も山場を迎え、10日になっても先が見えてこない。
ただ、外国人投資家は為替でも利益を出そうとすることから、1200ウォン台での購入、11月8日前後の1154ウォンを当分の底と見、売りに出た可能性もある。
また、1200ウォン台になれば、外国人投資家の株買いが入り、韓銀もウォン買いに入ることから、再びウォン高になると見られる。ただし、これ以上経済指標が悪化しない限りだ。
海外投資家は証券の値上がりで儲け、為替でも儲ける芸達者な投資家でもある。
1200ウォン前後まで為替安になれば、輸出企業は大喜び、為替や巣が続けば、輸出企業も息を吹き返す可能性もある。
最近、韓国経済については、海外誌が否定的に取り上げることが多くなってきており、そうした心理面も、今回の海外投資家の売りを誘っているものと見られる。
韓国の株価指数と対ドルウォン推移
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KOSPI
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ウォン
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18年5月末
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2,460
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1,075
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6月末
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2,320
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1,113
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12月末
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2,041
|
1,116
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19年1月末
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2,192
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1,118
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2月末
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2,149
|
1,116
|
3月末
|
2,110
|
1,136
|
4月末
|
2,171
|
1,158
|
5月末
|
2,034
|
1,188
|
6月末
|
2,110
|
1,154
|
7月末
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2,061
|
1,181
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8月末
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1,967
|
1,210
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9月末
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2,063
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1,201
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10月末
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2,083
|
1,164
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11月8日
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2,137
|
1,154
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11月末
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2,087
|
1,181
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12月10日
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2,098
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1,191
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