アイコン ルノーサムスン 再びストへ文政権下の民主労総の強硬姿勢さらに悪化

 

 

文政権になり、韓国の自動車労組は韓国労総からさらに過激な民主労総に主導権がわたり、要求を飲まねばストを打つことが常態化し、ストを多発させている。

ルノーサムスンは2013年にも販売台数が減少して危機に至り、ゴーン采配で日産が米国での販売主力車種であるSUVローグ(欧州名キャシュカイ、和名エクストレル)を、2014年9月以降年間10万台以上生産委託してきた。そのローグ委託生産契約も今年9月までに終了、モタモタ日産が次のフルモデルチェンジ車の投入が遅れ、現在もいくらか生産委託しているものの、近時終了する。

同社は、昨年9月から民主労総が主導権を握り、翌10月からストを乱発し続け、ルノーもローグに変わる生産車として同社のグローバル販売新車のSUV-XM3を生産させる予定であったが、半分をルノーのスペイン工場に生産させ、同社への生産配分が減っている。

韓国紙は次のとおり報じている。
昨年10月から今年5月にかけて計62回のストを実施し、250時間にわたって工場の生産をストップさせて▲3000億ウォン(約273億円)の損失を出したルノーサムスン自動車労働組合が、またしてもストの準備に入った。

10日午前、釜山地方労働委員会は、11月末にルノーサムスン自動車労組が申請した争議行為調整に「調停中止」の決定を下した。
これにより労組は、同日に予定されていたスト実施への賛否投票を進めることを決めた。

この投票で労組の組合員50%以上が賛成した場合、労組は代議委員会を開き、ストの方法と日程などを決める。

これに先立ち前日午前、ルノーサムスン自動車の会社側は、労組の争議行為調整申請に対し、釜山地方労働委員会ではなく中央労働委員会が処理するよう要請した。
同時に会社側は、ソウル行政法院(裁判所)に対し、これに関する行政訴訟を提起した。
ルノーサムスン自動車の事業場は、釜山工場以外にもソウル事務所、京畿道器興研究所、各地の販売店など全国にあり、釜山だけにある企業ではない。

しかし、釜山地方労働委員会は会社側の要請を受け入れず、調停中止の決定を下した。
労組の合法的なストの権利を認めた。
ただし、会社側が裁判所に提起した行政訴訟判決がまだ残っており、実際にストに突入するには時間がもう少しかかる可能性もある。

ルノーサムスン自動車の労使双方は9月から、今年の賃金協約に対する協議に入ったが、基本給の引き上げなどで合意に至らなかった。
このため労組は、11月28日に交渉決裂を宣言し、釜山地方労働委員会に争議行為調整を申請した。
 ルノーサムスン自動車の労使は昨年、賃金および団体協約の交渉でも歩み寄ることができず、ストを実施した。
労組は、昨年10月から今年5月までに計62回にわたり全面・部分ストを実施し、250時間にわたり工場の稼働をストップさせるなど、会社に3000億ウォンもの損失(社側推算)を与えたと把握されている。
これによってルノーサムスン自動車釜山工場の生産台数の一部が海外に割り当てられた上に、新規の生産台数の割り当ても来なくなった。
生産台数が減少すると、会社側は工場稼働を一定期間強制的に中断(シャットダウン)する形でストに対応した。
こうした中、今年6月に労使双方は賃金団体協約に合意し、相生宣言文の発表も行った。労組がストに突入すれば、昨年の賃金団体協約に合意してから約6ヶ月間で再びストを実施することになる。
以上、韓国紙参照

ルノーサムスンは、サムスン自動車が2000年に経営危機に瀕しルノーに売却、そうした関係から、サムスンがまだ19.8%の株を所有している。その契約でサムスンのブランド名の使用は2020年8月までとなっている。これに対し、サムスンは使用を認めない方針、所有株も売却方針とされている。
巨額撤退損が生じることから無理にルノーが購入するかもしれない。
いっそ韓国から逃げ出すのだろうか。
外資系は韓国の労働組合の実情にどこも購入することはない。
失業対策として自動車生産受託工場を建設する光州市が購入することもない。

文政権が続く限り、ともに民主党政権が続く限り、文政権と蜜月時代を築き挙げている過激な民主労総のストによる工場稼動に問題を投げかけ続け、最終顧客にも迷惑をかけることになり、客離れを生じる可能性すらある。

ルノーにしても歯切れよく撤退すべきだろうが、日産の業績悪化で配当減の影響を大きく受けるルノー本体の業績悪化に、糞切りが異常に悪い。

文政権の労働組合問題では、光州市立自動車受託生産工場の2022年生産開始、生産を委託する現代自動車+文政権と現代労組が全面戦争することになる。かの光州事件を再来させる可能性すらある。しかし、文政権が子飼いしている民主労総でもある。青瓦台とマッチポンプの裏取引もあり、最終的にどうなるかは不明。与党系の大集会デモの主力は妄信的な労働組合でもある。

ルノーサムスンはルノーの車両を生産し、国内販売と独自+ルノー系統で海外販売をしている。
ルノーの会長も目先、時間がかかる日産どころではなくなってくる。

 

ルノーサムスンの世界販売台数推移
 
2017年
2018年
前年比
2019年
前年比
1月
20,256
21,847
7.9%
13,693
-37.3%
2月
20,582
15,994
-22.3%
11,721
-26.7%
3月
25,281
27,059
7.0%
13,796
-49.0%
4月
22,444
23,096
2.9%
13,720
-40.6%
5月
20,517
16,101
-21.5%
14,228
-11.6%
6月
26,815
21,921
-18.3%
18,686
-14.8%
7月
23,295
18,565
-20.3%
15,874
-14.5%
8月
19,469
12,733
-34.6%
12,987
2.0%
9月
26,182
14,582
-44.3%
15,208
4.3%
10月
19,694
18,630
-5.4%
14,826
-20.4%
11月
25,759
18,601
-27.8%
15,749
-15.3%
12月
26,515
18,462
-30.4%
1~11月累計
合計
276,808
227,577
-17.8%
160,488
-23.3%
ルノーサムスン世界販売台数推移
 
販売台数
前年比
 
受託生産車も販売台数に含んでいる。
2012年
154,309
 
 
2013年
131,010
-15.1%
 
2014年
169,854
29.6%
ローグ投入
2015年
229,082
34.9%
 
2016年
257,345
12.3%
 
2017年
276,808
7.6%
 
2018年
227,577
-17.8%
 

 

[ 2019年12月11日 ]

 

 

 


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