アイコン 韓国 VWの不正に24億円の罰金

 

 

韓国の地裁はフォルクスワーゲンの韓国法人に対し、罰金260億ウォン(約24億円)を言い渡した。共に起訴されたパク・ドンフン前アウディ・フォルクスワーゲン・コリア(AVK)社長には懲役2年、認証関連部署の責任者には懲役1年の実刑を宣告した。
起訴されてから3年を経ての判決となった。

AVKは2008年から2015年まで排出ガス基準に達していないフォルクスワーゲンやアウディのディーゼル車12万台をドイツから輸入したとして起訴されていた。

AVKはこれらの車の排出ガス認証を前に、有害物質を本来よりも少なく排出するよう操作されたソフトウェアを使って認証試験を通過させていたことが判明している。

AVKは149件の排出ガス試験の書類について偽装し、カタログに「環境にやさしい」性能をうたって誇張したともされた。同地裁は「(AVKは)大韓民国の法令を順守する意志がなく、利益の最大化にばかり集中した」と述べた。
起訴後、ドイツに渡って出廷していないJohannes Thammer、Trevor Hill両AVK総括社長についても犯行加担事実を認め、「これら2人の欠席で裁判が遅れている」と述べた。
以上、

韓国での当VW問題は、米国で2015年9月に発覚したVWディーゼル車の不正排ガス問題で、VWが米国ではユーザー補償するにもかかわらず、韓国ではリコールのみで補償しないことから、政府もユーザーも怒り狂い、当局がこれまでのVWグループの輸入や車両認証資料を徹底的に再審査し、不正を山ほど見つけ、認証を取り消し、販売できないようにし、再度認証申請を出しなおさせた。韓国では業者と認証機関当局とは癒着は当たり前のことでもあるが。

そうした中で、韓国当局は、韓国で販売されているディーゼル乗用車を全車、排ガスがどうなっているのか調べたところ、エンジンルーム温度が48度前後で9割以上が、排ガス再燃焼循環装置=EGRを停止するようにプログラムしていることが判明、夏場などエンジンルーム温度しだいで排ガス規制値を大幅に超過することが判明していた。

しかし、それはユーロ基準に基づくもので、エンジンルーム温度が60度を超えた場合、エンジンが高熱で破壊される危険性があり、エンジンに負荷がかかるEGRを停止させることを、メーカー団体側とユーロ当局の裏基準を設けていたことが判明している(ユーザーだまし)。

そうした中、日産の英国産ディーゼル車のキャシュカイ(エクストレイル)は、35度でEGRが停止するように設定されていたことから、韓国当局はリコールと罰金を言い渡した。
それに対して当時の日産ゴーンは、ユーロ基準の英国で認められているものだとして異議申し立ての裁判を起こした。しかし、韓国で外国勢が勝つ裁判などあろうはずもなく、日産は敗訴していた。

EGRを停止すれば、エンジン負荷が減少し、燃費がよくなる。EU基準で認められているエンジンルーム温度35度~50度でEGRを停止させれば、エンジンを高熱で破損させることもない。

AVKはVW車などを韓国で輸入販売する際の、韓国当局の形式認証が、当局の調査で、ろくに審査もせず、でたらめに交付されていたというもの。これはAVKと仲良しの認証当局にも問題がある。
VWは今回の罰金で排ガス問題が韓国で済んだのではない。
VW排ガス問題車を購入していたユーザーが大量に裁判を起こしており、それも韓国の裁判制度では外資が負けることがお決まりコースでもあり、ユーザーに対する賠償金が待っている。

なぜ、米国で補償し、韓国では補償しないのかは、輸入販売する際の内容にある。米国ではメーカー側の不正などにより損害などが発生した場合、メーカーはユーザーに補償する内容が当局とのメーカー側の契約が記されているという。

しかし、米国以外の他国は、そうした補償契約を締結しておらず、VWはリコールのみで対処している(ドイツは政府主導でユーザーに補償金を支払わせた)。
1000万台ともされた不正、その全車を補償すれば、VWはさらに莫大な費用がかかる。販売台数はそれほどない米国だけでも巨額罰金も含め総額2.5兆円ほどかかっている。


 

[ 2020年2月 8日 ]

 

 

 


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