アイコン 中国がおちょくる韓国キムチ論争


中国泡菜も韓国キムチも白菜をベースにした植物性乳酸菌による発酵性食品の漬物。
泡菜(パオツァイは白菜や大根、人参などの野菜を一緒に漬け込んだ塩ベースの漬物、
キムチは白菜に赤唐辛子粉をまぶし、白菜の中ににんにくや赤唐辛子・野菜・魚介類まで入れた塩ベースの漬物。

もともと4千年の歴史があるとされる泡菜は、中国にも朝鮮半島にもあり、16世紀に日本から赤唐辛子が朝鮮半島へもたらされ、その泡菜に用いた白菜に赤唐辛子をまぶし、進化させたのが今日の韓国キムチ。

ただ、キムチは韓国が宗主国と言えないのは、中国領土になっている朝鮮北方の朝鮮族(扶余・玄菟・卒本)が昔から暮らしており、現在でも800万人ほどの人口を擁し、キムチを食し生産している。韓国が宗主国として独占するのは、北朝鮮もあり、いかがなものかと思われる。

<韓国ではキムチを家庭で漬けなくなった。生産量も激減>
2019年には、韓国のキムチ輸入量は約31万トン、韓国内の生産量は約33万トン、原料となる韓国産ハクサイの生産量はこの20年で半減しているという。
これは中国朝鮮族が漬けたキムチが中国から輸入され、増加し続けているもの。

2017年の韓国産キムチの輸出量は2.4万トン、一方、輸入量は27.5万トンであり、もはや韓国産キムチを絶対化するには内容も乏しいものになっている。それも輸入量は2年間で4万トンも増加もしている。
2019年に日本が韓国から輸入したキムチは1.6万トン、加工食品でもあり、韓国から輸入されているものの、原産国が中国なのか韓国なのかも分からないのが実態。それほど多くの韓国のキムチメーカーが中国産を輸入して販売しているのも事実。

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(中国朝鮮族キムチの価格は韓国産の1/7)
2017年の韓国産キムチの輸出単価は1キロあたり3.35ドル、輸入単価は0.47ドル。
価格差がありすぎ、韓国では都会どころか田舎でも漬けるより購入した方が安上がりとして家庭で漬けなくなっているという。都会では少人数世帯が多くなり漬けなくなったり、臭いで漬けなくなったり、都会でも田舎でも今では白菜の価格は天候不順により高騰したりして買った方が安上がりで漬けなくなっている。それまで家庭ごとに材料が異なるキムチ、それまで韓国の食文化を彩っていたが、今はその面影は口ばかりになっている。

キムチの製法は、韓国産も中国産も一緒、差別化を図ろうとしてもすぐ真似できる。瓶とラベルを化粧品並みに高級品にしなければ差別化も計れないのが現状だろう。

キムチ戦争の発端は11月、中国・四川省の眉山市が「泡菜」と呼ばれる地元特産の食品について、国際標準化機構(ISO)の承認を受け、国際的な食品規格を制定した。この報道に対して、韓国紙が反発、「韓国のキムチを泡菜の一種と見なしてきた中国が、今回の国際規格を韓国産キムチの国際規格に変身させる論理を展開している」という記事を掲載。韓国ネチズンが呼応して中国批判を展開、中国のネチズンたちが反発して論争となっているもの。

11月22日は韓国ではキムチの日、農林畜産食品部が「新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけにキムチをはじめとする発酵食品が免疫力増進に役立つことが知られるようになり、韓国のキムチに世界が注目している。・・(中略)・・これからも引き続き官民が協力して、キムチ宗主国の地位をさらに高めるために努力する」と発表、HP上でも「韓国のキムチにISOで承認された中国の泡菜の規格は適用されない」と掲載するなど官民一体となって泡菜ISO規格取得を批判したものとなっている。

韓国は、もともと泡菜とキムチがまったく異なる漬物と認識していれば、韓国側は問題にする必要もないのであるが、昨今、中国がBTS発言問題、ブラックピンクのパンダの赤ちゃん素手さわり事件などで韓国を噛み付いていることから、逆襲の材料にしたものと見られる。
韓流元アイドルのイ・ヒョリが新プロジェクトの企画名を「マオ」としたことから、中国ではマオは「毛沢東」を指し、中国ネチズンが猛反発した問題が、最近の中韓ネチズン戦争の起点になっていた。
そうした中韓ネチズン戦争の最大の余波を食っているのが韓国の自動車勢だろう。

こうした対立のベースには2017年3月からの本格的なTHAAD制裁による対立がある。中国の限韓令により韓流モノは映画・ドラマ・K-POPPに至るまで中国では原則禁止されている。自動車も不買が現在でも継続し韓国勢の車両販売台数は大幅に落ち込み続けている。
先般、やっと1本の韓国製ネットゲームが、中国での配信が認可されたと韓国で報じられている。

なお、2014年7月、中国の習近平国家主席が訪韓したが、朴大統領の習主席に対する唯一のお願い事は、「中国のキムチ輸入解禁」のお願いだった。
それまで韓国産キムチは中国へ輸出されていたが、大腸菌量が基準値を大幅に超えていたことから中国が輸入禁止に。その間、中国から大量に韓国へ中国キムチが輸出されていた。
作戦練磨の習主席は、帰国半年以上経過後、やっと韓国産キムチの輸入を再認可させた。THAAD問題発生の2年以上前の話である。
中国は2019年から韓国産味付海苔の輸入を大腸菌問題から禁止している。

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[ 2020年12月10日 ]

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