アイコン 重大災害法成立 何でもかんでも企業の責任にする韓国文政権


韓国の文在寅政権下では、協力関係にある左派労組と市民運動家の言い分を120%聞き入れ、韓国で多い労働災害における責任について、現場責任者、担当役員にとどまらず、経営者の責任まで問う重大災害法を成立させた。

これまで文政権は企業・事業者に対して「最低賃金を上げれば、消費が増え国民所得も増大する」とする所得主導成長政策を推進。しかし、IMFや世界銀行などが経済不振下で行うことは問題が大きすぎるとして警告を発した。それにもかかわらず最低賃金を最初の2018年・2019年の2年間で29.4%も引き上げた。その結果、多くの零細の自営業者や中小企業者は廃業や倒産に追い込まれ、非正規雇用を中心に失業者が増大した。人々が直面したのは、政権の意向とは裏腹に、低所得者層を直撃し、所得格差の拡大という悲劇を演出した。内容的に文政権批判となった統計庁の資料につき、統計庁長官を自らに忖度しなかったとして首にし、現在は忖度長官が就任している。経済政策仕切った張夏成氏は左派学者からの青瓦台政策室長就任だったが、その後も経済が好転せず更迭されたが、文在寅氏は中国大使に栄転させている。

今回設立させた「重大災害法」という法律の骨子は、
事業主らの安全教育・対策不備や不注意による事故で労働者がケガをしたり死亡したりする「重大災害」が発生した場合、事業主・経営者・法人を処罰する。
労働者が死亡した場合、安全対策の義務を怠った事業主や経営責任者は1年以上の懲役または10億ウォン(約9500万円)以下の罰金刑をとなる。
労働者がケガをしたり病気にかかったりした場合は7年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処せられる。
処罰対象は「代表取締役または安全担当取締役」と規定されている。
これまでも産業安全保健法に処罰規定はあるが、元請けの責任を確実に問えるようにした点で、下請けの現場まで目が行き届かない元請企業の責任負担は限りなく増す(元請企業から被害者に大枚を支払わせるための刑事上の罰則でもある)。

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労働者や市民団体の声に押されたという点で、最低賃金引上げとまったく根は同じ。深刻な労働災害が相次ぐ韓国で、企業や経営者に安全管理の徹底を促すという点では評価できるが、問題は、産業現場の責任者のみならず、事業主・経営者、元請企業まで責任を追及しようとしている点にある。
もちろん事業主や経営者は、安全な労働環境の整備に責任を持たなければならないが、韓国国会で成立したのは、その基準も明確でなく、事故が起きた時に、与党議員たちやロウソク民心たちにより恣意的に経営者や事業主、元請会社の責任が追及されかねないとして、財界などから猛反発が起きている。

最低賃金の引き上げでは民間企業が大打撃を受けた。そのため、「韓国に投資する者は愛国者」というキャッチフレーズを叫ぶなか、大企業は文政権の目が光り海外工場進出は思うに任せられないが、中小零細企業の製造業者の多くがベトナム等へ工場移転、今回の法律の導入によって、さらに韓国から脱出する企業が続出するものとみられている。

労災ならば経営者に厳罰。労災の認定作業も民心。
韓国の全経連は「明確性原則、責任主義原則など法の原則に背く余地が多い法律にもかかわらず、十分な議論の時間を持たず性急に処理された」
大韓商工会議所も「すべての責任を企業に取らせ、過度の刑を科している」
韓国経営者協会も「経営責任者に過酷な処罰を科す違憲的法律だ。ひどすぎる」
と批判している。

「重大災害法」に従おうとすれば、「時間と人件費が倍近く増える」、「元請会社に対する処罰の負担で大企業の下請企業に対して量も大幅に減少すると予想され心配」との声が経営者から上がっているという。

この法律によって労働災害の減少が実現すればよいのだが、それ以上に韓国では企業の事業環境が一層悪化することになる。
韓国経済は半導体など電子産業で持っているだけで、ほかの業種は長く低迷したままになっている。

文政権は、経済界がこぞって反対するなか12月の臨時国会に法案を提出し、圧倒的多数の与党がろくに審議もせず、1月8日臨時国会の会期末に成立させた。

経済界も驚くほどの早業。そのやり方に、韓国企業は怒りと落胆を隠そうとしていない。要するに、文政権や与党議員たちは純粋培養の元学生運動家、労働組合、市民運動活動家、左派学者、左派弁護士らが設立した参与連帯のメンバーにより構成された現実の経済を理解できない社会主義政権、当初から企業敵視策を執行し続けている。

韓国では賄賂をもらった与党議員のご加護なくして事業の継続も望めないほど事業環境が悪化してきている。
親分たちが脛に傷を持つ現代自動車やサムスン電子は、文政権ににじり寄って生き延びている。

これに先立ち昨秋、韓国GMでは派遣業法違反容疑で同社の米国人代表が出国禁止命令を受けた。労務担当役員ならば違法行為が大きければ仕方なかろうが、出国禁止を受けた代表は「こんなことでは誰が韓国の外資系企業の代表になろうか」と吐き捨てていた。
こうしたことも含めて、昨年4月15日、韓国の国民が圧倒的多数の与党議員を誕生させたことにある。それでいて企業には仕事がないと文政権の施しを待っている。救いようのない国民だ。
今後、韓国GMやルノーサムスンの代表のなり手は韓国人以外いるのだろうか。
何百社も韓国へ進出している日本企業もまったく同じことが言える。

 

[ 2021年1月12日 ]

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