アイコン ソフトバンク出資の英グリーンシル・キャピタル破綻 7500億円の企業価値も水泡


英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルは3月8日、英国の裁判所に会社管理手続きを申請し、経営破綻した。
企業の商取引で生じる売掛債権を対象にした金融サービスを手掛け、ソフトバンクグループ(SBG)も出資していた。
提携先だった複数の関連ファンドが離反して資金繰りが行き詰まった。法的管理下で事業の売却を模索する。

3月4日のブルームバーグの報道では、
グリーンシル社は、高い企業価値を追い風に資金を求めていた。サプライチェーンファイナンス(SCF)を手掛けるグリーンシルは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で代金を早めに受け取る必要のある小さなサプライヤーの資金ニーズがあらわになったと訴えた。

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だが、昨年7月、オーストラリアの保険会社が、グリーンシルが提供した融資を対象とした保険契約の更新を拒否。同じ頃、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)がブレーメンで急成長しているグリーンシル設立の銀行に対する調査を開始した。
この2つの出来事で問題とされたのはリスク。
特にBaFinはグリーンシル氏に近い実業家サンジーブ・グプタ氏との関係に注意を払った。同氏はグリーンシルの早くからの顧客であり投資家でもあった。同氏率いる企業への融資が両氏のコングロマリットの成長を後押ししていた。

「金融をもっと公平に」とうたい10年前にスタートしたグリーンシルは、ソフトバンクグループやクレディ・スイス・グループなどの投資家やキャメロン元英首相のようなアドバイザーを引き付けた。

そうしたグリーンシルを巡る急展開は、融資を受けている企業で働く多くの人々の雇用を脅かし、国際的な企業のサプライチェーンのみならず英国の医療制度さえも混乱させている。

つい昨年まで70億ドル(約7500億円)との評価を受けていたグリーンシルだが、今は英国で破産手続きを始める方針。同時に保険会社アテネ・ホールディングおよび同社に出資する投資会社アポロ・グローバル・マネジメントへの事業売却も探っている。BaFinはドイツにあるグリーンシル銀行を閉鎖し、不正会計の疑いがあるとして捜査当局に告発した。

[ 2021年3月 9日 ]

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